西新宿七丁目に「酒場つむぎ堂」がオープン。23歳で起業した若手オーナーによる4店舗目。“ワンランク上の大衆酒場”をコンセプトに都内に初出店

コロナ禍を受け、ブランドコンセプトを一新

創業店が軌道に乗り、次に出店した「鶏の吉助」の千葉店では挫折を味わう。マーケティングの結果、地方の主要都市に潜在需要があると見込んで出店したが、まったくお客が入らなかったというのだ。「ビジネスマンをターゲットにした店を作ったところ、実際に街を歩いてみたら若い世代の人が多かった。データだけを頼りに店を作ってしまったため、実際のニーズが見えていなかったんですね。すぐにメニュー構成を一新しました」。

同様に北はすすきの、南は博多など全国各地で店舗展開するべく、物件を探し始めたところでこのコロナ禍だ。団体客を主なターゲットとしていたため、会食や宴会ができなくなったことで売り上げはほぼゼロになってしまう。休業を迫られ、社員が次々に退職する中で、改めて不況に強い店を作ろうと考えた馬淵氏。コロナ禍でも満席の店を参考に、千葉店出店時に出会った現営業本部長の村野寛騎氏を誘い、出店した3店舗目「ネオ大衆酒場 サワマル」が大ヒット。

「『サワマル』がうまくいったことで自信がつき、今だったら都内で勝負できるかもしれないと都内で物件を探し始めました。何よりも、僕自身が行きたい店を作ることができたので、自分が住んでいる場所の近くにもほしいなと思ったんです」と馬淵氏。

渋谷や恵比寿などエリアを広げて探す中で見つけたのが、ビルの2区画を活かしたユニークな物件。厨房をぐるりと囲むようにしつらえたカウンターを中心とした、ライブ感のあるフロアと、いずれ宴会にも対応できるようにゆとりを持たせた“離れ”と趣の異なるフロアを作ることで、幅広い層の顧客満足度を上げ、地域に根差した店に育てたいという。

ライブ感のある空間は和モダンをイメージ。このほか、テラス席や落ち着いた雰囲気の離れも

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