学生時代の飲食経験で受けた熱が冷めやらず、独立開業を目指す
池尻大橋駅を出て三軒茶屋方面へ玉川通りをしばらく進み、三宿交差点付近で、「SANKYU本店」と出合う。風にたなびく暖簾の中央には、何故か微笑むおばあちゃんの顔。「祖母の顔写真です。リスペクトを込めて」と、オーナーの谷口大輝氏はにっこり。言われて暖簾と見比べてみると、その表情には祖母の面影が見えるような気がする。
谷口氏は宮崎県出身。実家は、祖父・祖母の代で建設業、畜産業、不動産業など多様な事業を立ち上げ、両親がそれを引き継いだ自営業の家庭だ。9人兄弟の三男である谷口氏自身は、大学生の頃にアルバイトで飲食業を経験。卒業後は営業職に就くも、飲食の楽しさが忘れられず「自分自身の本当にやりたいことをやる」と、半年後に退職し、福岡・中洲のイタリアンバーで1年半ほど勤めた。
その後、弟と妹が東京で暮らし始めるのをきっかけに、自身も上京。「親からは半ばお目付け役のようなことを頼まれたんですね。そこで、『実家も継がなきゃいけないしなあ』といった考えが頭に浮かんで、東京でその準備をしようと思ったんです」。上京した谷口氏は、PCスキルを習得するために専門学校へ入学するが、そこでは悶々とした日々を送っていた。「営業職の時にもうっすら感じていたのですが、私自身『やらなきゃいけない』では続かない人間だということに気づいたんです。どうしても、身が入らない。でも、『やりたいこと』であれば力を発揮できる。では、やりたいことってなんだろう。好きなことってなんだろう。私にとってそれが飲食業だということに改めて気づきました」。心機一転、飲食の道を歩むことを決意した谷口氏は「WIRED CAFE」などを展開するするカフェ・カンパニー(東京都渋谷区、代表取締役社長:楠本修二郎氏)に就職。1年半ほど勤める中で、店舗経営のノウハウを学んだ。その後、独立開業に向けて本格的な準備を進めている中で出資を受け、2010年3月9日に1号店となる「STEAK&BAR SANKYU」を池尻大橋で開業。「サンキュー=感謝の意はもちろん、自分が9人兄弟の3番目ということも話題のタネにしようと、店名や開業日を39(サンキュー)にしました」。宮崎県で牧場を経営している兄から仕入れた宮崎牛を看板に掲げた肉バルで、たちまち近隣の人気店に。数年後には出資分を回収し、自社で店舗を買い取るに至った。
店舗データ
店名 | SANKYU本店 |
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住所 | 東京都世田谷区池尻3-30-4 池尻三宿ビル1F |
アクセス | 田園都市線池尻大橋駅から徒歩8分 |
電話 | 03-5432-9667 |
営業時間 | 18:00〜26:00 |
定休日 | 火曜 |
坪数客数 | 約10坪19席 |
客単価 | 4000~5000円 |
運営会社 | 株式会社SANKYU |
オープン日 | 2022年7月1日 |
関連リンク | SANKYU本店(Instagram) |