経堂にネオ角打ち「no.506」が開業。外苑前「no.501」、千歳船橋「no.502」に続く3店舗目、 “桃源郷”をテーマにしたアジアン×自然派ワインのスタイルで、外食ならではの空間体験を演出

スペシャリテは桃源郷＝シャングリラ。ネオアジアンをコンセプトにした料理の数々

店奥はネオアジアンをコンセプトにしたレストラン。木の根を逆さに据え、巨大な流木を据えたオブジェなど無機物・自然物を多く配しており、蛍光色で現実世界を示すセラーから自然世界へのコントラストを表現している。こうした空間デザインの魅せ方は演出家である尾藤氏ならでは。戸田氏は「レストランは現実世界から離れた理想郷＝ユートピア。カウンター奥のキッチンは桃源郷を表しており、流木が境界線の役割を果たしています。尾藤は『来店するからこそ味わえる独特な世界観を楽しんでほしい』と考えており、私たちスタッフもそれを意識してお客様と日々接しています」と語る。

入口のセラーとは一転し、店奥のレストランはシックな雰囲気。オープンカウンターには巨大な流木が鎮座する。2人掛けのテーブル席ほかカウンター席もあり、ちょい飲み利用のひとり客も多い

メニューはネオアジアンのコンセプトに添い、アジア各国の逸品やエスニック料理を多数揃える。スペシャリテは「シャングリラ」と名付けた冷菜の盛り合わせ（2500円）。豆腐のオイル漬けやスパイスオリーブ、季節のナムルやカルパッチョなど、ワインとの相性を考えた10種類以上を、アフタヌーンティーで使われる段になったケーキスタンドに盛り付けして提供。スパイスやハーブを多く使用し、小量多品目でワインを楽しめるようにしている。

アフタヌーンティーのケーキスタンドに、アジア各国の料理をひと口サイズで盛り付けた「シャングリラ」は看板であり一番人気のメニュー

その他、中国北部の伝統料理を「no.506」流にアレンジした「春餅（チュンピン）」（2200円）や、広島県の米で作ったグルテンフリー麺の「フォー」（白米麺・玄米麺ともに900円）、「豆花とココナッツソルベ」（550円）など、前菜から〆、デザートまで幅広く揃える。また、ランチやテイクアウトにも注力。セットの「水餃子」（1150円）や「ラーププレート」（1250円）なども用意する。いずれの料理も食品添加物は不使用、春餅や水餃子の皮は手作りするなど体を気遣う姿勢は自然派ワインにも通じる。

中国北部の伝統料理「春餅（チュンピン）」も人気メニューのひとつ。国産小麦で作った自家製の皮に契約農家から直送の野菜やハーブ、特製ジャムなどをつけて巻いて食べる

グラスワインも赤、白、オレンジ、泡など10種前後を用意。価格は1000円前後で、空き次第銘柄も変わる。「注文したグラスワインを気に入り、セラーで買って帰るお客さまもいます」と戸田氏。ソフトドリンクはアジアンクラフトコーラ（650円）やスパイスチャイ（650円）を用意。イチオシは広島県竹原市で育った品種「キャンベル・アーリー」を使用した自家製のぶどうジュース「瀬戸内スムージュ」で、ぶどう以外何も加えない濃厚さがスムージーのような味わいであることから命名しており、「早摘み」「完熟」の2種類（いずれも550円）ほか、両方楽しめる「テイスティングセット」（1000円）も人気だという。

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