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「ポートランド」がコンセプトの新たなビアバー「PDX TAPROOM」(ピーディーエックス・タップルーム)が、渋谷・神宮前エリアに11月11日オープン

トレンド感度の高い若者が多い神宮前エリア。オレゴン州の形をした同店の看板。ちょうど星のある位置がポートランドだ
キャッシュオンで注文する。あらゆる所に「ポートランド」が隠されているので、訪れるたびに新たな発見が
ブルワリーオリジナルのタップがかわいらしく、ユニークだ。「ローグ ファームス ハニーケルシュ」や「ローグ チョコレートスタウト」など、幅広い味わいのビールを揃える
「サツマイモのフライドポテト わさびケチャップ添え」(600円)と「ブレイクサイド インペリアル レッドエール」(1100円)。ビールはホップをたっぷり使用し、豊かな香りと苦味のバランスが絶妙だ
「ビアバーだけどカフェ感覚で利用してほしい」という同店オーナーの平松美幸氏。タップの前で

(取材=望月 みかこ)


渋谷駅から明治通りを原宿方面へ徒歩10分。宮下公園を過ぎて一本東へ入ると、喧噪を離れたこの神宮前エリアには、アパレルショップやカフェが軒を連ねる。この地に11月11日、アメリカ北西部の都市「ポートランド」をコンセプトにしたビアバー「PDX TAPROOM」(ピーディーエックス・タップルーム)がオープンした。ポートランドのブルワリーを中心にディープなクラフトビールを常時10タップ提供する。オーナーは、ポートランドに魅せられた一人の女性、平松美幸氏。「カフェでコーヒーを飲むように、ビールを日常の中で楽しむライフスタイルを、ここから広めていきたい」と話す。

平松氏が「ポートランド」に魅了されたのは、高校3年生の時に留学で渡米したのがきっかけだ。クラフトビールを初めて口にしたのもこの街だった。香りが高く、それぞれに個性的な深い味わいがあることに衝撃を受け、すっかりこの街とクラフトビールにはまったそうだ。大学を卒業後は、ポートランドに本社を置くアウトドアメーカーの日本法人に就職。以来16年間、少なくとも年に1度は仕事、プライベート問わずポートランドに足を運ぶ生活を続けてきた。プレスイベントなどで、オレゴン州のクラフトビールを扱ううちに、ブルワーや卸業者などビール業界人のネットワークが形成されていった。「大好きなポートランドのビールを通じて、街のライフスタイルを伝えたい」という思いから、飲食店を出そうと決意。退職して1年間、独学で飲食を学び、念願の同店をオープンさせた。「日本では『ビール』といえば、夜の飲み会というイメージで、昼から飲むことに強い抵抗感がありますよね。でも、ポートランドでは、昼間でもカジュアルにビールを楽しめる環境があります。個性豊かで、魅力あふれるクラフトビールを通じて、そんなライフスタイルを広めたいですね」。バー業態だが平日は昼3時、休日は12時から営業する。渋谷・神宮前というロケーションに出店を決めたのも、同店のコンセプトに共感してくれる客層が多いと感じたからだ。土日が休みではない、ファッションやデザイン業界で働く20〜30代の男女が多く、「カフェ感覚でビールを楽しむ」という同店の新しい提案が受け入れられそうだ。

ビールはポートランドを中心にオレゴン州産のものを10タップ。「1パイント(473ml)」1100円、「ハーフパイント(236ml)」で700円が中心価格帯。現在は、「ブレイクサイド」、「ホップワークスアーバンブリューワリー」、「ロンポック」、「ローグ」、「カルデラ」、「ターミナルグラヴィティ」の6ブリューワリーの銘柄がラインナップする。ドリンクメニューには、アルコール度数を示すABVや苦さの度合いを表すIBUのほかに、どんな味わいかが細かく説明されており、クラフトビール初心者でもトライしやすい。フードメニューは、ビールに合わせた軽食を出す。「サツマイモのフライドポテト わさびケチャップ添え」(600円)は、あっさりした甘しょっぱさがビールをすすめる。「PDXサラダ」(700円)は、ベリーの生産量が全米一のオレゴン州産ブルーベリーがふんだんにちりばめられた、同店らしい一品だ。

内装もポートランドらしく「クラフト」にこだわった。インテリアデザインは同氏のオリジナル。店内の手作り感、あたたかさを演出するテーブルセットは、静岡の家具職人に特注。壁には、ポートランド空港の絨毯の一部が、絵画のように大きな額にいれてディスプレイされていたり、“KEEP PORTLAND WEIRD”と書かれたストリートアートの写真がプリントされるなど、オリジナリティと遊び心に溢れている。「一人でもゆっくりできる時間をつくりたい」と、電源やWiFiも完備する。

「まだ飲食店を初めて一か月ですが、お店のコンセプトに共感してくれるお客さんが、たくさんいることを実感しています。地元を愛する精神、個性豊かな暮らしぶり、エコフレンドリーで自由な生活スタイル。そういったポートランドのカルチャーを広めていきたい。まずは1店舗、この地にしっかり定着させて、普段から気軽に足を運んでもらえるようなお店にしたいです」。昨今、日本でも注目の高まるポートランド。その背景には、きっと彼らへの共感と憧憬があるのだろう。パイントグラスを傾ける少しの間、ポートランドという街の特別な空気感を体験させてくれる同店。ここから新たなライフスタイルや価値を作り出していく人の輪が広がっていくことを期待したい。

店舗データ

店名 PDX TAPROOM(ピーディーエックス・タップルーム)
住所 東京都渋谷区神宮前5-30-2 第一タカラビル2F

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アクセス JR、地下鉄、私鉄各線「渋谷駅」から徒歩10分
電話 03-6450-5455
営業時間 月〜金 15:00〜23:00、土・日 12:00〜23:00
定休日 なし
坪数客数 12坪 21席
客単価 3000円
関連リンク PDX TAPROOM(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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