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アサヒビール出身の28歳店主が池尻大橋に「焼鳥 やおや」をオープン。日本の食文化”炭火焼鳥”を武器に海外進出も視野に

9月2日、池尻大橋駅から徒歩5分の場所に「焼鳥 やおや」がオープンした。店主の遊津(ゆうづ)拓人氏は弱冠28歳。慶應義塾大学卒業、アサヒビールで営業職を経験した後、大阪の人気焼鳥店「えんや」で修行し独立した。同店は客単価3500円前後、近隣住民がふらりと立ち寄れる焼鳥店をコンセプトにした地域密着店。現在、オープンから1ヶ月足らずで平日も満席、1日2回転も当たり前の人気ぶり。日本の食文化炭火焼鳥を武器に、将来的には海外進出も視野に入れている。

池尻大橋駅から徒歩5分。大通り沿いの交差点近くに立地している。「YAOYA」の黄色いネオンがアクセント
17坪40席、一階カウンター16席、二階テーブル24席の店内。物件引渡し時は厨房とホールが分かれていたが、オープンな雰囲気とエンターテイメント性を重視しカウンターを設置した
人気焼鳥店「えんや」で修行した腕を振るい、備長炭で焼き上げる本格焼鳥。ソリレス、はつもとなどの希少部位も用意
左から、「ガリとトマトの和プレーゼ」(530円)、「パリパリピーマンの麻婆肉味噌」(580円)など一品料理も充実
左から、スタッフの田村 涼氏、店主の遊津 拓人氏、武田 太心氏

(取材=福井 晶)


商売を学ぶために大阪で勤務し、八尾での経験を胸に飲食店開業を決意

遊津氏は慶應義塾大学を卒業後、新卒でアサヒビールに入社。丸4年間、飲食店営業として勤務した。「商売を学ぶなら大阪」と、大阪勤務を希望し、最初に配属されたのは大阪・八尾エリアだ。「いつか飲食店をやれたらいいなと、ぼんやりと考えていましたが、本気で開業を決意したのは、八尾でたくさんの飲食店と関わるようになってから。多くの人に出会い、飲食人のパワーを感じました。最初があのエリアでなければ、今の自分は無かったかもしれない」と同氏は振り返る。退職したのは2017年の4月。この時すでに2年後の2019年8月に店を開業する道筋を立て、自身のルーツである八尾を使用した”やおや”の屋号を心に決めていたという。

海外留学、飲食店修行、開店準備をわずか2年で完遂

退職後は開業に向けて奔走。海外の酒場文化に興味をもち、最初の半年間はワーキングホリデーでカナダに留学。帰国後は、大阪の人気焼鳥店「えんや」で1年半研鑽を積んだ。「焼鳥の業態を選んだのは、幼い頃から焼鳥が大好きだったからです。職人の格好良さにも憧れがありました。また、海外に向けプレゼンテーションできる日本食であることなど、求めていた条件にうまくハマりました」と遊津氏。

物件探しから開店に至るまでは、わずか4ヶ月ほど。修行を終え2019年4月に東京に移った後、代々木八幡の居酒屋「ネクストバッターズサークル」で働きながら開店準備を進め、9月に店舗をオープン。東京での開業理由について遊津氏は、「東京の焼鳥店は客単価6000円以上の高級店か、2000円前後の大衆店に二分されていると感じていました。その中間ポジションを狙って、客単価を3500円〜4000円に設定。美味しい料理と多様な酒をリーズナブルに提供すれば喜んでもらえるのでは、と考えました」と話す。

物件は池尻大橋、三軒茶屋、代々木八幡を希望。「都心近くでありながら、地域性が根付いているエリアが良かった」と同氏。不動産屋から紹介された一軒目で即決。2年に1度で店が変わってしまう鬼門の物件と説明されるも、駅からの距離、街の雰囲気などが希望通りだったことから、迷いはなかったという。「周辺に日常遣いできる飲食店が少ないのが大きかったです。ここは富裕層が多く住む住宅街ですが、低価格でカジュアルに利用できる居酒屋の需要があると確信していました」と同氏には勝算があった。

本格焼鳥と多国籍な一品料理を幅広くラインナップ

現在の客単価は、遊津氏の狙い通り3500円前後で推移。「串ものを5本、1品料理を1、2品食べて、お酒を3杯飲んだら、3500円くらいになります」と同氏。主軸となる焼鳥は1本150円~200円。「ねぎま」(180円)、「つくね」(200円)をはじめ、「ソリレス」(200円)、「はつもと」(200円)などの希少部位を合わせて20種類。修行した「えんや」の味をベースに、”シンプルに美味しい”を追求。タレは手作りし、丁寧に土佐備長炭で焼き上げる。

一品料理は、エスニック、イタリアン、中華、メキシカン、フレンチなど幅広いジャンルで展開。「ガリとトマトの和プレーゼ」(530円)、「パリパリピーマンの麻婆肉味噌」(580円)などの野菜の肴、「鶏のごまわさ」(580円)、「レバーパテ」(630円)など鶏肴、それぞれ8種類を用意する。〆料理は「焼鳥屋のそぼろ丼」(700円)、「やおやのチキンカレー」(900円)の2種類。

また、盛り付けの食器類は全国各地から作家が作ったものを買い付け、カジュアルな店の中にもこだわりを見せる。

ドリンクは「生ビール」(500円)、ガリ入りチューハイの「ガリ」(580円)、「ゴロゴロレモンチューハイ」(580円)などの居酒屋らしいラインナップがメイン。加えて、日本酒8種類、焼酎は16種類と8の倍数で揃え、ナチュールワインなども用意。なるべく生産者の顔が見えるものを中心に、遊津氏が厳選したお酒を仕入れているという。

日本の食文化を広めるべく、海外進出も視野に

客層は近隣住民が7割以上。すでに常連客を獲得し、口コミで多くの客が訪れる。初速の好調具合について、遊津氏は「売上はお客様からの通信簿と思っているので純粋に嬉しいです」と笑顔を見せ、今後は月坪50万以上を目標にさらなる成長を目論む。遊津氏の今後のヴィジョンは明確で、次なる店舗構想も語ってくれた。「次は近隣で立ち飲みの焼鳥屋を展開したいです。安くてうまい本格焼鳥を武器に、どこまで展開できるか楽しみです」(遊津氏)。将来的には海外進出も視野に入れている。「日本の食文化”炭火焼鳥”を世界に広めたいです。一度きりの人生ですので、思いっきり楽しんでやっていきたい」と同氏。推進力のある「焼鳥 やおや」の展開が楽しみだ。

店舗データ

店名 焼鳥 やおや
住所 東京都目黒区大橋1-3-6

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アクセス 池尻大橋駅徒歩5分
電話 03-6712-7719
営業時間 17:00〜翌01:00
定休日 03-6712-7719
坪数客数 17坪40席(一階カウンター16席・二階テーブル24席)
客単価 3500円
オープン日 2019年9月2日
関連リンク 焼鳥 やおや(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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