「インバウンド富裕層を獲得するガストロノミー経済圏を日本全国に作れ!」日本ガストロノミー協会会長・柏原光太郎著『「フーディー」が日本を再生する!ニッポン美食立国論 時代はガストロノミーツーリズム』(発行日刊現代・発売講談社)の本質に迫る! 23.06.26 Tweet
本書は著者の山小屋がある軽井沢町の再生物語が源流である。軽井沢町は東京の富裕層がほとんどを占める別荘族、先祖代々からの町民、移住者(新町民)の3者で構成されるが歴史的に利害関係が対立してきた。しかし軽井沢町全体として豊かになるべきだと、別荘族のリーダーが2010年頃40~50代を中心にした「しらかば会」を発足させ、協調、再生の方向を模索した。著者はこの会をベースに新しい経済圏づくりを構想した。要は軽井沢という「点」ではなく、県境や市町村のカベを超えて「線」でつなぎ、さらに食や観光資源などを車で2~3時間の距離で「面」展開する、ガストロノミー(食事と文化の関係を考察)ツーリズムの発想に行きついた。これを「大軽井沢経済圏」としてインバウンド富裕層を呼び込むことで豊かになろうというのだ。以来、10数年、軽井沢町を中心に「いい食」「いい宿」「いい観光」は充実、日本のガストロノミーツーリズムを牽引している。「しらかば会」の活動が本書を書く引き金になったという。…