五反田の名小料理屋「きになる嫁デラックス」の新店舗、「きになる母館ニューヨーク」が開業。「飲めるコワーキングスペース」、「セルフ酒場」、「深夜食堂」の3スタイル営業

「嫁」から「母」へ。既存店ファンの強い支援のもと、新名所を目指す

「3店舗体制になりましたが、『ママ（平野氏）がいないとダメな店』にはしたくない。私の色を残しつつ、各店舗を伸ばしていければ」と平野氏。店内にはZoomを利用して3店舗の店内の様子をプロジェクターに投影して中継。「私がその場にいなくてもいつでも見ているよ、のメッセージです」と平野氏は笑う。音声も通じているので、異なる店舗同士のお客やスタッフと会話することもできるユニークな仕掛けだ。

「こんなロケーションですので新規客は入店にかなり勇気がいるかもしれませんが、少しずつ広まっていけば。特に深夜帯は『いちりん』のように飲食業の方々に仕事終わりのオアシスになれれば嬉しい」。五反田で「嫁」として親しまれてきた平野氏だが、5年にわたり営業を続ける中で、「嫁」から「母」でありたいと心境に変化が生まれたという。既存2店舗は駅西口だが今回は反対側の東口であり、物件規模からして大きな決断だったことからニューヨークに進出するような気持ちで「ニューヨーク」と店名に冠した。オープン間もない現在は既存店の常連客で賑わっており、開業に際し協賛金を募ったところ200万円近くが集まったことからも平野氏の人望の厚さがうかがえる。五反田の新名所として知られる日もそう遠くないかもしれない。

きになるホールディングス代表の平野アミ氏。「調味料マニア」を自負する平野氏、今後は企業とタイアップして調味料を生かすレシピ開発の仕事にも挑戦したいと意気込む

（取材＝大関　まなみ）

店舗データ