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シーフードバルの先駆、アイロム森山氏が新店「サカナバル都立大駅」をオープン

店舗デザインは既存店を手掛けたデザイナーを信頼し一任した。店名はデカデカと書かず、入り口左手の小さな照明に小さく文字をのせた
これまではポップな店づくりを行ったが、今回の店はムーディーに仕上げた。また、大人志向の街に合った雰囲気を意識
土鍋ご飯は、季節や仕入れによって魚の種類を変える。写真は、函館産穴子。2~4人で取り分けるのによい量
手前は「初鰹のカルパッチョ」。ワインは「キャンベルアーリーロゼ」(ボトル4200円)。魚には白と言われるがロゼを合わせるのをおすすめ中
写真右が屋比久貴彦氏、左が森山佳和氏。オリジナルのTシャツを着て仲良く立ち働く

(取材=木村 悦子)


恵比寿、六本木、川崎の地で、地域に愛される人気店として「サカナバル」という独自業態を展開してきたアイロム(東京都渋谷区、代表取締役:森山佳和氏)が、6月20日にグループの新店「サカナバル都立大駅」をオープンした。「サカナバル」は魚介専門のメニューに特化したシーフードバルで、料理とワインが楽しめる。調理法を限定せず、和・洋・中その他多様なテイストを取り入れ、個性的な料理を提供する。

代表の森山氏は前職の飲食企業で12年、エリアマネージャーとして手腕を発揮。そうした中で経営ノウハウを蓄積し、かねてより「魚」に特化した洋業態に活路を見出し独立。2012年に、恵比寿でシーフードバル「サカナバル」をオープンした。新鮮な魚介でワインを気軽に楽しめると人気を博し、地域に根差した堅実な運営で着実に店舗展開を進めてきた。新店の立地を都立大学に決めたのは、リサーチなどせず「まったくの偶然」。出店経費に見合う店舗がたまたまこの地に見つかったとのこと。これまでの店も集客に対しての気負いはなく、とにかく「街に溶け込む」店づくりだけを意識してきた。

当初同店の立ち上げに際しスタッフに魚に詳しいスタッフさえいなかったが、取締役の屋比久(やびく)貴彦氏が築地に通いはじめ、驚異の速さで魚のプロとなった。シーフード専門のバルを名乗る以上は、極端に言えば「魚しか使えない」といった絶対的なルールがある。その中で、あらゆる工夫を重ねてきた。逆にとらえれば魚さえ使えば何をしてもいい、そしてお客の印象に残るメニューを提供することをモットーとした。メニュー開発において大事にしたのは「魚をおいしく食べてもらうこと」。その一点のみを追求し、その結果、既存店とメニューが重なったとしてもよいと判断した。すると既存メニューの原型がないほどに目新しいメニューの登場となった。「初鰹のカルパッチョ」(950円)、「塩さばのタンドリー」(780円)、「函館産穴子の土鍋ご飯」(1800円)など、“サカナバルの進化系”ともいえるメニューがラインナップしている。

ドリンクのメインはもちろんワイン。しかしフランスやイタリアの銘柄は、専門のワインバルに任せるという考えで、真っ向勝負することは避けた。南米ならばチリやアルゼンチンでなくメキシコやブラジル、ヨーロッパならモルドバやルーマニアなど、ちょっとひねった産地をチョイス。知名度は高くはないが、スタッフやお客からの評判は上々。また、ロゼワインにもこだわっている。同店のジャンルレスの料理、変化球の料理など、何でも合わせられる無難さが決め手だ。店で一番価格の高いボトルワインはロゼ「シャトー・ミュザール ロゼ 2008」(9580円)であることからもロゼ推しがうかがえる。

今後の展望を森山氏に問うと、「いい物件があれば随時新店は考えています。店舗展開は、共通の思いを持ったスタッフの成長を促すという目的もあるからです。ただ、こればかりはタイミングやご縁があってのこと。目先の勘定や杓子定規な計画は考えていないんですよ」と自然体だ。代表の森山氏自らも、数か月から半年は店に立ちスタッフと現場を目で見て、ともに働くことにも意味があると考えている。人と人を結ぶ出会いの場を提供し、「よい店」イコール「使える店」をコンセプトに掲げる同社らしく、人を大事にする思いを滲ませる。

店舗データ

店名 サカナバル都立大駅
住所 東京都目黒区中根1-2-6

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アクセス 東急東横線都立大学駅から徒歩2分
電話 03-6421-4181
営業時間 ランチ12:00~15:00、ディナー17:00~24:00、【土日祝】12:00~24:00
定休日 なし
坪数客数 26坪・40席
客単価 3500円
運営会社 株式会社アイロム
オープン日 2018年6月20日
関連リンク サカナバル都立大(FB)
関連リンク サカナバル グリル
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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