ロイヤルダイニングの「焼肉いのうえ」が立川に進出。生肉加工の許可を取得しユッケを提供、80坪の大箱で地域一番店をめざす

国分寺を中心に多様な業態で30店舗超を展開するロイヤルダイニング（東京都国分寺市、代表取締役：井上武夫氏）は、8月23日、東京・立川に「焼肉いのうえ 立川店」をオープンした。「焼肉いのうえ」は、A5ランクの黒毛和牛をウリとした、同社の代表的ブランドともいえる焼肉業態。予約のとれない人気店として名を馳せる渋谷店をはじめ、吉祥寺店、花小金井店などを展開している。その「焼肉いのうえ」ブランドが立川に進出。その店作りが注目される。

同店は立川駅北口から徒歩４分、「餃子のニューヨーク」などをはじめとする居酒屋などの店舗が立ち並ぶ繁華街に位置する。同時に至近には企業のオフィスも立ち並び、幅広い層の集客が望める立地だ。「このエリアは焼肉業態で目立つ競合がなかったため、チャンスととらえ出店に踏み切りました」と話すのは、同社本部マネージャーの田頭慎平氏。

同店は地下1階で80坪という広さを有し、同社の展開する焼肉業態の全８店舗のうち、最大級の規模だ。レンガや鉄を多用し、ガレージ風に設えた店内は全100席を配備。席ごとに壁で仕切られた空間で、個室も９室用意し、お客はまわりのお客を気にせずゆったりと食事を楽しむことができる。内装の見どころとしては、店内の一角に設置したウォークインワインセラーがあげられる。30種類以上のワインボトルがずらりと並び、お客はこれを見ながらワインを選ぶことも可能だ。また、同店は全席を禁煙とし、店内奥に喫煙ルームを設置しているのも同店の特徴。「時代の流れに合わせた店作りの一環として禁煙としました。これは『焼肉いのうえ』として初の試みです」と田頭氏は話す。

同店のなによりの目玉は、保健所から生肉加工の許可を取得し、「THEユッケ」（1296円）など、生肉を使ったメニューを提供していることだ。「厨房内に生肉加工のための専用室を設計し、95℃以上のお湯が出る蛇口の設置や、生肉加工専用にまな板などの器具を別途そろえるなどして、許可の取得に漕ぎつけました。コストや労力はかかりましたが、立川市内で生肉加工の許可を得ているのは当店のみだそうです」と田頭氏。生肉を提供できることを大きな強みに、他店との差別化を図る。このほか、メニューは「焼肉いのうえ」ブランドが誇るA５ランクの黒毛和牛が堪能できる「いのうえロース」（1382円）、「サーロイン 焼すき」（1728円）など、同ブランドでおなじみの看板メニューをラインアップ。そのほか、タン、霜降り肉、ハラミ、ホルモン、赤身肉など、部位ごとのメニューを各種取り揃える。立川店独自の商品としては、「レバームース」（626円）、「アイコトマトのカプレーゼ」（669円）、「上ミノとBIGマッシュルームのアヒージョ」（842円）など、アラカルトとしてバル風メニューも充実。「アラカルトは焼肉店らしかぬラインアップですが、“焼肉だけ”の店として認知されるのでなく、お酒に合うつまみも用意し、多様な利用動機に応えられれば」と田頭氏。前述のウォークインワインセラーに並んだボトルワインを筆頭に、アルコールも充実させた。「角ハイボール」（540円～）などハイボールを５品、「ザ・プレミアム・モルツ」（グラス648円、ピッチャー2376円）、サワー６品（561円～）、カクテルや焼酎、日本酒、「ソウルマッコリ」（グラス594円、デキャンタ1814円）などの韓酒がそろう。

現在、客単価は6000円で推移。ユッケなどの生肉メニューや、個室空間などの強みを打ち出し、今後は立川で一番の焼肉店として広く認知されることが目標だ。企業としても出店計画が続々と進行中。「当社の店作りの特徴は、スタッフが一丸となって店を作り上げていくこと。店長がコンセプトの策定を行い、スタッフ同士で話し合いを重ねながら進めていく。現在もいくつかの店舗でネタ作りを行っているところです」と、田頭氏は同社の店作りの強さを語ってくれた。国分寺を拠点とし、都内を中心に展開するロイヤルダイニングだが、今後、焼肉業態においても、同店をフックに立川の街でより存在感を放っていくであろう。

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