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スペシャル企画

飲食店「できる事からプロジェクト」第1弾

今や環境や社会を意識してビジネスを行うことは企業として欠かせない時代となった。
外食産業もしかり、食という大きな市場を支える立場として、その責務は今後ますます大きくなるだろう。そこで飲食産業向け媒体としての役割を担うべく、フードスタジアムは消費者にも社会にも有益な活動を推進していくことを決意。業界ひいては社会全体の活性に貢献すべく「できる事からプロジェクト」と題し、取り組んでいく。

プロジェクト予定
●受動喫煙防止 店外表示推進活動●国産食品推進活動で日本の自給率を上げる ●ゴミ問題を考える●飲食店で取り組むエコ活動

第1弾は、飲食店とは切り離せない「たばこ」の課題。既に飲食業界が一丸となって取り組むべき時期に来ている。今年4月からフースタで追った分煙問題の連載で明らかになったことは、今、真っ先に取り組むべきは店の喫煙環境を外に表示することだ。そこで、店の喫煙環境が入店前に分かれば受動喫煙は必然的に減少していくのでは!?という仮説の元、リアルな活動を実施することに。環境意識の高い店に“店頭に店内の喫煙環境の表示をする”“表示について来店客はどう感じているかアンケートをとる”というふたつの協力を要請。その動向をレポートしながら同活動拡大の鍵を探る!


 

協力店① ベルジアンビア・カフェ アントワープポート

ベルジアンビア・カフェ アントワープポート

株式会社アクアプランネット(三重県松阪市・代表取締役・福政惠子氏)が日本でライセンス展開し、現在4店舗となるベルギー発のカフェ。「スローフード・スローライフ」をコンセプトに1920年代をリアルに再現した空間で60種以上のベルギービールと伝統的な欧州料理を提供。

東京都港区赤坂4-3-6 Hitotsugi Lip 1F 電話03-3584-3301 営業時間11:30-14:00、17:00-03:00、土日祝12:00-00:00 無休 150席 客単価3000-5000円

アントワープポートのステッカー2  アントワープポートのステッカー1▲今回使用した表示
■同店のタバコの環境
【空間分煙】
禁煙:カウンター&手前テーブル席
喫煙:奧のテーブル席は禁煙

「タバコの表示によって客足が減るということはまったくありません」

■プロジェクト協力依頼をした際の店側の反応

赤坂の一ツ木通りにある「ベルジアンビア・カフェ」のタバコ環境は、現在、空間分煙である。同店に、今回、タバコ環境の表示をするというプロジェクトの依頼をしたところ、ふたつの懸念材料がでてきた。ひとつは表示物を貼ることで外観の雰囲気が崩れてしまうのではないかという「デザイン性」の問題。もうひとつは来店しようとした客が表示を見ることで入店を避ける可能性はないかという「集客への影響」。ひとつ目の課題「デザイン」については、同店のコンセプトカラーであるベルギーカラー(黄、黒、赤)を用い、調和する雰囲気の表示物を作成することで解決。ふたつ目「集客への影響」は、既に“表示をしても客足への影響はなかった”という過去の実証例を知ることでリスクは極めて低いということを納得し、懸念を払拭して参加へと至った。

■実際に表示した際の問題点

できあがった表示物を、通行人が頻繁に目を止める店外のメニューの側に掲示。10/21より実施を行なったところ、約一ヶ月過ぎた現在、顧客の足並みが減ったということはなく、トラブルも特になし。店側にとってデメリットは特に感じられないという。

■表示をしてみた感想

「今回のことで表示によるマイナス影響はないと分かりましたので、今後、“タバコの環境を表示した方が親切である”という風潮が社会的に広がり、飲食店にも当然求められる世の中になったとしても抵抗は一切ありません」と、同店担当の東さんは話す。

協力店② 赤坂AUTHENTICA

赤坂AUTHENTICA

カフェ文化の走り「宇田川カフェ」を手掛けた株式会社エル・ディー・アンド・ケイ(東京都渋谷区、代表取締役大谷秀政氏)が運営する、外堀通り沿いにあるオーセンティックなトラットリア。薪窯で焼くピザとオシャレな雰囲気で女性客に人気が高い。

東京都港区赤坂3-5-2サンヨービル1F 電話03-3224-2272 営業時間11:00-24:00 不定休(日・祝は貸切営業のみ) 80席 客単価6000円

赤坂AUTHENTICAの表示3  赤坂AUTHENTICAのステッカー2 赤坂AUTHENTICAのステッカー1▲今回使用した表示
■同店のタバコの環境

ランチ【空間分煙】 ディナー【全面喫煙】

「タバコ環境に関する表示は、ないよりあった方がお客様に親切ですね」

■プロジェクト協力依頼をした際の店側の反応

外堀通りの山王下交差点すぐそばという好立地に佇む「赤坂AUTHENTICA」は、タバコを吸う女性の来店率が高い。昨今、若い女性の喫煙率が伸びているなか、早速、彼女達の店選びの心理を探るべく参加を要請する。プロジェクトの話をしたところ、「社会に対する飲食業界のマナーアップの一環としての活動」という趣旨には賛同したものの、実施するにあたり問題があるという。同店の場合、夜は「全面喫煙」なので「吸えます」という表示でいいが、問題はランチ。一応「空間分煙」なのだが、境界線を明確に設けずに喫煙者と禁煙者を左右に振り分けているため、表示することで“しっかり分煙していない”というクレームに繋がるのでは? という懸念だ。しかし同活動は分煙の精度を問うモノのではなくタバコに関する店内での環境を、外を歩いている人に伝えることが目的だという説明により、納得して参加することが決定。

■実際に表示した際の問題と感想

実施をしていくなか、アンケートの回収はなかなか難しいものの表示に関する問題は特になし。表示についてのメリット・デメリットを尋ねると、ホール責任者の木元さん曰く「まず店側目線の話からすると、表示をしたからといってオペレーションが楽になるということはありませんでした。ただ、お客様への告知という意味では、予約をしないで店を探しているような方々にとって“喫煙”“禁煙”というのは店選びのひとつの要素になりえますから。表示があった方が親切だと思います」と話す。デザインについては「やはり、表示をするのであれば店の雰囲気に調和するものがいい。責任者だけでなく現場の方とよく相談し意見を取り入れた方が良いと思います」(木元さん)

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