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今や熟成肉の伝道師と言っても過言でないフードイズム跡部美樹雄氏の超人気店・六本木「KITCHEN TACHIKICHI(キッチン タチキチ) 旬熟成」の隣に待望の2号店「KITCHEN TACHIKICHI 旬熟成 hanare(ハナレ)」が10月14日オープン

隠れ家風のこぢんまりした店内は、天井のアンティーク調のシャンデリアやウッディなテーブルやカウンターなど、内装にもこだわりを感じる落ち着いた雰囲気。既存店の客からリクエストが多かった個室も奥に完備している
既存店同様に、“旬熟成MEAT“の炭火ステーキは、新店舗でもマストオーダーメニュー。時間をかけて熟成させた肉を、更にゆっくりじっくり炭火で焼いて提供
跡部氏が手塩に掛けてつくり上げている“旬熟成MEAT”
跡部美樹雄氏(左)と重光栄吏氏(右)

(取材=玉井 由希子)


2012年10月のオープン以来、なかなか予約が取れない店としてたちまち超人気店になった六本木の「KITCHEN TACHIKICHI 旬熟成」。そのすぐ隣に、待望の2号店「KITCHEN TACHIKICHI 旬熟成 hanare(ハナレ)」が、10月14日オープンした。手掛けるのは、現在、熟成肉博士とも呼ばれている跡部美樹雄氏が率いるフードイズム(東京都港区、代表取締役:跡部美樹雄氏)。同社は、2009年、餃子とワインの店「KITCHEN TACHIKICHI(キッチン タチキチ)」の開業を皮切りに、2012年に「旬熟成」1号店、翌年11月には熟成肉専門の販売店「AGING MEAT & DELICATESSEN 旬熟成」を展開している。

今回の新店舗は、FCという形でのオープンとなり、跡部氏がタッグを組んだのは和歌山市で6店舗の飲食店を経営しているグランドキッチン代表の重光栄吏氏。「実は、店舗展開は全く考えていなかったんです。でも今回、シゲさんと出逢い、人柄にも惹かれ、同じ志のもと一緒に“旬熟成MEAT”を広げて行ける、広げて行きたいと思い、FCという形でシゲさんと組んだんです」と今回の出店について語った跡部氏。同新店舗の誕生は、重光氏との出逢いなくしては実現しなかったという。共通の知人を介して今年の初めに知り合った両氏。東京進出を希望していた重光氏が、東京での市場調査の際に、跡部氏にアテンドを依頼したり、逆に、食材が豊富な重光氏の地元和歌山県に跡部氏が尋ねたりと交流が深まった。「アトさんが力を入れている“旬熟成MEAT”のことを知れば知るほど、この人は本物だと思いましたし、目指している目標にも共鳴できました。ぜひ一緒にやりたいと、私の方から押しかけ女房のように来ちゃったんですよ」と、跡部氏の人柄やビジネススタイル、ビジョンに惚れ込み、同じ目標に向かって行こうと東京進出を決意したことを重光氏はそう話す。そのような偶然とも必然ともいえる両氏の出逢いによって生まれた新店舗。コンセプトは既存店の「ジャパンクオリティ-日本の良さを再認識」を踏襲しながらも、新たな試みとしてジビエ・天然猪の肉も提供していく。

跡部氏が現在のように熟成肉博士と異名がつくほど、熟成肉にのめり込むきっかけとなったのは、2012年に『中勢以』の熟成肉を知ったのが始まりだ。その味わいがあまりにも衝撃的で、すぐに熟成肉の虜になったと話す跡部氏。それ以来、中勢以のオーナー加藤氏にアドバイスをもらいながら、自身でもいろいろと勉強し試行錯誤を繰り返しながら、自社熟成をスタートした。今では、独自の熟成方法として、その肉ごとに一番良い湿度・温度を考慮し、肉にストレスを与えず、既存のドライエイジング法よりも弱いそよ風程度の風を当てながら熟成させる“旬熟成エイジング”による“旬熟成MEAT”を確立。特に同氏の“旬熟成MEAT”は、最高で140日間という長期熟成をかけるものもある。ゆっくりじっくり変化していく肉は抜群の旨味と甘み、柔らかさが格別だ。肉の融点が低くなり、口に入れた瞬間にまろやかに溶け、体に蓄積しない。それゆえに食べやすく胃もたれもないのだという。これまで牛肉・豚肉の熟成のみだったが、昨今、鳥獣被害が深刻な自治体がその駆除に悩んでいることから、それに応える取り組みとして、ジビエ・天然猪肉の熟成にもチャレンジしている同氏。新たな旬熟成MEATの世界がまた広がっていく。

同店の一押しは、やはりキラーコンテンツとなっている「熟成 天然イノシシ 極上バラ肉」(2800円)だ。柔らかく独特の甘みがある和歌山の野生のウリ坊を約1年半肥育し、清潔な環境でと畜してもらい一頭丸ごと買い上げ、60日間という熟成期間を通してさらに旨味を凝縮。炭火でゆっくりじっくり焼かれジビエ特有の臭みもないためジビエ初心者でも抵抗なく食すことができる。既存店でも大人気の「旬熟成ビーフ(140日熟成) 極上サーロイン」(3800円)や、一頭からわずかしか取れない希少部位の「旬熟成ビーフ(140日熟成)シャトーブリアン」(3000円)などは新店舗でもやはりオーダー率が高い。また自然農法の野菜をふんだんに味わえる同店名物の「2度美味しいバーニャカウダ」(1600円)は、1度目は生で、2度目は蒸し焼きと、野菜の美味しさを楽しめる。

“旬熟成MEAT”に合わせるドリンクは、やはりワイン。ヨーロッパ・ニューワールド系(ボトル3800円~10000円)の他に、ジャパンクオリティをフィーチャーして日本ワインも充実。取材時は、赤4種、白6種がラインナップ(ボトル2800円~6200円)。国産ブドウからのみ造ったこだわりの日本ワインを全国から厳選している。グラスは、泡1種(1100円)、赤3種、白2種(各700円~1200円)ほどが揃う。

「今後は、熟成肉を扱う店舗の人たち、有識者、畜産農家も交えた価値向上のための協会設立を考えています。現在は、熟成肉について特に基準がないので、安全管理を徹底させて熟成肉がブームで終わらず日本人の食文化に定着してほしい。ゆくゆくは海外へも出していきたい」「生産者に利益還元できるよう、“熟成”という付加価値を彼ら自身でつけられるようなシステムをつくっていきたいですね」と展望を語る跡部氏。今回、重光氏という良き同志、理解者、事業パートナーを得て、さらにパワーアップし快進撃を続ける跡部氏の次の一手に期待が募る。

店舗データ

店名 KITCHEN TACHIKICHI 旬熟成 hanare
住所 東京都港区六本木5-11-32 第三岩崎ビル 4階

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アクセス 東京メトロ南北線・都営大江戸線 麻布十番駅 7番出口より徒歩5分
電話 03-5413-4018
営業時間 18:00~25:00
定休日 日・第3月
坪数客数 10坪 17席(個室1室:4~5名)
客単価 6000円~8000円
運営会社 株式会社 フードイズム
関連リンク フードイズム
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※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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