ダイヤモンドダイニングがトレタとタッグを組んで完全キャッシュレス決済の「焼鳥IPPON」を大崎に出店。個人注文・個人会計を実現し、ダイナミックプライシングも導入

効率化だけでなく、ファンを増やすツールとして活用

「焼鳥IPPON」は紙のメニューは一切置かず、潔く「モバイルオーダーIPPON（一本）」にしている。中高年層の利用客の中には、「デジタルが苦手…」というタイプも少なくないが、「どのように説明すると、分かりやすく伝えられるのか」を日々、スタッフが話し合うなどし、モバイルオーダーの使い方を説明する接客に注力。「丁寧に教えてくれてありがとう」と利用客から感謝されることも多く、使い方を説明する接客が有意義な「お客様との接点」にもなっている。さらに、利用客にはモバイルーダーを使う際にニックネームを入力してもらう。例えば、ニックネームが「かめ」であれば、「かめさん、ビールをお持ちしました」と、名前で呼ぶ接客ができるようにしているのである。今後は、利用客の注文履歴などの情報を元に、「かめさん、今日も2杯目はハイボールにしますか」といった常連客対応の接客ができるようなヴァージョンアップも検討している。このように効率化だけでなく、店のファンを増やすツールとして店内モバイルオーダーを活用している点も見逃せない。

「これまで飲食店の接客は、新人のアルバイトスタッフがメニューを覚えるだけでも大変で、仕事のレベルとしてハードルが高いことが離職の要因の一つになっていました。しかし、モバイルオーダーであれば、そのハードルを下げることができ、新人のスタッフでも、お客様に喜んでもらえる接客をすぐに体験しやすくなります」（北島氏）。利用する側だけでなく、働く側にとっても大きな効果が期待できるのが店内モバイルオーダーで、スタッフの研修・教育コストを格段に下げることができる可能性も秘めている。

客席はカウンター18席とテーブル62席。想定客単価は3500円だが、客単価4000円以上のアッパーな雰囲気が感じられる落ち着いた雰囲気にしている

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