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ミシュランを獲得した「鳥恵」が、焼鳥業界の新しいフィールドを切り拓く。3号店目となる「上野黒門 鳥恵(とりえ)」が御徒町に2月16日オープン

古民家を彷彿させる門構えからは、和の心を感じとることができる
木の温もりを感じられる店内には、個室のテーブル席も用意されている
確かなスキルを持った焼き手が、一本一本丁寧に焼きあげていく
その日のおススメを味わえるセットメニュー
「上野黒門 鳥恵(とりえ)」で店長を務める佐々木係(ささき・まもる)氏

(取材=三輪 大輔)


御徒町駅周辺の商圏としての魅力が高まっている。2014年に誕生した「御徒町吉池本店ビル」や2017年秋に完成予定の「PARCO」など、積極的な再開発が進んでおり、高い年齢層が中心だったエリアに若者も集まるようになった。ますます関心が集まる御徒町に、2月16日にオープンしたのが「上野黒門 鳥恵(とりえ)」だ。経営するのは、鳥恵(東京都文京区、代表取締役 小澤俊正氏)で、湯島・上野広小路に続いて3店舗目の展開となる。2号店目の上野広小路店は、ミシュランを獲得し予約困難な店として知られているため、同店に対する注目度も高い。

「鳥恵」の魅力は、大山鶏や土佐ジロー、淡海地鶏などの鶏を紀州備長炭で焼き上げて、希少の高い部位も堪能できる点にある。それに加えて、各スタッフのレベルの高いサービスで差別化を行い、話題をさらう人気店に育て上げていった。今回のオープンにも人材は重要なファクターになっており、代表取締役の小澤氏は「当社は、在籍する17名のスタッフのうち16名が正社員で、将来的な独立を考えている意識の高い人材が多く揃っています。現在展開している2店舗は、お蔭さまで、どちらも連日満席になるような状況です。お客様のニーズを満たしながら、モチベーションの高いスタッフにチャンスを与えたいと考えて、今回の出店を実現させました」と語る。

また、多くの人を惹きつけてやまない同店の味の秘密は、小澤氏のキャリアにある。同氏は大学時代にフードビジネスと出合うと、居酒屋やラーメン店、FC展開のファストフード店などでアルバイトをして、飲食への関心を高めていった。大学を卒業すると、大手流通グループが展開するファミリーレストランに就職。店長職を経験しながら、数字管理などの大手企業ならではの手法を習得した。3年ほど勤めた後、今度は個人店のノウハウを身につけるため、友人の独立に参画する。そして、大手チェーン店と個店のそれぞれのやり法を学び取り、自分自身の独立を考えたころ、人生を決定つける味と出合う。同氏は「とある老舗のレアの焼鳥に衝撃を受けました。こんな美味しい串を出す店を自分も作りたい。そう考えて焼鳥店での独立を決心しました」と当時を振り返る。

人を感動させる焼鳥を実現するため、同氏が選んだ修業の場は、大塚にある焼鳥の名店「蒼天」だ。そこで焼鳥の技術はもちろん、独立に必要なノウハウを1年3ヶ月という短期間で身につけて、2009年に湯島に一号店をオープンさせた。焼鳥の世界には「串打ち三年、焼き一生」という言葉があるが、変化の早い社会では、そこに対応していくセンスの方が重要である。現に同氏も「浅草周辺の料理は、味付けの濃さに特徴があります。鳥恵では蒼天の味を継承しながら、下町の文化に合わせて味付けを濃くしました。また、スタッフやお客様とのコミュニケーションも大切にしています。そうした交流の中に、進化のためのヒントもあるのではないでしょうか」と話す。

今回、同店では、これまでの店舗でも使用してきた大山鶏をメインにしながら、新たに愛媛の「媛っこ地鶏」を使っていく。媛っこ地鶏は生産数こそ少ないが、ファーストクラスの機内食で使われているような上質な地鶏である。この2つの地鶏を味わいながら、同店の魅力をトータルに堪能できる「鳥恵コース」(4000円)は、店の看板メニューだ。この他にも、「5本セット」(1500円)と「7本セット」(1900円)、「10本セット」(2500円)といった串のみを楽しめるメニューも揃う。ドリンクに関しては、サッポロ銘柄のビールをはじめ、ワインや日本酒にも力を入れていて、栃木の「姿」(850円)などもラインアップしている。

今後の展開について「これまでの店舗では、焼き手が1名でしたが、当店では焼き手を2名体制としました。責任あるポジションで積極的に経験を積ませて、今後のスムーズな店舗展開にも繋げていたいと考えています。次の出店先としては、山手線の西側エリアや銀座、海外など多くの選択肢があるでしょう。地域に合った店舗作りをすることで、さらなる『鳥恵』の拡大を目指していくつもりです」と同氏。同店店長の佐々木係氏も「まずは地域に根付いた店舗にしていきたいですね」と話す。人材難と言われている飲食業界の中で、優秀な人材を多く獲得してきた「鳥恵」。近い将来、同店出身のスタッフが作る次世代の焼鳥店の出店が続き、業界に新しい風を巻き起こしていくに違いない。

店舗データ

店名 上野黒門 鳥恵(とりえ)
住所 東京都台東区上野3-18-1 大原ビル1F

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アクセス 東京メトロ銀座線上野広小路駅から徒歩3分
JR山手線、京浜東北線御徒町駅から徒歩3分
東京メトロ日比谷線仲御徒町駅から徒歩4分
電話 03-6803-0623
営業時間 月~金 17:30~23:00
土・祝 17:00~23:30
定休日 日曜日
坪数客数 16坪・30席
客単価 6,000円
運営会社 株式会社鳥恵
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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