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2月6日、料理とワインのマリアージュに特化したフレンチ「L’AS」(ラス)がオープン! 「カラペティバトゥバ!」の初代シェフが南青山で新たに魅せる「進化」

白い壁面に店名がライトアップされ、店内から温かい光が放たれる
店内はデンマークの『noma』を彷彿とさせるシンプル且つデザイン性あふれる空間。厨房とダイニングの仕切りがなく、一体化しているのが特徴
コースからの一品、「フォワグラを包んだピジョンパネ フランス産プルロット茸のフリカッセ」。メニュー内容は2週間ごとに変わる
シェフの兼子氏(右)とシェフソムリエの田辺氏(左)。料理とワインの楽しみを、自由な発想で提案してゆく

(取材=瀬川 あずさ)


飲食店や雑貨店など、さまざまな業態の店舗がひしめく骨董通り。この通りを一本折れたところに、フレンチレストラン『L’AS』(ラス)は佇んでいる。オーナーシェフを務めるのは麻布十番『カラペティバトゥバ!』の初代シェフとして腕を揮ってきた兼子大輔氏。シェフソムリエに、キュベルイーズソムリエコンテストでも優勝経験のある田辺公一氏を迎え、「美味しい料理とワインを楽しむこと」に特化したサービスを展開している。2月6日にオープンしたばかりの同店であるが、最近は予約が後を絶たず、連日連夜にぎわいを見せているという。 兼子シェフと田辺氏が知り合ったのは約4年前。シェフがパリの『サンドランス』で働いていた時に、研修で渡仏していた田辺氏と出会う。そこでシェフが自宅で作った料理に、田辺氏が持ち込んだワインを合わせてみたのが、最初に挑戦したマリアージュだった。それ以来すっかり意気投合した彼らが、同店オープンを決めたのは去年の夏。そこからトントン拍子で話が進み、短期間のうちに夢が具現化されたという。 同店のメニューはランチ・ディナー共に5250円のお任せコースのみ。供する料理を統一することでコストを抑え、その分内容を充実させて完成度を高めている。コースの初番に登場する「カカオのチュイルで包んだ冷製フォアグラ」は、包んだフォアグラを手で食べることで触感も使って楽しむという斬新な一品。「熟成短角牛の塩釜包み蒸し焼き」は、焼き上げた直後の豪快な塊を客に見せることで、思いがけないサプライズを与えている。こうした、シェフの技術と感性を最大限に駆使したコースを2週間ごとに内容を変えて提供。「美味しい」にプラスアルファの要素を加えた、オリジナリティあふれる料理を提案していく。 ワインはフランスに限らず世界各国から厳選し、グラス900円~、ボトル4200円~というお手頃なラインナップ。グラスワインも10種類以上常備し、コースの各料理と合わせながらバイザグラスで楽しむことができる。注目のマリアージュは、フォアグラにハンガリーの甘口トカイ、マコモ茸にスモーキーなニュアンスを持つイタリアのガルガーネガなど。固定概念にとらわれず、料理の持つ香りや個性を大切にしながら、そこに自由な発想でワインを合わせていくという。ボトルのラインナップは120種にわたり、ブドウ品種ごとにリストされているのが特徴。品種別の分類にした理由は、「シンプルで誰もが分かりやすいから」。同店の明快なコンセプトがここにも反映されている。 木の温もりと柔らかな白色を基調とした内装は、シンプルさと、デンマークの話題店『noma』を彷彿とさせるデザイン性を兼ね備える。意表を突くのは、ダイニングと調理場との境が全く無い点。できあがった料理をシェフが自らテーブルまで運んでしまう程、客席との距離が近い。こうして表と裏の境界線を取り除くことで、作業効率を高めると同時に、ライブ感あふれる空間演出が可能となっている。 「上座も下座も関係なく、すべての席が一番テーブルになれる店がつくりたかったんです。フランスでそうしていたように、自宅に友人を招いたような感覚でお客様をもてなしたいですから」と、語る兼子シェフは、同店のロゴにも象徴されているようなエネルギーに満ちている。シェフソムリエの田辺氏も「現状に満足せず、お客様に心から喜んでいただけるような新しいプレゼンテーションを常に模索し、成長していきたいです」と意気込みを見せてくれた。純粋に、美味しい料理とワインを楽しむ……。レストランとしての根本的なあり方を追求し掘り下げていくことで、確実に根をはってゆく「L’AS」の今後の進化に期待したい。

店舗データ

店名 L'AS(ラス)
住所 東京都港区南青山5-16-5 MA FIVE1階

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アクセス 東京メトロ表参道駅より徒歩6分
電話 03-3406-0880
営業時間 平日17:30~L.O.22:30
日・祝日 17:30~L.O.22:00
土・日・祝日12:00~L.O.13:00
定休日 火曜日を中心に月6回程度
坪数客数 25坪・26席
客単価 9000円
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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