ラーメンマニアではない女子を虜に!?　昨年10月、中目黒に登場した、濃厚なのにあっさりした“ベジポタつけ麺”を提供する「（麺）ハレノヒ」に注目！

世間一般のイメージで男性サイドに分類される食べ物の代表といえるラーメン。ガツガツ食べるといった男性色が強すぎるため、食事を楽しむゆとりが感じられず、ラーメン店に入ることを敬遠してしまう女性も少なくない。そんな女性に是非食べてほしいと、女子による、女子のための、女子が好きな“麺”をコンセプトにしたラーメン店「(麺)ハレノヒ」が10月、中目黒にオープンし、賑わいを見せている。
運営は、コラーゲン鍋の (汁)ハレノヒや、蒸し鍋の (畑)ハレノヒの他、凹カステラの (萬)ハレノヒを手掛けるノスプロダクター（東京都港区、代表取締役：小野坂直之氏、代表取締役副社長：黒石和宏氏）が行なう。有機野菜蒸し鍋専門店「(畑)ハレノヒ中目黒店」をリニューアルし、麺類を中心に取り扱う新業態「(麺)ハレノヒ」に転換したもの。
同店は、麺をこよなく愛する同社の女性社員で結成された全日本女子麺類協会（略称：全女麺）が総合プロデュースを行なっている。“すべての麺は全女麺に通ず”をモットーに、仕事とは無関係にサークル感覚で全国各地のラーメンを食べ歩いていたところ、女性向けラーメン店を考慮していた会社サイドと連携して商品開発を行なうこととなった。食べ歩きの経験を活かした独自メニューとして考案したのが、コラーゲンや食物繊維を豊富に含んだ「ベジポタ（ベジタブルポタージュ）つけ麺」。スープは、(汁)ハレノヒ秘伝の自家製コラーゲンスープをベースに、ゴボウやタマネギなど野菜のペーストの他、牛乳で臭みを排除したにんにくを使用している。整腸作用や美肌効果も期待でき、野菜の甘みがスープの味を上手く調えているため、最後の一滴まで飲み干せるやさしい味となっている。麺は、スープが絡まりやすくもっちりとした中太麺を採用。栄養価が高く、ビタミンEなどを含んだ若返り効果のある麦芽を練り込んだ麺となっている。トッピングにも従来のラーメンとは一線を画する新鮮な野菜を採用。肉や卵にも同店流のひねりが加えられ、燻し鶏と燻製玉子の深みのある味と香りが食欲をそそる。ダイエットや健康に敏感な女性目線ながら十分満足できる内容となっているため、客の8割は女性であるが、最近では1人で訪れる男性客も少なくないという。
ランチ時はつけ麺のみの展開で、ディナー時には「ミニムシケン（蒸し野菜）」（525円）を筆頭に、「牛すじ豆腐味噌煮込み」や「鶏のから揚げチリソース」（各525円）といった酒の肴になる一品料理の他、「凹カステラ」（480円）などのデザートも揃えた。アルコールもビール、サワー、ワインなどを幅広くラインナップする。
同店は中目黒駅から近い好立地ながら、1本通りを中に入った2階の店舗となるため、隠れ家的な店。今回の出店に際し、この場所を選択した理由について全女麺のHIRAさんは、
「通常のラーメン店となると、路面店で入りやすく回転率を上げることが重要視されますが、当社としては女子目線は外せないといったこだわりから、他人の視線を気にする必要がなく、カフェっぽいゆったりとした空間の中で、これまでのラーメンのイメージを払拭する味と雰囲気を満喫してほしいという考えから、この場所がピッタリということで決定に至りました」と話す。
店内は2階ながら、シェードで外からの視線を遮ったり、汁が洋服にはねないよう紙エプロンやひざ掛けを用意するなど、至るところに女性ならではの細かな配慮が見受けられる。
今後に関しては、多店舗展開は現時点では視野に入っておらず、じっくりと腰を据えてオリジナルつけ麺の美味しさを浸透させていく。女性はもちろん、ラーメンにこだわりのある男性にも評価を得たいと考えているため、今後はメニューを増やしていく予定だ。
濃厚スープのつけ麺を中心に多くの店がしのぎを削り、俄かに人気が過熱している。野菜由来の甘味ととろみに加え、他店とは異なる彩り豊かな具材がポイントとなり女性の心をつかむことができるのか？　そして、1人でラーメンを食べに行くという女性人口を増やすことができるのか？　今後の展開を見守りたい。

店舗データ