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仙台の人気店「かき小屋 飛梅」の東京進出1号店「かき小屋 飛梅 神田西口店」が、9月11日にオープンした。石巻の殻付き牡蠣をはじめ三陸の新鮮な海の幸を東京の真ん中で提供しながら、復興支援につなげる

大漁旗が目を引く入口には、地元宮城や東北各地の生産者の顔がわかるポスターや酒樽などがある
広々とした店内。各自で殻付き牡蠣を炭火で焼くシステムとなるため、各テーブルに炭火ロースターが置かれている
入口の反対側となる通りに面したテラス席は、開放感たっぷりの雰囲気。大人数でワイワイと楽しめる
同店が自慢をもってオススメする殻付の「焼き牡蠣盛り」は、潮流と森の恵みが育む三陸の豊かな海で育った濃厚な味と身が大きいのが特徴
仙台出身の元気なスタッフ達に囲まれた代表の松野勝生氏(左から4番目)と取締役業務本部長の松野水緒氏(左から3番目)

(取材=玉井 由希子)


神田駅西口から徒歩1分の好立地に、仙台の人気店「かき小屋 飛梅」の東京進出1号店「かき小屋 飛梅 神田西口店」が9月11日オープンした。経営は、宮城・仙台市内で「かき小屋 飛梅」をはじめ、「なごみだいにんぐ」「仙台らーめん」など3業態7店舗を展開している飛梅(宮城県仙台市、代表取締役:松野勝生氏)。なかでもこの「かき小屋 飛梅」は、2011年3月の震災後、復興支援の一環になればと、地元宮城県産の牡蠣を使うことで飲食業者として貢献したいとの強い想いから2012年8月にスタートした業態だ。
種牡蠣出荷量でトップシェアを誇る宮城・石巻市だが、実は以前から、宮城県産の殻付き牡蠣は仙台市内でもあまり提供されることはなく、そのほとんどが剥き身タイプだったという。地元の生産者の努力で牡蠣の生産は順調に復旧しているものの、失った販路の回復は難しく、また沿岸部の水産加工場の損壊や剥き子の減少等で、今まで主流だった剥き身の出荷が困難になったのも大きな痛手となっていた。地元の牡蠣生産者にとっては、殻付のままで出荷、受け入れてもらえる販路の開拓が急務だった。「殻付き牡蠣は通年供給が可能だと震災後初めて知りましたし、販路に困っている実情を聞いて、殻付きのまま炭火で焼く『かき小屋』スタイルをまず仙台でやって、消費すべきだと思いました」「1号店の仙台駅前店は、地元のお客さんのみならず観光客にも好評だったので、東京出店は近いうちにしたいと思っていたんです」と、同社の「かき小屋」業態を強力に推し進めてきた取締役業務本部長 松野水緒氏は語った。同店で提供される牡蠣は、石巻から毎日直送される新鮮な殻付き牡蠣。厳しい規格基準をクリアした、安心・安全な「生食用」のみを使用している。炭火を使う提供方法は手間が掛かるが、美味しさが格段に違うという。石巻の殻付き牡蠣の品質に絶対の自信を持っているからこそ、提供方法にもこだわり、その美味しさを伝えることに尽力していきたいという。
ランチメニューは、近隣オフィスワーカーをターゲットに、同店ならではの牡蠣尽くしメニューがワンコインから並ぶ。「かき飯セット」は、かき飯にかき汁、小鉢がついて500円。他に生牡蠣や牡蠣フライがついたセットや定食が7種類ほど。ディナータイムのイチオシはやはり名物の「焼き牡蠣盛り(4個)」(1000円)。潮流と森の恵みが育む三陸の海で育った牡蠣は味が濃厚で身も大きいのが特徴。それを炭火で焼いて食べる醍醐味は格別だ。まずはそのまま、醤油、ポン酢、レモン、宮城の万能調味料“よっちゃんなんばん”など好みの味付けで食べるのもオススメだという。「石巻産 生牡蠣」は1個380円とリーズナブル価格で追加注文も気軽にできる。石巻産の新鮮なウニを香ばしく焼いた「丸ごと焼きウニ」(980円)は、生ウニとはまた一味違った美味しさが広がる。その他、岩手・大船渡市の小石浜から直送される特大ブランドホタテ“恋し浜”を使った「帆立の浜焼き」(1個480円)は、その甘みと肉厚な身が美味しいと人気がある。また震災で壊滅的な被害を受けた宮城のホヤも、ようやく復活し、「復活!石巻産 ホヤ刺し」(680円)としてメニューに登場している。独特の味わいがあるホヤだが、その鮮度の良さゆえクセがなく爽やかな味わいが受け入れられ、東京でもオーダー率の高い一品だという。三陸の新鮮な海の幸に合わせるのは、やはり地元宮城や東北の地酒だ。浦霞、日高見、一ノ蔵、伯楽星など宮城を代表する銘柄や、くどき上手、南部美人、新政など東北の銘酒も豊富に揃う(グラス380円~、1合580円~)。
同社は、創業以来「顔が見える」食材の調達に重きを置き、その食材を自信を持って提供してきた。震災後は、沿岸被災地の各浜で再起を図る漁師や水産加工業者と連携を深め、生産から消費に至る6次産業化の輪を拡げるべく邁進している。「生産者とのパイプをより太くしていき、生産者に利益還元していきたい。浜の状況をしっかり見据え、漁の継続を断念する漁師たちが今後出ないようにしていくことが私どもの役目だと思っています」と代表取締役社長の松野勝生氏は強い使命感を語ってくれた。また今後の展開について、業務本部長の松野水緒氏は、東京での更なる店舗の展開は構想中ではあるものの、心ある営業ができ、食材の伝道師として、この業態と石巻の殻付き牡蠣という食材をしっかり理解し、伝えることができる人材育成も重要と考えていることから、店舗展開は慎重に進めて行きたいと話す。都内でもかき小屋形態の店が増えている昨今だが、単なる飲食の1業態という枠では語れない、重要な意味を持つ同社独自の「かき小屋」スタイルは、他とは一線を画す意義のある存在になるだろう。

店舗データ

店名 かき小屋 飛梅 神田西口店
住所 東京都千代田区内神田3-8-7 星座ビル 1F

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アクセス JR神田駅西口・南口より徒歩1分
東京メトロ銀座線神田駅より徒歩3分
電話 03-3527-1663
営業時間 11:00~14:00、17:00~24:00
定休日
坪数客数 50坪 100席
客単価 昼750円、夜5000円
運営会社 株式会社 飛梅
関連リンク 飛梅
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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