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クラフトビールバー「BEER DINING THE LEGEND」が五反田にオープン 渋谷・新宿の名店「THE GRIFFON」の3号店

エレベーターで4階へあがるとこの看板が出迎えてくれる
どっしりとしたカウンターに座ると、目の前には芸術的とも言えるタップがずらり。反対側にはテーブル席が並ぶ
こだわりの野菜スティックをバーニャカウダソースで。軽くつまめるフィンガーフードが豊富
フードとビールの相性は抜群。ラガーにエール、他各種と豊富なラインナップで、常に新しいビールに出会える
「BEER DINING THE REGEND 」店長 島津未来氏

(取材=今村 七海)


五反田駅西口を出て右に曲がり、横断歩道を渡ってすぐ右手の飲食店が並ぶビルの入り口に、クラフトビールバー「BEER DINING THE LEGEND(ビア・ダイニング・ザ・レンジェンド、以下「THE LEGEND」)」の看板が見える。店はビルの4F。クラシカルなバーのような扉を開けると、左手にテーブル席、右手には重厚なカウンター席がずらりと並ぶ。渋谷、新宿でクラフトビールバー「THE GRIFFON」を経営する山口照尊氏は、三店舗目の地に五反田を選び、2016年11月に「THE LEGEND」をオープンした。コンセプトは「THE GRIFFON」を継いでいるが、新しい土地、新しい店なので店名は変更。「グリフォンからレジェンドなんて名前にすると、伝説なんてかっこいいとか次のステージだとか言われちゃうんですけど、違うんですよ。五反田ってグラフトン、クラフトマン、デビルクラフトと3つもクラフトビールの店があって、そこにグリフォンが加わったらもうややこしいでしょ。わかりやすい名前にしたくて」。思い切りが良く、直感でどんどん進めていく人だな、というのが山口氏の印象である。「THE LEGEND」では常時28タップのクラフトビールを提供。ビール好きにはたまらない店だ。

山口氏は大学卒業後、2年間地元の不動産関係の会社で働いていたが、グローバルダイニング(以下GD)の求人情報を見つけたその日に辞表を出して飲食の世界に飛び込んだ。学生時代は就職活動をあまりせず、不動産に入ったのもたまたまだという山口氏。飲食に入ったきっかけはなんだったのか。
「地元で働いていた頃、ラーメン屋の一蘭の社長と仲良くしていて、その方に『お前は絶対飲食はできない」と言われたんですよ。『じゃあやってやるよ』と言ったところにタイミングよくGDに出会いました」。山口氏は自らのことを、群がるのが苦手で不器用かもしれないと語るが、GDでは実績を重ね、3ヶ月と史上最速で店長になった。山口氏にきっかけを与えた一蘭の社長は当時32歳。それを受けて山口氏も32歳で独立し、グリフォン渋谷店を立ち上げた。クラフトビールが日本で解禁されたのは23年前の1994年。そこからじわじわとブームに火がつき、グリフォン渋谷店をオープンした2008年にはTwitterやFacebookなどの新しいSNSツールともマッチして、クラフトビールの波が世の中に広まっていった。「独立してからは本当にもうがむしゃらに働きました。言い訳をしたくなかった。今はある程度落ち着いて、店のことは店長に任せていますけどね。任せることも教育ですから」。今後の展望を見据えて動き始めている山口氏、「THE LEGEND」の実質的な運営は、元々グリフォンの常連でもあった店長の島津未来氏に委ねている。「口は出しますよ。お前まだ甘いよって(笑)」。

「THE LEGEND」の特徴は何と言っても常時24〜28タップと豊富に揃えられたクラフトビール。来店時に繋がっていたのは箕面ビールの先代社長の追悼ビールとして生まれ今年5年目を迎える「GOD FATHER」(300ml/800円)や、毎年大人気の箕面名産完全無農薬ゆずを使用した「ゆずホ和イト」(300ml/800円)など25タップ。グラスサイズは1種類、オープン記念価格ということで全て800円とかなりお得な価格だ。フードメニューは「秋鮭のフィッシュ&チップス」(1480円※期間限定)や「福岡県宗像産の野菜スティック」(980円)など、ビールに合うおつまみを各種提供。フィッシュ&チップスはタルタルソースの他、ビールを使用したホワイトエールビネガーとスタウトビネガーで味わうのが特徴だ。ビネガーの酸味の中にほのかに感じられるビールの味わいが深みを引き立てる。料理は現在山口氏が担当しているが、ゆくゆくは若手に任せる予定とのこと。ビールを楽しんでもらいたいので汁物は避け、季節に合わせるなど、その時の気分でビールと相性の良い料理を提供している。渋谷、新宿の「THE GRIFFON」とは姉妹店だが、繋ぐビールは店舗によりけり。店によって様々な銘柄を楽しめるようにするためだ。店長の島津氏は、この店をきっかけにクラフトビールの良さをさらに広めていきたいと考えている。難しいことは気にせずに、気軽に気楽に気が向いた時に誰でも入れて、クラフトビールの美味しさやその場の雰囲気を楽しめるような店にするため、繋ぐビールのレパートリーやフードメニューは日々研究を怠らない。

「実は、お酒はなんでもいいと思っていたんです。もちろんクラフトビールは好きですが、たまたま目の前にあったからという感じもある。4−5店舗目まではこの形を考えているけど、その後は焼肉でもアパレルでもジュエリーでも何でもいいのでフランチャイズを持ちたいと考えています」と山口氏。まったく異なることに挑戦していこうとしているようだが、一体何故なのだろうか。
「あまり潰れた時のこととかは考えたくないけど…飲食というのは、50代や60代になっても現場で働き続けるのはなかなか難しいと思うんです。女性は子どもが生まれて職場復帰が難しいということもあるでしょう。子どもが生まれたり、50代60代になったりとライフステージが変わっても従業員に仕事を与えられるような会社を作ることが目標です。今は機械が人の仕事を代わりにやってくれて、この先、人ができなくなる仕事も増えていくと思うんですけど、それでも残っていく仕事を考えてずっとやっていきたいですね。やはり1番大事なのは人ですから」。一見サバサバとした山口氏だが、内面は誰よりも熱く、情が深い。どんな時でも真剣な眼差しが印象的だった。山口氏率いる「THE LEGEND」の今後に期待が高まる。

店舗データ

店名 BEER DINING THE LEGEND
住所 東京都品川区西五反田2-5-8 野津ビル4階

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アクセス JR山手線五反田駅より徒歩1分
都営浅草線・東急池上線五反田駅より徒歩1分
電話 03−6431−9567
営業時間 [火~土] 17:30~29:00 [日・月] 17:30~24:00
定休日 なし
坪数客数 25坪・40席
客単価 3500円
関連リンク BEER DINING THE LEGEND(HP)
関連リンク BEER DINING THE LEGEND(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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