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全国の個性派クラフトビアが味わえる「CRAFT BEER MARKET(クラフトビアマーケット)」が2月24日、西新橋にオープン!

これからの暖かい季節は引き戸を全開にし、テラス席が登場。一層活気に溢れそうだ
ずらりと並んだビアサーバーをじっくり眺めるなら、やはりカウンター席がお薦め
常時約30種のクラフトビア。250mlのグラスなら数種類の飲み比べも出来そうだ
イタリアン、フレンチをベースにしつつも、カジュアルでひとひねりある独創的な料理

(取材=小野 茜)


2月24日、西新橋に“生のクラフトビア”にこだわった、その名も「CRAFT BEER MARKET(クラフトビアマーケット)」がオープンし、界隈のビジネスマンを中心に、賑わいをみせている。同店のオーナーは田中 徹さん、30歳。「キュル・ド・サック」や「ギョバー」などを展開するアイディーで5年間勤務し、マネージャーとして店舗運営や経営ノウハウを学び、独立。以前から描いていたビジョンを実現させるべく、今回の出店に至った。 田中さんが飲食に興味を持ったきっかけは、学生時代に遡る。焼酎ブームに沸いた当時、毎晩通いつめた店で、飲食には“人を楽しませる、幸せにさせる力”があることを体感したという。卒業後は一般企業に就職するも、やはり「飲食店を出して独立する」という夢を抱き退職、アイディーへ転職した。ビールとの出会いも、同社がきかっけだ。オフィス街を中心に展開をしていた同社の店舗では、やはりビール需要が大きかった。そこで生ビールの扱いを覚え、管理するうちに、自身のビール熱も高まり、様々なビアパブをまわり研究したという。その中で「一部のコアなファン層だけでなく、誰もが訪れて楽しいビアパブをつくり、より多くの人にクラフトビアの美味しさを知ってもらいたい」そう思い描くようになり、これを軸に妥協しない店づくりに挑んだ。 日本での“クラフトビア”=小規模醸造のビール消費は極めて少ない。というのも、そもそも小規模醸造が日本で解禁になったのは、1994年。以降、その地で造られた日本酒を“地酒”と呼ぶように、各地で造られたビールを“地ビール”と謳い、新たなカテゴリーとして、小規模醸造所=マイクロブルワリーで造られた“クラフトビア”が売り出されるようになった。つまり、歴史が浅い。加えて、日本では生ビールの管理方法等に関して、未だ十分な整備が行き届いていない。田中さんは、品質管理などで進んでいる米国のBEER PUB協会を手本に、洗浄方法や温度管理などを学び、独自の管理体制を築いているという。そんなハンデキャップのある環境でも、良質なクラフトビアの認知拡大、消費量アップに貢献することで、日本のマイクロブルワリーを支える一端を担えたら、そんな想いを抱いた時、田中さんはある人物と出会った。それが、ラフ・インターナショナルの堀さんだ。世界中のビアパブを熟知する堀さんの仕事は、ブルワリー設備の買付け。その堀さんが今回、ビールの管理、設備設計等、同店でのクラフトビアのサーブに関するプロデュースを行ない、壁一面に“ビアサーバー”という特徴的なバーカウンターが完成した。まさに店の心臓部分といってもいいそのバーは、堀さんと田中さんが交わることで誕生した。 そのバーをうまく活かすように、客席サイドは田中さんが演出。“座っても立っても、お好きにどうぞ”というように、程良い高さのテーブルと、シンプルだが温もりを感じる椅子を配置。これは沼津の「ベアードビール」醸造所の近くで営む大工さんが1つ1つ手作りしてくれたそうだ。 常時約30種ある生ビールのうち、25種以上がクラフトビア。常に鮮度の良い状態で提供できるよう、10~15リットルという小ロットで各ブルワリーから直送している。そのラインナップの一部は、WEIZENの「富士桜高原 ヴァイツェン(山梨)」やALE BEERの「ニード クリームエール(東京)」、PILSNERの「鬼伝説 青鬼ピルスナー(北海道)」、BLACK BEERの「伊勢角屋 ナッツブラウンポーター(三重)」といった具合だ。他にも、女性に大人気のFRUITS、SEASON BEERの「ブルーマスター あまおうノーブルスイート(福岡)」「ハーヴェストムーン 赤ぶどうのエール(千葉)」などがある。一方、男性に人気があるのはビター感が際立つIPA(INDIA PALE ALE)の「志賀高原 インディアンサマーセゾン(長野)」や「アウグスビール Toshi’s IPA」などである。これらをグラス480円、パイント780円という驚きの安さで提供しているのは、「クラフトビアラバーの間口を広げるため」とオーナーの田中さんは言う。 ビールに合わせる料理は、全て料理長の枡田 祐二さんが考案している。枡田さんと田中さんはアイディー時代から互いをよく知る信頼のおける仲。この出店のタイミングに合わせて、故郷の北海道で仕事をしていた枡田さんを口説き、料理長として東京へ呼び戻した。そのメニューは、スパイスとハーブを巧みに使ったヨーロッパ家庭料理を、ビールとの相性を考え独創的にアレンジしたとでも言うべきだろうか。たとえば「白ビールに合う洋風茶碗蒸し」(600円)や「自家製ギリシャ風ピクルス」(600円)「半熟玉子とアンチョビマヨネーズ」(450円)などのサイドディッシュをはじめ、魚料理では「ブリのオーブンパン粉焼き」(700円)や「エビのガーリックオイル煮」(700円)、肉料理では「ミラノ風ポークカツレツ」(800円)や「牛ほほ肉のクラフトビール煮」(1400円)など、枡田さんのアイデアが盛り込まれた料理が揃う。そのため、当初は2軒目利用や、お酒中心の利用客を想定していたそうだが、「食事もビールも、どちらも楽しんでくれるお客様が多くて」と田中さん。嬉しい誤算が、枡田さんの料理の美味しさを裏付けている。 「今までどこにもなかった新しいスタイルのビアパブとして、オフィス街のビジネスパーソンに活力を与えるクラフトビアと料理を提供します」との意気込みで、まずは1店舗目を軌道にのせ、近く2店舗目もオフィス街での出店を視野に入れて取り組んでいるという。 個性あふれるクラフトビアの魅力を知れば、「とりあえずビール」という合言葉を聞くことも少なくなるかもしれない。今後ますます注目を浴びる店となりそうだ。

店舗データ

店名 CRAFT BEER MARKET
(クラフトビアマーケット)
住所 東京都港区西新橋1-23-3
S.A.グレイス1F

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アクセス JR、地下鉄 新橋駅より徒歩7分
地下鉄 虎ノ門駅・内幸町駅より徒歩3分
電話 03-6206-1603
営業時間 ランチ 11:30~14:00(L.O.13:30)
ディナー 17:00~23:30(L.O.23:00)
定休日 土日・祝
坪数客数 19坪・30席(テラス10席)
客単価 3200円
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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