7月1日、元代々木の住宅街にフランス料理店「Les Chanterelles （シャントレル）」オープン！青山「ラ・ブランシュ」、仏ローヌ「レジス・マルコン」などで修業を積んだ中田シェフが挑む、新たなフレンチの境地とは？

7月1日、元代々木の閑静な住宅街の一角に、フランス料理店「Les Chanterelles （シャントレル）」がオープンした。オーナーシェフの中田雄介氏は、青山の名店「ラ・ブランシュ」や仏ロ−ヌの「レジス・マルコン」での修行を経て、帰国後は原宿「ラルテミス」のシェフとして7年間活躍。そして今年7月、満を持して独立に至ったという。元代々木の地を選んだ経緯については、「フレンチに目覚めるきっかけとなったのが、アルバイトをしていた代々木上原の『ブラッスリー・ヴェラ』だったんです。自分にとって思い入れのあるこの土地で勝負したいと決めていまして……」と、中田シェフ。オープンから早2ヶ月が経過しているが、地元の知人や、ふらり訪れた近隣の住人の口コミが広がり、同店を軸に、また新たなコミュニティが構築されつつある。「料理で人を幸せにしたい」というシェフの想いが、じわじわと人を呼び集めているようだ。 ここで提供されるのは、シェフが修業時代に会得した技が光る、季節感溢れる料理の数々。特に影響を受けたという「ラ・ブランシュ」はじめ、各名店で貪欲に吸収した調理技術や感性に、中田シェフならではのオリジナリティを加えた逸品がコース仕立てで登場する。スペシャリテの一つが「タスマニア産サーモンの瞬間燻製」。厳選したサーモンを燻製仕立てにして温泉卵やトリュフをあしらった、オープン当初からの人気メニューだ。また、店名にもなっているフランス産のキノコ「シャントレル」を使った料理も、注目の季節限定メニューとして今秋から登場する。コースは4,800円の献立、6,800円の献立、そして10,000円のシェフのおまかせコースという3種類を用意。また、週末限定のランチは、2,500円のお手頃なサラダランチに加え、3,500円と5,500円のランチコースを揃えており、同店のエスプリをリーズナブルに堪能することができる。 更に、同店が力を入れているのがワインリスト。フランス産をメインに、料理との相性を意識したシェフ厳選のワインを、グラス900円から味わうことができる。ボトルは4,500円、5,500円、6,800円と3段階に統一し、分かりやすい価格設定に。もちろん10,000円を越すスペシャルなワインも別紙に並ぶ。「リストはこれからもっと充実させていきますよ」と話すシェフの口調からは、ワインへの深いこだわりが垣間見られる。 内装は、淡いグリーンを基調としたナチュラルな造りで、シェフが渡仏時代にシャントレルを摘んだ森を連想させるような、自然の温もりを感じさせる空間演出がなされている。注目はオープンキッチンとなっている奥のカウンター席。この特等席からは、シェフの一挙一動を見て取ることができ、まさにライブ感溢れるシェフズテーブルだ。対面で着席できるカウンター席や落ち着いたテーブル席もあり、人数やシーンに応じた使い分けが可能となっている。 「皆様には、ラフなスタイルで肩肘はらずにフランス料理を楽しんで欲しいですね。お客様はもちろん、シェフもスタッフもみんながその場を楽しめるような、一体感がある店づくりが理想です」と、話す中田シェフ。今後の目標を尋ねたところ、「やりたい事は沢山あります。第一の目標は、この店を末永く続けること。身近なところだと、料理教室を開催してみたいです。そして将来の夢は……毎年のようにフランスを巡って、現地でもっと沢山のことを吸収することです（笑）」と、その飽くなき探究心を語ってくれた。 誰もが親しみを覚えるカジュアルさと、ストイックなまでの情熱―― そこに絶妙なバランスで介在する同店の、今後の進化に期待したい。

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