中目黒に「おばんざいBistroてんよう」がオープン。名だたるフランス料理店で修業、出張料理人として活躍してきた気鋭の27歳オーナーによるカジュアル酒場

一流フレンチの技を生かしつつ、あくまでカジュアルな「酒場」

名だたるフランス料理店含め、レストランでの修業経験も多い原氏だが、目指したのは、気軽に立ち寄れる「酒場」。「僕自身が飲むこと、酒場が好きなんです」と笑う原氏。フランス郷土料理に、和のテイストも交えた「おばんざいBistro」をテーマに店づくりを行った。

スペシャリテは「鴨のロースト」（1800円）。肉の温度帯にこだわって火入れする鴨は、原氏の確かな経験に裏打ちされた仕上がりだ。この品の最大のこだわりは、盛り付けをお客の目の前で行うこと。原氏の華麗な手さばきに、「酒場」がその間だけは「レストラン」に変貌。このギャップを生み出すパフォーマンスは見どころだ。

他にもフレンチらしく肉料理が充実。「必殺煮込みハンバーグ」（950円）は、出張料理のお客から「これはラインナップしてほしい」という要望からラインナップした品だ。「虜になる唐揚げ」は、原氏の地元・長野の郷土料理“山賊焼き”をイメージした鶏のから揚げ。「君が食べたいパスタ」（1500円）は、決まったレシピはなく、お客の好みや気分次第でその時ある素材を使って即興で作る。「おばんざい」というカテゴリーでは、「瓜の浅漬け」「まいたけ豚バラ煮」「レバーペースト」などですべて550円としており、原氏のワンオペ営業も多いため、クイックに提供できるものが中心となっている。

ドリンクは「パーフェクトサントリービール」「角ハイボール」（各650円）など。「生ビールは650円をとるので、きめ細かい泡を意識するなど、“価格に合う価値”を意識しています」と原氏。人気は「自家製レモンサワー」（700円）と「アールグレイハイ」（700円）。特に「アールグレイハイ」は香りよい茶葉で抽出し、一度飲むとこれしか頼まなくなるお客が続出しているという。ワインは常時11～12品でグラス700円～、日本酒も3品ほどをグラス700円～で用意する。

スペシャリテの「鴨のロースト」。マッシュポテトは三ツ星レストランのレシピを応用し、バターの風味が効いたリッチな仕上がり。生姜の利いたエスニックソースを添える

ネーミングもユニークな「虜になる唐揚げ」はサクサクの衣が楽しめる。ほか「必殺煮込みハンバーグ」「君が食べたいパスタ」など思わずツッコミたくなる商品名が多いが、お客との会話のフックになるようにとの狙いだ

店舗データ