神田の雄・スマイルリンクルが「ラムゴロー」を開業。多彩なラム料理を提供する酒場を営業する傍ら、１棟ビルを活用し、人材不足や雇用のダイバーシティを見据えた策を打ち出す

神田で「ゴロー」ブランドの認知が広がり、オープン当初から1日70～80人を集客する好調な滑り出し

オープンから1か月ほど、1日70～80人を集客し、これは目標通りの数字だという。「これまではオープンから時間をかけて集客人数や客単価の目標値を達成することがほとんどだったのですが、神田で『ゴロー』の認知度が高まってきたことからか、今回はオープン当初から目標に達する順調な滑り出しです」と須藤氏。長年、神田に根付いた商売を行ってきたことがここで花開いているようだ。

店舗のほか、3階のセントラルキッチンも同社にとって重要な位置づけとしている。「今後、飲食業界では人材不足が深刻になる。そうなった際、人材不足で困る他社の仕込みを請け負う工場として稼働したい。また、Uber Eatsなどを通さず、神田近隣のホテルやキャバクラ、雀荘など大口注文が見込める場所への自社配送のフードデリバリー事業も考えています」と須藤氏。さらに「雇用のダイバーシティを広げる」ことも、セントラルキッチンを作った目的だ。「当社は10年以上勤務するベテランのスタッフも多い。年とともにどうしても体力は落ちるので、その時にきつい現場ではなくセントラルキッチンで長年の調理経験を生かした商品開発を任せて、やりがいを感じてもらえればと考えています。一方で、6年前から新卒採用を開始したことで、若い社員、特に女性も増えている。彼女達が将来結婚・子育てをすることになったときも長く働ける環境を整えることも必要。現場は夜営業が中心ですが、セントラルキッチンならば昼に働くことができる。こうして、老若男女、様々なスタッフが輝ける環境を整備していけたら」と須藤氏。「ラムゴロー」は店舗のみならず未来を見据えた策を詰め込んだ出店だ。

写真後列中央が代表の須藤 剛氏。後列左が取締役の大島清志氏、右が店長の吉川良太氏。前列左からスタッフの中川マリア氏、福村里緒氏。同社では新卒採用も積極的に実施し、フレッシュで元気な若手スタッフ中心に店を盛り上げている

（取材＝大関　まなみ）

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