営業から飲食業界に転身。独立開業1店舗目は、瞬く間に月商500万円の繁盛店に
恵比寿駅東口から、高架沿いを渋谷方面へ。喧騒が少し遠ざかり、住宅街の入り口に差し掛かるあたりで、「sqall」と出合う。真っ白なタペストリーには、「肉刺し 魚刺し 日本酒」の筆文字が。「開業前、今、店長を任せている玉岡に『新店、なにやりたい?』と聞いたら『刺身がいいです』と即答だったんで、『じゃあ、それで』と決めました(笑)」と、運営会社・志成NEXT代表の佐藤廉也氏。今回の出店は、店長・玉岡洸政氏の独立支援への第一歩でもあるのだ。
新卒で野村證券に入社。キャリアの第一歩を営業の戦場で踏み出した佐藤氏は、仕事を忘れて息を抜ける飲食店が、多忙な日々の拠り所となっていたが、同時に飲食業の素晴らしさに対し社会的な評価がまだまだ低いことに課題を感じていたという。1年半後、一念発起し「俺が飲食業界の地位を上げてみせる!」と、野村証券を退職し、飲食の道に飛び込んだ。
転身後は、グローバルダイニング(東京都港区、代表取締役社長:長谷川耕造氏)にアルバイトとして入社し、接客業を経験。一方、かけもちでいとこが運営する目黒のオイスターバー「F.PARADE Life」で働きながら調理を学び、4年ほどの下積み時代を過ごした。その後、持ち前の営業力と飲食業界で身に着けた知見を活かし、飲食店コンサルティング事業を手掛ける会社・志成を設立する。さらに1年ほど過ぎた頃、コンサルティングの縁で繋がったお客の要望に後押しされ、飲食店開業を決意。新たに志成NEXTを立ち上げ、2021年9月13日に恵比寿で居酒屋「amme」を開業した。
駅前から少し離れた雑居ビルの奥と、立地は決して良くない。しかし、佐藤氏の故郷である北海道のローカル料理を独自カスタマイズした「ニューホッカイドウスタンダード」というユニークなコンセプトや巧みなWEB戦略による集客で、開業当初から連日満席。1年が経過した今も月商500万円を売り上げ、衰えを見せない。
まさにロケットスタートを切り、その勢いを止めることなく走り抜けた1年間だったが、意外にも佐藤氏は「つい最近まで、好調だった理由がわからなかった」と、語る。「スタッフは飲食店経験者がほとんどいないため、開業当初は料理のクオリティで勝負するには分が悪いと思ったんです。強豪店ひしめく恵比寿という土地ですからね。そこで、その穴を埋めるために接客に力を入れていたら、スタッフ一人ひとりのファンが増えてきた。そして、常連になったお客様に話を聞いてみると、実は、料理の方も評価が高かったと言うんです」。大衆酒場をイメージした店構えは、来店のハードルが低く、親しみやすさを感じるお客が多かった。その一方で、カジュアルな風情に対して料理のクオリティは高く、それでいて恵比寿という立地で考えると単価が高すぎもしない。「『大衆酒場の一歩上のクオリティ』が、この界隈のお客様に刺さったのだと考えています」と、佐藤氏は分析する。そこにスタッフの高い接客力が加わり、近隣住民の心をガッチリとつかんだというわけだ。
店舗データ
店名 | Sqall(スコール) |
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住所 | 東京都渋谷区東3-23-4 ゼネラルビル渋谷東1F |
アクセス | 恵比寿駅から徒歩5分 |
電話 | 03-6805-0733 |
営業時間 | 【平日】17:00~23:30、【日祝】16:00~23:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 約16坪28席 |
客単価 | 5000~5500円 |
運営会社 | 株式会社志成NEXT |
オープン日 | 2022年9月12日 |
関連リンク | Sqall《恵比寿》(instagram) |