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自然派ワイン角打ち「no.502」が千歳船橋にオープン。外苑前の「no.501」の2号店で、コロナ禍で住宅地立地に着目、サスティナブルな視点を意識した店づくりに注目

千歳船橋駅から徒歩5分。11月30日、閑静な住宅街の中に自然派ワイン専門の角打ち「no.502(ナンバー・ゴーマルニ)」がオープンした。運営は、Bottle Tokyo(東京都渋谷区)で、外苑前にある「no.501」の2号店だ。オーナーは、演出家でもある尾藤信吾氏。100種類以上の自然派ワインを揃え、チョイ飲みできるスタンディングスペースを設けて角打ちらしさを残しながら、ゆったりと食事ができるテーブル席も用意。ワインの小売りはもちろん、惣菜のテイクアウトにも対応するなど、住宅街立地を考慮した機能も備える。“ボーダレス、ジェンダーレス、エイジレス”をコンセプトに、あらゆる垣根を越えた思考を店づくりに反映。サスティナブルを意識した店舗運営も感度の高い客層に受け入れられている。

住宅地の真ん中に立地。住居用の2階建の古民家を改装した
1階では冷蔵庫にワインがずらりと並び、スタンディングスペースでサク飲みが楽しめる。入口中央には、尾藤氏製作のワインのコルクなどに使われる樫の木を使用したオブジェが飾られている
2階はゆっくり利用できるテーブル席。内装は1階、2階ともに天井をコンクリートで固め、柱は黒く塗装。古民家のぬくもりに、あえて鉄やコンクリートのような無機質なイメージをプラスした
自然派ワインを常時100種類以上揃える。BottleTokyoオリジナルのワインも用意する
彩り豊かな「レイヤードランチ」(1500円)。3枚のプレートは長崎の波佐見焼で、重箱のようにスタッキングできる
「no.502」のスタッフの皆さん。左端がBottleTokyo代表の尾藤信吾氏

演出家の代表が自然派ワインに惚れ込み、新事業として立ち上げ

Bottle Tokyoの代表を務める尾藤信吾氏は、ファッションショーやアパレルブランドのパーティーなどを手がける演出家。一方で、10年ほど前から自然派ワインに目覚め、ワインに関わる事業を構想。2016年には同氏の故郷である広島県三原市でブドウを栽培し、委託醸造でワインづくりを開始した。同年にBottle Tokyoを立ち上げ、外苑前で自然派ワイン専門の角打ち「no.501」をオープン。角打ち業態を選んだ理由について、同氏は「ワインの販売を手掛けたいという思いがありましたが、酒屋の廃業がどんどん進んでいる昨今の現状から、酒屋だけをやるのは不安だった。かといって顔の見えないEC販売は消費者が飽きているように感じました。そこで、小売りだけでなくその場で飲める角打ちスタイルが面白いのではないかと閃きました」と話す。外苑前にある1号店の物件はオリンピック会場である国立競技場に近いことや、空間の良さから決定。オープン後は近隣住民や周辺で働く外国人などから、予想以上の反響があったという。

コロナ禍に強い住宅地、感度の高い世田谷エリアに着目

都心部に位置する1号店とは一転、2号店は住宅地への出店を構想。経堂、三軒茶屋、松陰神社などを検討していたという。「コロナ禍で都心部が打撃を受ける中、住宅地の飲食店は軒並み好調。感度の高い層が住むエリアなら、体にやさしい自然派ワインの需要もあると考えました」と同氏。世田谷エリアでの物件探しは難航したが、千歳船橋にある住居用の2階建古民家の物件を取得。空間デザインを手がける同氏のスキルを活かして、全面改装を行い、1階はワインが並ぶ冷蔵庫とスタンディングスペース、2階にはゆったりと過ごせるテーブル席を設けた。「古民家を丸ごと改装するので少し不安もありましたが、近年、古い空き家が増えていますし、サスティナブルな視点で考えて思い切ってチャレンジすることにしました」と同氏。

3つのコンセプトを反映した料理とドリンク

店は住宅地という立地から、9〜21時で営業。ディナーのみならず、ランチ利用やサク飲み、終日対応のデリのテイクアウトなど、地域住民が立ち寄りやすく使い勝手のいい業態となっている。“ボーダレス、ジェンダーレス、エイジレス”のコンセプトをもとに、料理はイタリアン、フレンチ基調にしつつ、和や中東のエッセンスも加えたボーダレスな品を提供。

料理人はスコットランド人とイタリアで経験を積んだ日本人の2人のシェフが手がける。11時から14時までのランチタイムでは、重箱のように3段に重なった皿にデリなどを盛り合わせた「レイヤードランチ」(1500円)、デリを数種類盛り合わせた「デリ・プレート」(1100円)を用意。14時以降は、テイクアウトにも対応している8種類ほどの日替わりデリのほか、「宮城県石巻炙り〆鯖」(1350円)、「鱈のマンテカート、柚風味 ポレンタフリット」(1500円)など、冷菜と温菜を各3種類、「三元豚のシュラハトブラッテ 梨のスパイスソース」(2100円)などメインを2種類、〆料理やデザートまで揃える充実したメニュー構成だ。宗教や思想に関係なく食事を楽しんでほしいとの想いから、動物性食品不使用の「カリフラワーのフリット、アボカド、豆腐ソース」(1200円)、「米麹のパンナコッタ」など、アレルギーフリーでベジタリアンにも配慮したメニューもあり、エイジレスに味わってもらうため、どの料理も子どもが苦手とする刺激的な味付けは避けているという。

ワインは自然派ワインのみを100種類以上揃え、インポーター60社と数十の日本のワイナリーから仕入れる。選定する際は広い視野で意見を取り入れるために、ソムリエの資格を持つスタッフ複数人で決め、多様性のあるラインナップを意識。店内で飲む場合は抜栓料としてプラス2000円、グラスワインは泡、赤、白、オレンジワインを常時8種類ほど、一杯700円から1500円で提供している。加えてカフェメニューにもこだわり、オリジナルブレンドの「ホットコーヒー」(600円)や、「有機栽培 玉露茶」(700円)、「有機栽培 煎茶」(650円)を用意する。

袋1枚50円、タッパーの貸し出し。サスティナブルを考えた店づくり

現代的な視点を軸に据え運営する同店では、サスティナブルな社会に貢献するための活動も随所に盛り込んでいる。テイクアウトはビニル袋を用意せず、50円の紙袋を用意し、タッパー持参を推奨。100円のデポジットで、タッパーの貸し出しも行っている。「サスティナブルな活動について飲食業界は遅れを取っているイメージがあります。ビニル袋を無料でつけた方がお客様は喜びますが、それでは未来のためになりません。飲食を通して、持続可能な社会のためにできることを発信していきたいですし、飲食業界でこうした考えが当たり前になってほしいです。『お金が儲かったから社会貢献をしよう』というのではなく、小さなことを当たり前に続けていけたらいいですね」と同氏。

現在は狙い通り、感度の高い近隣住民が訪れ、店のコンセプトやサスティナブルに対する考え方に共感が集まっている。今後は、ブドウ栽培を行っている広島県三原市周辺で協力農家を募り、自社で醸造まで手がけるワイナリーを作りたい考えだ。加えて同氏は「ワイナリーもそうですが、地元の活性化を考えています。いつかオーベルジュのように酒屋とホテルが一緒になった施設を作ってみたいですね。あくまでベースは酒屋でありながら+αでできる限界に挑戦し、サスティナビリティやコンセプトを体現していきます」と熱い野望を語った。

(取材=福井 晶)

店舗データ

店名 no.502(ナンバー・ゴーマルニ)
住所 東京都世田谷区桜丘5-16-9 1F

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アクセス 千歳船橋駅から徒歩5分
電話 03-6413-5550
営業時間 9:00~21:00
定休日 不定休
坪数客数 20坪14席+スタンディング3名程度
客単価 ランチ2000円、ディナー5000〜6000円
運営会社 株式会社BottleTokyo
オープン日 2020年10月31日
関連リンク no.502(Instagram)
関連リンク no.502(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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