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インタビュー

【スペシャル連載】コロナショック、何していましたか?これからどうしますか? ~Vol.4ロット山崎将志氏&田子英城氏~

飲食店に多大な影響をもたらした新型コロナウイルス。緊急事態宣言にともなう外出自粛要請で客足が激減、休業か営業継続か。店内営業ができなくなった店はテイクアウトやデリバリーに取り組むなど、コロナショックでオーナー達はどのように考え、行動していたのか、どんな心境にあったのか……。コロナショック下におけるオーナー達の姿を探るべく、リレー形式でインタビューを実施。第四回は、埼玉県で飲食店を展開するロットの創業者で現在はアロットクリエイト代表の田子英城氏、そして現ロット代表の山崎将志氏に登場してもらった。



アロットクリエイト代表取締役社長 田子英城氏(写真右)
1978年埼玉・戸田生まれ。2002年8月、地元・戸田に「Cafe&DINING SUN」をオープンし創業。以降、埼玉県で飲食店を展開。現在は社長を引退し、親会社アロットクリエイトの代表として、ロットを含め5の子会社の支援を行っている。
ロット代表取締役社長 山崎将志氏(写真左)
1982年愛知県生まれ。ロットはアルバイトからスタートし、2017年1月には店長から社長に抜擢される。

全店休業を決断するものの、再開時は流れを戻すのに苦労

田子:バイタリティの岩田さんとは親しくしていて、バトンを受け取ったのは私ですが、ロットの経営の舵取りをしているのは山崎。私は後方支援に徹していますので、会社としての動きは山崎に話してもらいましょうか。

山崎:そうですね。3月に入り、例年と違って宴会予約がほとんど入らないことから新型コロナの影響を感じ始めました。特に3月の最終週の売上は散々でしたね……。そこで当社は4月8日から全店舗で休業を選択しました。緊急事態宣言という未曾有の事態でしたし、スタッフには大学生アルバイトも多く、親御さんが心配しているという声もあったからです。

ただ、これについては少し後悔もあって。もちろん休業に意義はあったかもしれませんが、この企画で前回登場した岩田社長が、インタビューで「店は一度休業すると元に戻すのに時間がかかる」とおっしゃっているのを読んで、その通りだと思いました。店はいったん閉めてしまうと流れが止まる。当社でも営業を再開したとき、それまでのペースを取り戻すのに苦労しましたね。アルバイトさんは休みにして社員だけで運営するなど手段はあったかな、とも思います。

休業中に始めたベーカリーが大ヒット、「日本一元気なパン屋」を目指す

山崎:一方、コロナショックの中で通常営業は休止しましたが、戸田公園駅前のイタリアン「RISA!RISA!(リサリサ)」のでベーカリー営業を始めました。田子とつながりのあったグリーンルーム(埼玉県本庄市)が運営するベーカリー、「Bakerys Kitchen ohana(オハナ)」のパンをテイクアウトで販売。これがヒットし、多い日は1日40万~50万円を売り上げました。もちろん売上が立ったことは助かりましたが、それ以上に、お年寄りや子どもなど普段の「RISA!RISA!」の営業ではリーチできない人も触れ合うことができたのは収穫でしたね。

飲食店である我々がベーカリーを運営するにあたっては「日本一元気なパン屋」をモットーにしました。お客様への挨拶や通行人への声掛けなど、飲食店ならではの元気さ意識しました。時には「うるさい!」とクレームを受けることもありましたが(笑)、その都度スタッフが声掛けの仕方を工夫してお客様へのアピールをしてきました。おかげ様で好評をいただいているので、今後もベーカリーの可能性は探っていきたいですね。

現場出身の社長として、コロナショックは経営への意識が一層強まった機会

山崎:当社は田子が創業し、私は二代目社長。しかも、店長から社長へと抜擢していただきました。私はずっと現場畑で、その感覚を生かしてほしいということではありましたが、今回のコロナショックを通じて、まだまだ経営について理解しきれていなかったなと感じました。今回、会社の財務を改めて見直す中で、会社として目指すべき方向がよりクリアになり、経営者としてより意識を高く持つようになりました。

こうした非常事態になるとすべてを見越していた人はなかなかいないと思いますが、これまでの飲食店経営がいつまでも通用するとは思っておらず、何かしらのアイディアを練っていた人は多い。今回は、多くの経営者がそのあらかじめ持っていたアイディアを元に対策を打っているように思いました。もともと見えていたものに対して、それが加速したときにどう対応するか。先を見越した考えを持っていたかどうかが、今回の対応の明暗を分けたように思います。未来を見据えて、非常時にもスピーディに動けるかを普段から備えておくことが、これからの飲食で勝ち残るためのカギだと感じました。

田子:ほとんど山崎に話してもらってしまいましたが(笑)、私も山崎と同じ思いですね。今後も、私は好調なベーカリーをはじめROTの取り組みを後方から支援していくつもりです。

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