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インタビュー

【スペシャル連載】コロナショック、何していましたか?これからどうしますか? ~Vol.5 アイロム 森山佳和氏~

飲食店に多大な影響をもたらした新型コロナウイルス。緊急事態宣言にともなう外出自粛要請で客足が激減、休業か営業継続か。店内営業ができなくなった店はテイクアウトやデリバリーに取り組むなど、コロナショックでオーナー達はどのように考え、行動していたのか、どんな心境にあったのか……。コロナショック下におけるオーナー達の姿を探るべく、リレー形式でインタビューを実施。第5回は、「サカナバル」などを展開するアイロムの森山佳和氏に登場してもらった。



株式会社アイロム 代表取締役 森山佳和
1977年、横浜生まれ。デザイナー、トラック運転手を経て飲食業界に。魚料理をウリにしたバルの先駆として知られる「サカナバル」を恵比寿、六本木、五反田で運営するほか、渋谷のダイニングバー「BEE8」も展開する。

売上が東日本大震災の時以下に……テイクアウトとデリバリーに切り替え営業

風向きが変わったなと感じたのは3月。まずはオフィス街のビル空中階にある五反田の「サカナバル」から売上が減り、少しして渋谷の「BEE8」も客足が鈍っていきました。4月に入ると売上が見たことないくらいに落ち、「BEE8」の売上は1日1万円に。東日本大震災のときの落ち込みでさえ1日4万円でしたので、これはもう難しい、と緊急事態宣言を待たずに「BEE8」は休業することにしました。

そこから、恵比寿、六本木、五反田の「サカナバル」はテイクアウトとデリバリーに切り替えて営業。本当は全店で休業した方が経営的にはよいのですが、できることだけでもやろう、と続けることにしました。というのも、突然、仕事がなくなると、その落差にスタッフの気持ちがついていけなくなるのでは、と考えたからです。一度、全員を集めて「やるか、やらないか」を聞いたところほぼ全員がやりたいと言ってくれた。給料は全員に満額を支払いました。

ただ、テイクアウトとデリバリー、やってみましたが課題は多かったですね。私のSNSで告知したところ、知り合いからの注文は入りましたが、一般のお客様へまでは認知が広がらなかった。この辺は私たちが素人だったと痛感しました。

缶詰事業に本格着手!


一方で、4月、以前から構想を練っていた缶詰事業に本格着手しました。取締役から提案があり以前から進めてはいたのですが、コロナショックを機に本腰を入れることに。前まで店舗として使っていた物件に器材を置き、中身の調理からパッキングまでを行う缶詰工場として稼働。「サカナバル」で人気のメニューを缶詰として販売するほか、BtoB向けに少ロットで缶詰を手作りするサービスも始めました。飲食店の周年ノベルティや結婚式の引き出物、お中元などにぜひ。缶詰は製造にかかる人件費も抑えられるので粗利が高く、今後の一つの核として育てていこうと準備を整えているところです。

Withコロナを前提に「より選ばれる店づくり」を意識


今も新型コロナの状況は安定せず、これはもう収束するのはまだまだ先だと考え、それを前提として動いていかなくてはならないと思っています。テイクアウトやデリバリーのように、いきなり始めたことを成功させるのは難しいことはわかった。それよりも、僕らは今までずっと外食で生きてきて、これだけを一生懸命やってきた。そこに特化し、今後は「より選ばれる店づくり」を意識していこうと思います。地域に根差した、なくてはならない存在になりたい。例えば「サカナバル」はメニューの品数を絞る代わりに一品一品のクオリティや鮮度を上げ、より魚に特化した店であることを打ち出して「魚ならあの店」と思ってもらえるように。一方で「BEE8」は品数を増やしました。この店は特にとがった業態ではなく、使い勝手の良さが最大のウリ。品数を減らすと来店動機が減ってしまう。様々なメニューを用意することで「あそこに行けば何かある」と思ってもらう狙いです。改めて、その店にお客様が来る意味を考え、ブラッシュアップしている最中。実際に売上は少しずつ上向いており、成果が出てきているところですね。

(取材=大関 まなみ)

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