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新・編集長コラム

ノウハウはシェアする時代。2022年は二者が力を合わせた「コラボ酒場」が盛り上がる!

激動の2021年が終了。コロナ禍の影響はいまだ根強く、以前と同じ経営を続けていては先が見えないと考えて新しい取り組みに挑戦したオーナーも多かった。その中で特に多かったのが「コラボ酒場」だ。去年は、新たな取り組みとして2人のオーナーが共同して店を開業する事例が目立った。それぞれの得意分野を生かして相乗効果を発揮。その過程で互いに良いところを吸収し、各自会社の体制を強化につなげていたようだ。今は「シェアの時代」、M&Aまではいかないゆるい結びつきで、互いにとってメリットを提供し合い、ともに成長する。この流れは2022年も引き続き加速しそうだ。今回は、2021年に注目を浴びた「コラボ酒場」の事例を振り返りたい。

PROFILE

大関 まなみ

大関 まなみ
1988年栃木県生まれ。東北大学卒業後、教育系出版社や飲食業界系出版社を経て、2019年3月よりフードスタジアム編集長に就任。年間約300の飲食店を視察、100軒を取材する。


立ち飲みワイン 荒川STAND

運営はパッション・インサイドだが、店づくりには「世田谷STAND」のオーナー、白石高大氏をプロデューサーに迎えて作り上げている。パッション・インサイドは宴会系居酒屋などを展開してきており、同社にとってコロナ禍の影響は小さくはなかったはずだ。一方で、コロナ禍でも強かった業態のひとつに“地域密着、根強いファンのいる小規模店”が挙げられる。パッション・インサイドが目を付けたのが、まさに小規模地域密着店である「世田谷STAND」。中堅企業とオペレーション力と個店のよさを掛け合わせた店づくりを実現している。
記事

居酒屋 初場所

学芸大学「鳩乃湯」などの吉利雄太氏と、江古田「とろわる」などの加藤 亮氏の人気酒場オーナー同士のコラボ。「トレンドに迎合せず、ベーシックを大切に」をモットーに、2者のセンスがいかんなく発揮された店だ。

ちなみにこの記事は2021年にアップしたヘッドラインの中でも、特に「読んだ」という声が非常に多かった。内容を熱心に読み込み、実際に店にも行ってみたという飲食関係者は多そう……。それだけ飲食関係者にとって衝撃的な店づくりだったのかもしれない。

記事

恵比寿サウナー

こちらも酒場オーナー同士のコラボ。昔馴染みの仲でサウナ好きの共通点のある、高橋 賢氏と阿部 智氏が共同でオープン。サウナを併設した居酒屋だ。オーナーがコラボしていることに加えて、「サウナ×居酒屋」の異業種コラボの店でもある。飲食以外の業種にも挑戦し、コロナのような有事に対応できる体制を整えたいとの狙いだ。

記事

KAMERA

こちらは大胆な異業種タッグ。IT業界で活躍する起業家の目良慶太氏と、三軒茶屋「Bistro Rigole」のオーナーシェフの亀谷 剛志が手がける、焼売とウーロンハイの立ち飲みだ。店のコンセプトやマーケティングは目良氏、料理のレシピは亀谷氏と、互いに長年キャリアを積んできた分野を担当。

記事

0秒レモンサワー ときわ亭

2021年の外食アワードを受賞したGOSS代表の藤田健氏の「0秒レモンサワー 仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭」も実は「コラボ酒場」と言える。卓上に設えたサーバーからお客が注ぐレモンサワーの飲み放題「0秒レモンサワー」の印象が先行しているが、この業態はもともと仙台を中心に約30店舗を展開する老舗ホルモン店「ときわ亭」が起源だ。「ときわ亭」の商品力に、キャッチーな「0秒レモンサワー」の仕組みやSNS映えを狙った「レモン牛タン」などの大衆に刺さるコンテンツを加えて全国に展開、大ヒットさせた。2022年1月現在、店舗数は50を超え、2022年11月末までに100店舗を目指すという。

2022年もますます増える?「コラボ酒場」

似たセンスを持つオーナー同士や、異なる客層を得意とするオーナー同士、はたまた、まったくの異業種同士など、様々な「コラボ酒場」が登場した2021年。今年もどんなコラボが誕生するのか?一者だけでは表現できない、コラボだからこその魅力的な店づくりに期待したい。

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