中目黒に「味のごんどう」がオープン。新丸子「酒場 雷電」の2店舗目は「普通の最高峰」を目指す。オーナー中谷氏が思い描く“アナザースカイ酒場”とは？

やりたいこと先行、勢いで借りた物件も、周囲の助言により方向転換

苦境を乗り越え、売上は安定。2019年頃から次の店舗の展開も見えていたという。コロナ禍で一時は次の店舗はおろか店の存続すら危ぶまれたものの、コロナ融資によってキャッシュを得たことでかえって出店への意欲を高め、物件を探し始めた。「創業店は立地で苦労したので、次は絶対に路面と決めて物件を探していました」。

約2年。物件が決まりかけては流れてしまい、を繰り返しながらも巡り合った中目黒の同物件は、レイアウトしやすい長方形。希望通りの路面で、道に接する部分が4メートルにもわたり視認性抜群で中谷氏の理想通り。物件取得費の高さはネックであったものの、思い切って契約した。

当初は「焼鳥と魚」をメインコンテンツに、「酒場 雷電」と同様の手ごろな価格帯で多くの客数を回す、にぎやかな酒場を思い描いていた中谷氏。だが、周囲のアドバイスにより考えは徐々に変化していたったという。「周辺のリサーチもせず、自分のやりたいこと先行、勢いで物件を借りていた。今、振り返ると失敗する典型。正しいアドバイスをくれた友人たちには感謝しかないです」。同業者の友人から、このエリアで薄利多売型の酒場は厳しいと助言を受けて方向転換。名栗加工を施した扉に、入口には大谷石の石畳を設えた。グレーのモルタルで無機質な壁に、テーブルにはあたたかみのある木を組み合わせるなど、上質な空間に仕上げ、回転よりもゆったりと過ごせる店に設計した。

店内はカウンターから大きなコミュニティテーブルや4名掛けテーブルなど。中谷氏が料理人出身であることから、厨房も大きくスペースを割いている

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