豪徳寺に「atelier de terrine maison okei（アトリエ ド テリーヌ メゾン オケイ）」が開業。新橋を拠点とするokeyグループが他エリアへ進出！テイクアウトにも向くテリーヌ専門のビストロで勝負

新橋ドミナントから、コロナ禍を機にエリア・業態の分散の必要性を痛感

小田急線で新宿から15分ほどの豪徳寺。世田谷線の山下駅とも接続し、のどかな住宅街が広がる街だ。そんな豪徳寺の駅からすぐ、地域住民が絶えず行き交う生活通路沿いに築70年の古民家がある。以前は１階でタピオカドリンク専門店が営業していたが、２階と３階含めた一棟丸ごとを大改装し「atelier de terrine maison okei」として生まれ変わった。工事中から多くの人の注目を集めつつ、オープン後は「テリーヌ専門店」の珍しさも相まって、さらなる話題を呼んでいる。

運営のokey（東京都港区）は、広告業界で働いていた片寄雄啓氏が2005年に創業。「おけい屋」、「Viva！Okei」など、一貫して新橋のオフィスワーカーに向けた飲食店を展開してきた。今回は本拠地・新橋を離れての出店だ。その意図について片寄氏はこう話す。「コロナ禍によりビジネス街から人がいなくなり、新橋の店舗はほぼ休業せざるを得ない状況になってしまいました。これを機に、業態やエリアを分散させる必要性を感じ、去年末から新橋以外の場所での出店を考え始めました。ビジネス街ではなく住民の多い生活圏で、なるべく新橋から離れている場所を検討。都内全域から千葉や埼玉のようなベッドタウン、もっとのどかな地方でもいいのでは？とも考えました。豪徳寺にゆかりはなかったですが、いくつかの候補の中からこの物件に魅力を感じて契約しました」。

片寄氏が惚れ込んだという同物件は、１・２階フロアとその上の屋根裏スペースから成る古民家。もともと２・３階は住居や倉庫として使用されており、当初、大家は１階以外を貸し出す意思はなかったという。「1棟まるごと利用できれば、広々とした空間で古民家の良さを生かしつつ、思い描く店づくりができると思った。『物件の価値を上げられる』と大家さんに交渉しました」。結果、片寄氏の熱意により一棟丸ごとの契約に成功した。

豪徳寺駅・山下駅から徒歩１分。多くの住民が行きかう生活道路沿いに存在感たっぷりに佇む。間口は広くとり、開け放って営業し解放感を演出。道に面した場所にショーケースを設置し、テリーヌを並べてテイクアウトで販売する

1階はカウンターとテーブル席。２階と吹き抜けになっている。犬連れもOKだ

２階はゆったりとしたテーブルやソファを配置し、子連れ客にも好評。さらに３階屋根裏スペースはウォークインセラーに造り替え、300本近いボトルワインを並べる

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