大井町に「stand LOTI （スタンド ロティ）」が開業！「wine stand SAMI」の2号店。ジョージアワイン×多彩な創作料理を立ち飲みで楽しませる

飲食店オーナーを目指し、レストランや居酒屋等のアルバイトに明け暮れた学生時代

大井町駅東口から徒歩で約2分、ゼームス坂通り沿いにある「stand LOTI 」。駅の西側、大井三ツ又交差点に構える創業店「wine stand SAMI」からは徒歩10分圏内だ。

高校生の頃から飲食業界志望で、自分の店を持つことを夢見ていたというオーナーの洪氏は、学生時代はワインバーやアッパー層向けレストラン、立ち飲み、スリランカ料理店など、さまざまな業態の飲食店でアルバイトを通じて経験を積み、都内での会社員経験を経て、大阪の人気立ち飲み店「STAND mee（スタンド・メエ）」の立ち上げに加わった。「（STAND meeオーナーの）メエさんとは学生時代のアルバイトの繋がりで縁があり、いつしかメエさんが東京に来るたびに一緒に飲むようになりました。とにかく気が合って、飲み屋ではいつも「なんか足りないな。あんただったら何を入れる？」とか「この店のコンサルとして入って、3つ変えるとしたらどこ？」なんて話をしていました。お店側からしたら相当嫌な客ですよね（笑）。これがすごく楽しくて、お互いにいつか一緒にお店ができたらいいなと思っていたんです」。

やがてメエ氏が大阪・黒門市場で店を出すことになり、洪氏も大阪へ。このとき、改めて大阪の立ち飲み文化の魅力を知ったという。「みんなでカウンターを共有する感じとか、その店のお客さんたちが作る独特の空間とか……こんな世界があるんだ、と思いました。それまでは落ち着いた雰囲気の店を作りたいと思っていたのですが、立ち飲みでワインが飲めるお店をやろうと決め、ソムリエの資格を取得してから東京に戻ってきました」。

アルバイトをかけもちしながら、独立準備をしていた頃に出合ったのがジョージアワイン「Mukado（ムカド）」だ。インポーターからこのワインをどのように広めるか、相談を受けたのを機に試飲したところ、その味わいに感動。このワインをメインにした立ち飲みのワインバーを開くことを決意するに至ったという。「ジョージアではワインは日常的な飲み物。生活に溶け込みやすい立ち飲みのスタイルに合うと思ったのですが、作り手としては高級店で出してほしいかもしれない――。そう思って、自分の思いを手紙にしたためてジョージアの生産者さんに送ったんです」。そんな洪氏の想いが届き、生産者の快諾を得て2020年3月に「winestand SAMI」をオープン。直後に緊急事態宣言が出されたり、時短営業を余儀なくされたりと大打撃を受けつつもなんとか乗り切り、地元住民をはじめ多くの人に愛される繁盛店へ成長した。

そして2022年12月、かつて古書店だった物件を建て替えて「stand LOTI」をオープンする。新築でありながら、あえて2階に店舗を構えた理由を「店の雰囲気はお客さんが作るもの。言葉を選ばずに言うと、誰でも彼でも来てほしいわけではない」と洪氏。「気軽に立ち寄れる店ではあるけれど、お酒が飲めるならどこでもいいという人ではなく、この店で飲みたいと目的を持って来ていただけたら嬉しいです」。

ゼームス坂通り沿いのビル2階に位置する店舗

平日でもこの賑わい。シェフのマッテオ氏のように、スタッフの気さくな人柄に惹かれて自然と人が集まる

店舗データ