松見坂に「808labo（ヤオヤラボ）」が開業。“ハイブリット”なつまみが楽しいカウンター居酒屋の真の目的は、「社員修業の場」として料理のレベルアップを図る実験的店舗!?

多彩なジャンルを居酒屋に落とし込んだ、ボーダレスでノージャンルな料理

テーマは「ハイブリット居酒屋」を謳う。「イノベーティブフュージョンのレストランのように、メニュー表にはシンプルな料理名と、メインとなる素材だけを記載。これを見て、どんな料理なのかを想像しながら待ってもらえたら」と遊津氏。例えば「麻婆豆腐」（1480円）の下には「アボカド・春菊・青麻鮮」の文字。ペーストにした春菊や青山椒の油などを使って緑色の見た目に仕上げた麻婆豆腐だが、あえて「グリーン麻婆豆腐」などわかりやすい商品名にはせず、出てくるまでのワクワク感と提供時のサプライズを大切にしたという。

ただし、出しているのはイノベーティブレストランの料理ではなくあくまで“居酒屋のつまみ”。狙うのは、「予約の取れない高級店のエッセンスを交えながらも、ふらりと立ち寄れる居酒屋の気軽さが同居した店」とのこと。イチオシは「美味しい河内鴨」（1980円）、記載する素材は「塩・わさび・醤油・炭香」。都内では流通が少ないという大阪のブランド鴨「河内鴨」を、炭で炙って香り付けし、わさび醤油でシンプルに味わう一品。また、「鳥ホルモン・チャンジャ・韓国唐辛子」でスンドゥブ風に仕立てた「モツ煮込み」（980円）や、「ピータン・馬告・ザーサイ」で中華風にアレンジした「ポテトサラダ」（680円）、「アップルビネガー・スパイス」で和ではなく異国風にした「〆鯖」（780円）など。志摩氏のクリエイティビティが光る品々が揃う。

「流行りのネオ酒場ではなく、目指したのは“シュッとした大人の居酒屋”。作り方のベースは洋食ですが、ボーダレスでノージャンルな料理を季節替わりでどんどん出していきます」と志摩氏は話す。

ドリンクにもさりげない特別感を意識。「生ビール」（700円）は「アサヒマルエフ」、「プレーン」（600円）や「レモン」（650円）などのチューハイ各種には酒粕焼酎を、「緑茶ハイ」「ウーロンハイ」（各600円）には麦焼酎を使用するなど甲類焼酎は使っていないのがこだわりだ。ハイボールは、老舗バー「サンボア」に倣い、冷凍した角ウイスキーとウィルキンソンの炭酸を合わせ、氷を入れないスタイルで提供。自然派ワインや日本酒も日替わりで数種類用意し、特にワインがよく出るという。

「美味しい河内鴨」は、縁あって仕入れている「河内鴨」を、そのものの美味しさを味わってほしいとシンプルな仕立て

緑色が鮮やかな「麻婆豆腐」。冬季にかけては牡蠣を加えるなど、季節によってメニューの内容は変化させていく

「モツ煮込み」も人気の品。焼鳥店を展開するYAOYAらしく、モツは鶏を使用

店舗データ