中目黒に「kosamme（こさめ）」が開業。恵比寿「amme」「sqall」に続く新店舗は、小皿おばんざいと土鍋ごはんの居酒屋。「飲食業界の常識をぶっ壊す」働き方改革も推進中！？

飲食の常識にとらわれない手法で集客。別事業も立ち上げ、労働環境の整備

現在、既存店の「amme」は10坪で550 万～650万円、「Sqall」は15坪で500万円を売り上げる。しかし「調子がいいときほど油断してはいけない」と佐藤氏。「amme」はたびたびインフルエンサーに取り上げられることがあり、それを見た新規客に支えられている部分があるが、今後はお客一人一人に濃い接客を行い、リピーターの獲得に注力していくという。「Sqall」は開業当初、売上が振るわなかったというが、近隣オフィスに営業をかけることで難局を乗り切った。「店長が体力と根性だけはある奴なので、近くの会社にスーツを着て、『宴会部長はいますか？』飛び込み営業をしました(笑)。“法人契約”と称してその会社のお客様には一品サービスするなどして、リピーターをつくっていった。証券会社の営業マン時代は当たり前にやっていたことですが、『他にそんなことをする飲食店はない』と面白がってもらえましたね」と異業種出身の佐藤氏らしい発想だ。

佐藤氏は「まだまだ改善余地のある飲食業界の働き方を根本的に変え、業界の常識をぶっ壊したい」と話す。「最近、産休に入ったスタッフもおり、労働環境を本格的に整える必要性を感じています。飲食店の運営だけでは限界があるので、別事業として人材紹介業を始めました。自分自身、ここ２～３年、飲食業をやってきて身についた知識やスキルはとても大きい。この経験があれば何でもできると確信した。それだけ飲食は様々なことが学べる素晴らしい仕事だということを世に発信していきたい。産休のスタッフが復帰したら、彼女がやりたいと思っているアパレル事業にも取り組む予定で、夜が中心の居酒屋営業以外の業務をつくることで、子育てと両立できる環境にしていきます」。

スタッフの働く環境を第一に考える佐藤氏だが、そのもとで働く横田氏にも、想いは連鎖している。今後の目標を訪ねると、「この店は、アルバイトの子が楽しく働ける店にしていきたい。家族や友達に『ここで働いてるんだよ！』と自慢してもらえるような。私自身、学生時代の飲食店のアルバイトが楽しくてこの業界に入ったので、それを伝えていけたら」と話す。

写真左が代表の佐藤廉也氏、右が店長の横田奈央氏。横田氏は同社の“裏番長”的存在だそう。「気づいたら足が向かっているような、『ついつい来ちゃった』という店にしていきたい」と意気込む

（取材＝大関　まなみ）

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