飲食店・レストランの“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

ヘッドライン

高田馬場で180坪月商3000万円の大繁盛店「Cafe Cotton Club(カフェコットンクラブ)」が10月17日に2号店開業!“学生街”で創業30年になる地域密着の名店が“ビジネス街”新橋に進出!

まるで映画のワンシーンに出てくるようなインパクトのある店内。左手のボックス席の前に“キャットウォーク”を設ける
店内の中程まで伸びた大理石の通路から見下ろすオープンキッチンの厨房。その活気あふれる調理風景が、お客の食欲をよりいっそう掻き立てる
日常利用からパーティー利用まで、さらにはちょい飲み利用にも対応する多彩なメニュー構成でお客を迎え入れる
マネジメント担当の茂串一平氏(右)と調理長の山下直也氏(左)。若い力で「Cafe Cotton Club」の新たな歴史を築いていく

(取材=印束 義則)


“老舗”とは、いったい何年以上の店のことを指すのか? その言葉の意味を辞書で調べると特に何年以上という記述はなく、「先祖代々の商売を守り繁盛している店」と言ったニュアンスのことが綴られている。実際、“老舗”と称される店の多くは創業100年、200年といった店が大半で、幾多の時代の荒波を乗り切ったしたたかなまでの強さからやがて威風堂々とした佇まいを身につけ、その結果、人々から“老舗”の称号を勝ち得ている。そうした反面、最近では創業20年、30年といったちょっとした古さの店にも“老舗”という言葉が安易に用いられているケースも少なくない。確かに現代は、「飲食店は10年持って一人前」と言われたかつての時代とは異なり、いまや店を10年継続させることさえなかなか困難な、一筋縄ではいかない激動の時代となってきている。さらには、時代とともにその言葉の持つ本来の意味に変化が生じてくるのも、また致し方ないところ。それならいまと言う時代に即し、“老舗”の持つ言葉の定義をもっと柔軟に捉えてもよいのではないだろうか? とは言うものの、20年、30年の店を“老舗”と呼ぶのは、やはりどこかしっくりこないのも、また事実。ならば、こうした例はどうだろう? 親から子へと引き継がれた創業30年の繁盛店の“暖簾”に安住することなく、さらなる発展を願って果敢に2号店に挑戦。地元での名声を確立したいま、下手な勝負に出ることなくしっかり現状維持さえできていれば、やがて何十年か後には“老舗”と呼ばれるかもしれない店の看板を攻めの姿勢で未来へとつなごうとするアグレッシブな経営。そうした意欲的な商いに期待を籠め、このような店を“ネオ・老舗”と新しくカテゴライズするのはいかがだろう? そう、180坪・240席で月商2500~3000万円を売上げる“学生街”高田馬場の名店「Cafe Cotton Club 高田馬場」が、“ビジネス街”新橋に開いた2号店。それが「Cafe Cotton Club 新橋」だ。 「Cafe Cotton Club 新橋」のオープンは2011年10月17日で、規模は79.8坪・100席。1号店の半分以下の規模で目標月商は2000万円を掲げており、現在の売上げは1500万円。まだ目標の数字には届いてないものの、損益分岐点は1200万円のため現在でも十分好調な成績と言える。今後の店の認知度の高まりとともに、さらなる伸びしろの大きさも大いに期待できるよう“学生街”から“ビジネス街”へ。一見、異なる立地での出店に見えながらも、実は1本の線でつながっているのが今回の2号店出店の興味深いところ。それと言うのも創業30年の歴史を経て、学生街・高田馬場で青春を過ごした多くの人たちが、いまやビジネス街・新橋にある企業で働くようになり、この地にはかつての常連客も少なくないという。そうした、若かりし頃に同店に通った熱心な常連客のリクエストに応える形もあり、新橋を2号店出店の場所に選んだのだった。 もちろん、出店理由はそれだけではない。ワンフロアの大箱という好条件の物件に出会えたことが、今回出店した何よりの理由でもある。大通りに面した入口から階段を下りて地下の店舗に入ると、そこには地上から想像もつかない広々とした空間が一面に広がる。フロアより60cm上げた大理石の通路が店内中程まで伸び、そこを通ると上から見下ろす形で右手に落ち着いた雰囲気のムーディーなバーカウンター席が、左手には活気あふれるオープンキッチンの厨房が目に飛び込んでくる。 巧みに計算された両側の“静”と“動”のコントラストが効果的に浮き上がり、客の高揚感を高めていく。そして、階段を3段下りフロアに降り立つと、右手には高級感あふれるソファ席とグランドピアノが設けられ、正面には天井高4mもの圧倒的な存在感を示すメインフロアが。メインフロアはさらに約40cm床を下げて段差を設け、一番奥の暖炉のある場所を基点に手前側に扇形に広がり、いくつものテーブル席が並べられる。お客はそのままメインフロアに下りてもよいが、今回、同店が趣向を凝らしたのが“キャットウォーク”の設置。キャットウォークとはアメリカのレストランなどに見られるフロアのまわりを一段高くした通路のことで、入店した女性がヒールの音をコツコツ立てながらそこを歩くと、その音につられて他のお客が思わず振り返る。そんな演出効果を狙った通路だ。同店では左手に20cm床上げしたなだらかなカーブのキャットウォークを設け、そこを優雅に歩いてメインフロアに下りられるようにすることで華やいだ雰囲気を作り出す。また、通路に面してメインフロア向きの半円形ボックス席を3つ配し、さらにその後方上部にはL字型とJ字型の2つのボックス席も設置。ボックス席はインパクトのある深紅の色合いに仕上げてゴージャス感を醸し出し、店内の雰囲気をグッと引き締めている。 こうした凝った造りは通常営業だけでなく、結婚式2次会などのパーティー利用も想定したもので、大理石の通路からキャットウォークを歩いて新郎新婦が入場する様は、祝いの席を大いに盛り上げる効果を生み出す。150インチの大型プロジェクターや、グランドピアノ、ドラムセット、ウッドベース、ギター、ベースアンプ、マイク、ウーファーサウンドなど各種楽器・機材を無料で貸し出しており、立食で最大180人を収容。本格的機材で音楽を奏でながら、飲み、語らい、祝う。盛大なパーティーを思いのまま開くことができる。JR新橋駅から徒歩2分という交通至便の立地も大きな武器となり、銀座、東京、有楽町、汐留、お台場など、付近の主要エリアで結婚式を挙げた人たちの2次会利用の取り込みを狙う。“ウェディング”に関しては高田馬場の店ですでに高い実績を上げており、ここ新橋においてもそうした得意分野をフルに生かすことで経営の安定化を図っている。 料理はイタリアンを提供し、幅広い客層に対応可能なメニュー構成を採用する。中でも売り物とするのが、一頭買いで仕入れる長野・安曇野舞豚の料理。安曇野舞豚は添加物を一切使用しない飼料とリンゴ、ゴボウなどを餌に24時間放牧で育てられた健康的な豚で、肉質もしまって、その味わいはジューシー。そうした安曇野舞豚を「安曇野ポークのコトレッタ」(1280円)や「安曇野 舞豚肩ロースのグリル」(1580円)などの料理に仕立てて供する。また、各種ピッツァやパスタ、メインディッシュ。さらにはオリジナルの石焼きリゾットや250円の前菜、480円のタパスなども取り揃え、じっくり食事を楽しみたい人からちょい飲み利用の人まで幅広いシチュエーションに対応する。営業時間は午前11時から翌朝4時30分の長時間に渡り、核となるランチやディナーだけでなく、ティータイムや深夜のバータイムにも力を入れることで新橋の地にしっかりと根づいた商いを実践。夜の客層は男女グループ客4割、女性客3割、カップル客2割、男性客1割の構成に。全体の男女比は女性が6割を占めるが、新橋という立地を意識して男性同士でも来やすいように、「牛すじと白モツ煮込み」「マグロのカルパッチョ ジャポーネ風」(各480円)といったメニューもそろえる工夫も。年齢では20代後半~30代を中心に、幅広い世代のお客を取り込んでいる。 同店を経営するのはイントロ(東京都新宿区、代表取締役:茂串邦明氏)で、高田馬場と新橋に大箱の「Cafe Cotton Club」を出店する他に、高田馬場において「jazz bar intro」(10坪・23席)、「和食 もめん屋」(26坪・50席)、「酒菜工房 きぬ屋」(25坪・45席)を展開。同社と飲食店との関わりは、もともと37年ほど前に代表取締役の茂串邦明氏が20代前半の若さでジャズ喫茶「jazz bar intro」を開いたのが始まり。その後も時代に合わせていくつかの飲食店を開業し、また業態転換なども行ないながら現在の店舗数となっている。いまや「高田馬場で知らない者はいない」と言われるほど地域に根づいた「Cafe Cotton Club 高田馬場」も、最初は60坪ほどの地下店舗のみの店であった。それが8年前に建物の1階、2階部分が空いたことからここも借り受け、従来の3倍もの規模の3フロアの大型店舗へと拡大。ウェディング営業もよりいっそう強化しながら、前述のとおり月商2500~3000万円もの怒濤の繁盛を築き上げている。現在は茂串邦明氏の子息の一平氏が前線に立ち、同社を牽引。 さて、“老舗”の定義だが、100年、200年と時代の荒波をものともせず、何ら変わることなく存在し続けるからこそ“老舗”なのか? それとも時代の空気感を敏感に感じ取り、それぞれの時代と上手につき合うことでたくましく生き延びるからこそ“老舗”なのか? その解釈はまさに人それぞれであろう。現在、茂串一平氏は26歳。父が店を創業した時とほぼ同じくらいの年齢である。父がここまで拡大した店の暖簾を単にそのまま引き継ぐのではなく、さらなる将来を見据えながら新たな可能性に果敢にチャレンジしている。かつて“学生街”高田馬場で青春を謳歌した客が30年の月日を経て、いまや“ビジネス街”新橋で第一線に立ってバリバリ働く現実。まさに「Cafe Cotton Club」の高田馬場と新橋の店は“過去”と“現在”の2つの時代をつなぐ、確かな道標でもある。高田馬場は高田馬場の、新橋は新橋の、それぞれ地に根づいた商売の在り方がある。そして、その商売を全うすることで、これからも地元の人たちから末永く愛されるなくてはならない店として、その役割を果たしていく。30年の歴史の“ネオ・老舗”から、さらに100年、200年先にある揺るぎなき“老舗”へ……。「Cafe Cotton Club」は確かな商いを繰り返しながら、これまで同様、年輪を重ねていくに違いない。そうした地道な積み重ねがあって初めて得られるもの。それが“老舗”の称号と言えるだろう。“老舗”とは、まさに客と店とが永年に渡って共同で作り上げる、何よりの賜物なのである。

店舗データ

店名 Cafe Cotton Club 新橋
住所 東京都港区新橋2-6-1 さくらビルB1階

 >> GoogleMap見る

アクセス JR新橋駅、地下鉄内幸町から徒歩2分
電話 03-3504-2111
営業時間 11:30~翌4:30(L.O.翌4:00)
定休日 無休
坪数客数 79.8坪・100席
客単価 昼850円、夜2500~3000円、深夜2000円
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

ヘッドライン一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集
Copyright © 2014 FOOD STADIUM INC. All Rights Reserved.