固定概念を覆す業態がやりたかった―イメージが固定されたもつ焼きに
「既存の業態イメージから、価値観をアップデートできるような店ができたら面白いなと考えていました」と金安氏。その中で業態を「もつ焼き」に定めたのは、「もつ焼き屋って、イメージが固定されているから」という。例えば、焼鳥であればミシュランの高級店から大衆価格のチェーン店まで様々なスタイルや価格帯の店が混在する。しかし、もつ焼きは「手頃な価格、赤提灯の大衆酒場」をイメージする人がほとんど。「だからこそ軸をずらしやすい」と話す。
物件探しでは、かつて金安氏が長く勤務していた「玉屋」の店舗が11坪25席の規模であったことから同程度の広さを条件とした。エリアは、都心すぎず「目的地」となれる街として、初台、幡ヶ谷、笹塚、そして下北沢に絞り込んだ。
最終的に契約したのは、下北沢駅から徒歩3分の場所にある11坪の物件。以前は住居として使われており、飲食店としては分かりづらい立地だが、金安氏は「目的地になる店を目指しているので気にしていない」と語る。決め手となったのは、あえて手を加えられていない床や壁、天井が持つ「経年変化の味わい」だった。
「食べログで全国のもつ焼き屋トップ20を見ると、ランクインしているお店はほとんどが老舗であり、それはもはや文化とされている店が多い。つまり戦う相手は”時間”だと思ったので創業は真新しい空間でやることよりも”時間”を味方につけたいと思っていました」と金安氏は話す。
店舗デザインは/NNN°の江野友里恵氏に依頼。同氏は、金安氏の古巣「つかんと」や、広尾「ブルーボトルコーヒー」を手掛けている建築デザイナーで、かねてよりお願いしたかったという。
「”もつ焼き屋”って圧倒的に男味が強い店が多いと思っていたので、女性らしさ溢れる江野さんにつくってもらうことで、もつ焼き屋のスタンスを残しながらも女性が来やすい空間にしてもらえると思いました」。金安氏からは「赤提灯の居酒屋とブルーボトルコーヒーの中間」とざっくりしたイメージを伝えつつ、「もつ焼き屋のルーツは闇市。ありものでつくったというニュアンスを残す」というアイデアを江野氏が付け加えていった。

席数は焼き台前のカウンター11席、テーブル10席、ペット同伴や加熱式たばこの利用も可能なベンチ5席の計26席。既存の質感を活かし、壁や床はほぼそのまま。奥のワインが置かれた棚は、もともと階段の一部だった構造を利用している
店舗データ
| 店名 | M2 (エムニ) |
|---|---|
| 住所 | 東京都世田谷区北沢2-33-11 アリゾナビル 2F |
| アクセス | 下北沢駅から徒歩3分 |
| 電話 | 080-3452-5175 |
| 営業時間 | 17:00~23:00、土日祝は15:00~ |
| 定休日 | 月(祝日なら営業、翌火休) |
| 坪数客数 | 11坪26席 |
| 客単価 | 4000円~ |
| オープン日 | 2026年7月19日 |
| 関連リンク | M2(Instagram) |

















