渋谷に海鮮居酒屋「渋谷 きときと」がオープン。数多くの店舗でマネジメントの手腕を発揮してきた31歳の経営者が、緻密なマーケティングとSNS戦略を駆使してスタートダッシュを切る

飲食業界から広告業界へ転身。身に着けたマーケティング戦略で、自店舗出店に弾みをつける

その後、横手氏は心機一転、広告業界への転身を果たすこととなる。27歳の頃だった。「これも知人からの誘いでしたが、結果的にはやってみて良かったと思っています」と、横手氏。今まで触れて来なかったマーケティングやSNS運用などを学び、広告事業の法人を立ち上げるに至った。「このとき立ち上げた会社は現在3期目に入っています。このおかげで、今回の出店の際に融資が受けやすく、物件選びの面でも有利に進めることができました」と、語る。

独立に際し自身が未経験だった調理については、中学校の同級生である坂野裕平氏と組むことで解決した。「坂野は居酒屋のキッチンで腕を磨いていて、いずれは自分の店を出したいという話をずっと聞いていました。付き合いが長く、人格も調理の腕も信頼できる彼と組んで始めたいなと、声をかけたんです」。立ち上げに賛同した坂野氏は、居酒屋でともに働いていた高嶋優氏を横手氏に紹介。新店舗は、3人で始めることに決まった。

物件を探していたのは、多くの人が行きかう渋谷で。駅から少し離れた奥渋エリアも候補に入れていたが、結局は大通り沿いで人の流れが多いことに勝機を見出し、現在の物件に決めた。スケルトン状態の内装が完成していくまでの様子や坂野氏が料理メニューを試作する様子など、写真や動画でSNSに投稿。開業前から、見込み客にリーチをかけるため、SNS戦略にも力を入れる。こうして2021年10月8日、「渋谷きときと」は開業した。

オープンキッチンは、吊り棚などを作らずに間口を広くすることでお客に与える圧迫感を減らしている

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