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築地で三代続く仲卸業直営の店が2010年7月30日にオープンした、国産カキが気軽に味わえるカキバー「地下の粋」に注目!

オープンエアの環境はほんとうにシンプル。ちょっとおしゃれな市場風
各地から届けられるプリプリの新鮮カキを味わうにはカットレモンで十分だ
各地のカキ処から届けられ箱が並び、専門店らしさを際立てる
朝は仲卸、昼は魚屋、夜は飲食店オーナーとして、現場を大事にする元気な片又氏

(取材=西山 登美子)


築地場外の正面、新大橋通りと晴海通りの交差点角、1、2階、地下は飲食店や海産物、お茶屋などが連なる築地らしいビルの地下に店はある。全面オープン環境の店は、スタンディングのキッチンカウンターに、荷車を利用したテーブルと丸テーブルを置いただけのそっけない創りだが、開放感にあふれる。店前には産地別の殻カキが入る箱がいくつも置かれ、専門店らしい存在感と期待感が際立つ。店に置くカキは全て国産物で、ONシーズンとなる秋から春先には真ガキ、晩春から初秋には夏カキとなり、一年を通じて楽しめる。
経営するのは東京中央卸売市場で三代続く仲卸業の築地三代(代表取締役:片又孝幸氏)。プロである仲卸業としての自らの目が届く、日本産のカキにこだわり、日々、水揚げされる鮮度と品質への信頼性に自信を持つ。
東京中央卸売市場には海鮮のプロである仲卸業社が700~800社あり、優れた目利きで選ばれる魚貝は築地ブランドとして、名高い高級店をはじめ一流シェフや和食職人、魚屋からの厚い信頼を持ち、その歴史は長い。しかし「最近、街場の魚屋の廃業や、産直志向、さらには魚ばなれなどもあり、仲卸業自体と共に、築地ブランドのあり方も様変わりし、将来性を危惧する声も高い」と片又氏は語る。「そんな危惧に立ち向かうために、築地ブランドの新しい方向性の開拓、付加価値づくりのための一端として、飲食マーケットに所在を求めた」と続け、さらに「消費者との直接的な接点となる自社の『粋ブランド』を立ち上げ、プロの目利きする美味しい魚を知り、味わう場づくりのために飲食店を手掛けた」と語る。
「地下の粋」は、オイスターバーではあるが、分かりやすく馴染み深い日本語での「カキ」という言葉にこだわり、身近で気軽に寄れる「『カキ』バー」を立ち位置としている。真カキのシーズンには、日本全国カキ産地から届く本日の生カキが10種類近く楽しめる。価格は240円から400円台とリーズナブルで、さらに本日の2種盛りはお得。西京味噌の殻焼き、おろしポン酢の蒸しカキ、魚貝一品料理も数種類加え、バリエーションを持たせている。中でも、その日入荷する鮮魚で作る本日のアクアパッツアは絶品とファンも多い。真カキのOFFシーズンには、全国の夏カキと築地ブランドの魚貝串にとメニューは変わり、海鮮の季節性、旬の存在感が意識されている。
アルコールメニューはシンプル。スパークリング1種類、2000円台から揃うボトルの月替わりの白ワイン4種類を中心に、グラスワイン、日本酒2種類、ビールのみの明快な構成。
オーナーの片又氏は、ガブ飲みワインで豪快にカキを楽しんで欲しいと考える。
また、同氏は2毛作業態、「魚や粋」を、3年前に同じビル1階にオープンしている。廃業する魚屋を引き継ぎ、昼間は魚屋、夜はそのまま飲食店として営業し、購買も出来るスタンスで、魚屋の角打ちといった趣の店としている。仲卸直営で美味しい魚貝を味わえると、魚好きの客が夜な夜な絶え間なく集る。「『魚や粋』、『地下の粋』どちらの店も、気取らずカジュアルに魚貝を楽しめるスタイル、環境にしたのは、築地ブランドのクオリティを手軽に知って欲しいから」と語る。
築地といえば日本のみならず世界的にも名高く、観光地としても人気があり、朝から夜まで観光客で賑わう。しかし、東京中央卸売市場、仲卸業の本来の姿やポジションを知る人は少ないのかもしれない。片又氏は「今後、粋ブランドの魚貝をコンセプトとした飲食店を事業化することで、改めて『築地ブランド』認知に尽くしたい」と語る。

店舗データ

店名 魚や 地下の粋
住所 東京都中央区築地4-7-5 築地KYビルB1F

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アクセス 地下鉄 築地駅から徒歩5分、地下鉄 東銀座駅より徒歩10分
電話 03-6228-4442
営業時間 17:00~21:30
定休日 日・祝
坪数客数 6坪・21席
客単価 3500円
運営会社 株式会社築地三代 
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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