池尻大橋に居酒屋「SANKYU本店」が開業。同エリアを中心に展開するSANKYUグループが、独自ルートで仕入れた宮崎牛とおばんざいを看板に据え、界隈の居酒屋需要を獲得する

独立から8年後、矢継ぎ早に複数業態を開業。1号店は移転＆業態変更へ

1号店のオープンから6年後、谷口氏は2号店の開業を意識し始める。「もともと多店舗展開は視野に入れつつも『まだタイミングではない』と慎重に運んでいて、気づけば月日が経ってしまっていた。『そろそろ本腰を入れなければ！』と決めて、物件を探し始めたんです」。当初、2号店は人の往来が盛んな恵比寿での出店を考えていたが、競争率の高さから難航。2年間、理想とする物件と出合うことができなかったが、池尻大橋で条件に合う物件と巡り合い、2018年に2号店の「囲炉裏と鍋 三九」を開業した。また、時期をほぼ同じくして谷口氏が通っていたバーが閉店。オーナーとも交流があったことから物件を引き継ぎ「カラオケ＆ダーツ39」も開業。「もともと1号店のお客さまからカラオケの需要があったので、近隣で開きたいと思っていました」。さらに2021年11月には梅ヶ丘で「テッパンヤサンキュウ」を開業。こちらは学生街である立地を鑑みて若者をターゲットにした店づくりをしている。

一気に展開を広げた2018年から4年後となる今年、谷口氏は自身のスタートラインである1号店「STEAK＆BAR SANKYU」の業態変更を考え始めた。「肉バルも悪くなかったのですが、業態のスタイルや単価などを考えると来店のハードルが高いのではないかと考えるようになりました。もっと幅広いお客さまに来ていただいて、より地域密着の店づくりをしたかったんです」。池尻大橋付近には競合となる店舗が少ないことから、居酒屋業態への転向を思案。奇しくも「カラオケ＆ダーツ39」の1階が空いたため、谷口氏は即座に入居を決定。「STEAK＆BAR SANKYU」の移転リニューアルというかたちで、7月1日、居酒屋「SANKYU本店」を開業した。なお、「STEAK＆BAR SANKYU」の物件も、今後、また別の業態としてリニューアルする予定だ。

店内は長いカウンターとテーブル席があり、広々としている。お客が目で楽しめるよう、カウンターにその日のおばんざいをのせるスタイルだ

店舗データ