新宿歌舞伎町で４店舗を展開する焼肉バルの次の一手は西新宿に。「NO MEAT, NO LIFE. 5go.」が開業、ビジネス街で既存店舗と異なる客層の開拓に挑む

7月5日、西新宿7丁目に「NO MEAT, NO LIFE. 5go.（ノーミートノーライフ ゴーゴー）」が開業した。2013年に新宿歌舞伎町で1号店を創業し、一頭買いのA5ランクの黒毛和牛の焼肉とともに、バルのようにしっかりとアルコールが楽しめるという目新しいコンセプトが人気を博し、以後も新宿歌舞伎町で4店舗を展開するまでに成長した。そんな「ノーミートノーライフ」が次なるステージとして選んだのが、西新宿7丁目だ。都内有数の繁華街である歌舞伎町から一転、オフィス街に隣接するエリアで、新たな可能性を模索する「ノーミートノーライフ」。運営会社であるファーストリング（東京都新宿区）の代表取締役である阿部義一氏に、その店づくりや今後の展望について迫った。

「新宿エリアで10店舗の『ノーミートノーライフ』を展開することが目標」と阿部氏は話す。しかし、すでに4店舗を運営する歌舞伎町ではそろそろ頭打ちの感。新しい客層を獲得するべく目を付けたのが西新宿7丁目エリアだ。「以前、西新宿7丁目に事務所を構えていたことがあるのですが、当時は人通りもまばらで、今のような活気はありませんでした。ところがこの5年ほど前から飲食店が増え始め、激戦区へと変貌。オフィス街が近いことから、歌舞伎町とは異なる“大人の客層”を獲得できると考え、ここでの開業を決めました」と阿部氏。

16坪の店内は、ユニークなコの字型の形状。入口付近にはローカウンター、奥に進むとL字型のメインカウンターやテーブル席が並ぶ。店内最奥まで行くと現れる個室風のボックス席は、まるで隠れ家のような雰囲気だ。細く長く伸びるクセのある空間だが、見事にそれを逆手にとってうまく区分けし、多様な利用シーンにこたえる席配置にしている。

メニューは既存店とほぼ同内容。ウリである一頭買いのA５ランク黒毛和牛は、ごく薄切りにしたサーロインの「しゃぶロース」（980円）、日替わりで厳選した部位を贅沢に盛り合わせた「黒毛和牛盛り合わせ 200g」（2980円）、トリュフ塩で食べさせる「厳選厚切り赤身肉」（1580円）などで提供する。既存店と同様に保健所から生肉取り扱いの許可も取得し、「黒毛和牛のユッケ」（1480円）、「黒毛和牛の握り(1貫)」（480円）など生肉を使ったメニューも充実。客層は歌舞伎町と比べて年齢層がやや上になると予想し、大人の客層に合わせて気持ち生肉料理の品数を多くそろえている。ドリンクはワインやビール、各種チューハイやカクテル、和酒などバラエティ豊かに用意し、「焼き肉バル」としてしっかりとアルコールも楽しめるドリンク構成だ。

飲食歴18年の阿部氏は、これまでにバーや居酒屋、炉端、焼鳥などさまざまな業態を手掛けてきた。「焼肉は、“お客さまが調理する”という点では他にはない究極の業態だと思います。どうしたらお客さまに最もおいしく焼いていただけるのか？　その仕掛けを考えることが焼肉店の使命であり、そこに何よりのおもしろさがあります。そんなところに惹かれ、多様な業態をやってきたなかでも焼肉に落ち着きました。今後も肉を軸に展開していきたい」と阿部氏。目下は「新宿で10店舗」という目標を達成すべく、今後は西新宿にもう１店舗を検討しているほか、新宿三丁目や新宿駅新南口のエリアにも狙いを定めている。8月中には1号店の改装工事を実施し、より居心地のよい空間へとバージョンアップする予定も。さらに来年には新たな肉業態の構想もあるという。これからも肉を軸としつつ、進化を続ける同社から目が離せない。

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