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VINOSITYブランドを展開するシャルパンテ藤森氏が銀座・コリドー街に出店。2015年12月7日、ペアリングの新たな境地を開く、イノベーティブ・フュージョンレストラン「cenaculum(チェナクルーム)」がオープン

店内に入ると目に飛び込んでくるのは、食事への高揚感を煽るガラス張りのワインセラー
ビル最上階にある夜景が楽しめる店内は、窓にそってテーブル席やカウンターを配置。また中2階的にロフトにもテーブル席がある
こだわりの食材のひとつ、尾崎牛を使ったメインディッシュは月により、調理法を変えて登場するようだ
コース料理をしめくくる「デザート」は、アヴァンデセールとグランデセールの2種類が楽しめるのもうれしい(写真は取材時のもの)
シャルパンテ代表取締役の藤森真氏。これまでのヴィノシティ各店とは異なる藤森氏の新たな世界観が味わえる店となった

銀座コリドー街のなかでも新橋駅寄りに建った新しいビル「GINZA TOKIDEN」に、昨年12月7日、ネオ・フュージョンな料理を提供するレストラン「cenaculum(チェナクルーム)」がオープンした。オーナーはVINOSITYブランドを展開するシャルパンテの代表取締役 藤森真氏。藤森氏といえばこれまで、ソムリエとしてのキャリアを活かしてワイン愛飲者の間口を広げようと、カジュアルワイン業態を仕掛けてきた人物であることは言うまでもなく、2011年に独立以降、ワイン居酒屋3店舗、ワインショップ2店舗、ワインスクール1校を運営、ワイン輸入業なども行うワインブームの牽引役ともいえる存在だ。その藤森氏が今回オープンしたのはVINOSITYブランドではなく、ワインをメインにした業態でもない。実は独立当初から「本当にやりたかったお店」と語るファインレストランがこの「チェナクルーム」だ。

店が入居するのはビル最上階の10階。エレベーターを降りると真っ先に目に飛び込んでくるのは壁面に設置された店名とロゴのサイン。店名の「チェナクルーム」はラテン語で、その単語にはいろいろな意味が含まれるらしい。「ディナーレストラン」や「屋根裏」「ペントハウス」「高層・上方」というように、ラテン語を語源とする各地域ではそれぞれ異なる意味合いでこの単語を使っているそうだが、いずれもこのレストランには相応しい意味を持っている。一方ロゴデザインは、繊細な曲線で“洋なしが重なり合う様”が描かれているのだが、同店のコンセプトを聞いてその謎が解けた。アルコール、ノンアルコール問わず、またアルコールのジャンルも限定せず、料理と飲物のペアリングを追求し、食べる愉しみの幅を広げるというのがこの店において最も大切にされていることだ。「ペア=Pair=Pear=洋なし」。店のロゴと名前には、お客様への大事なメッセージが隠されていた。

内装はスッキリとシンプルにまとめられている。テーブル、チェア、ランプなどインテリアや調度品はいずれも美しいフォルムが特徴的で、目立った色味を使わないミニマリズムな設え。それゆえレストラン本来の目的を満たす、料理や人が“主役”になる空間といえる。アクセントとして添えられているものを挙げるならば、ここから見える「夜景」だろうか。界隈には背の高いビルが少ないため、東京タワーや国会議事堂などが建物の合間から顔をのぞかせている。超高層から眺めるようなド直球ではない控えめな夜景は、大人が多いこの街とも相性がよさそうである。店内には、入口付近にワインセラー、バーカウンターが並び、メインフロアには窓に向かって横並びに座ることができるカウンター席と、通常のテーブル席を配置。またロフトにもテーブル席があるので、少し高い位置からの眺望が楽しめる。さらに店内の奥には8名まで入れる個室が1室用意され、店のエントランスから直結する別入口もあるため、プライバシーも守られるように設計されている。

料理は現在「5800円のコース料理」が1本のみ。アミューズ2品、前菜、メインディッシュ、アヴァンデセール(サブデザート)、グランデセール(メインデザート)もしくはフロマージュ、ミニャルディーズ(小菓子)の計7品。メニューの構成方法はフランス料理に則っているが、和食やそれ以外の要素を織り交ぜるイノベーティブ・フュージョンと説明するのがニュアンスには近しいものがあるが、決して型にはまるようなスタイルではなく独創性に満ちている。例えば取材日のメニューでいうと、豚骨ラーメンにインスパイアされたフランが出てきたり、メインの白身魚のガルニチュールにはピクルスのように仕立てた漬物が添えてあったりと、サプライズともいえるオリジナル性は他では味わうことができないだろう。フレンチ、和という料理の垣根をいとも簡単に超えてくる斬新で大胆なMIXEDスタイルには驚かされる。料理は、「シェ松尾」や「リストランテASO」などでのキャリアを持つ原田和樹氏がシェフを務め、腕をふるう。食材の仕入れはVINOSIYグループの他店と同じように無農薬であったり、想いのある生産者さんを選定して調達しているが、同店ではよりハイグレードな食材を使用したり、希少性の高い部位にこだわることで既存店と差別化を図っている。例えば牛肉には、幻とも謳われる宮崎の尾崎宗春氏が育てる「尾崎牛」を仕入れ、生産者の想いがしっかりと伝わる料理に仕立てるなど、イートグッドとガストロノミーを追求している。


飲物は200種ほど揃えたワインをベースに、日本酒や焼酎も季節に合わせて5種ずつほどセレクトしているが、今回のペアリングでこだわっているのは、出された料理に「何を合わせるか」ということより、「どう合わせるか」を探究している。もちろん、どのお酒を選ぶかも重要だが、ペアリングの楽しみはそれだけではない。ボルドーとブルゴーニュでワイングラスを使い分けるように、日本酒も酒器によって香りの立ち方や飲み口、口当たり、味わいなど、驚くほどに変化するため、料理を食べ進めるたびに新たな発見と出会えるのだ。ワイングラスのようなガラス器、有田焼や唐津、伊万里などの焼き物類、あるいは錫からつくられる富山の「能作」など、異素材の猪口で料理ごとにペアリングを楽しめば、1種類のお酒でも何通りもの味わいが体験できてしまう。自ら買い付けに足を運んで選んできた猪口は、どれも職人の手仕事によってひとつずつ丁寧に作られるため、絵柄が微妙に違っていたりもしてアートとしての価値も高く、酒器を手に取る楽しみも感じられる。

もちろん自身の好みによって、自分なりのペアリングを追求するのもありだが、店側がその日の料理に合わせて提供してくれるドリンクのコースも、「アルコール」・「ノンアルコール」ともに用意されている。乾杯のシャンパーニュから始まっても、豚骨にインスパイアされたフランには、焼酎と抹茶で作ったカクテルにフレッシュなレモンを添えたソムリエオリジナルの爽やかな一杯が出てきたり、一般的に食前酒として飲むことが多いキールロワイヤルをデザートと一緒に勧めてくれたり、はたまた食後には抹茶を点ててくれたりと、食事の愉しみ方に奥行きのある演出が止まらない。定説的なペアリングの手法とは全く異なる軸で、自由に、ゼロベースの発想でマリアージュを提案してくれるところに、唯一性を感じる。料理や飲み物を含めて目の前のひと皿としっかり対峠する「食べ方」へのこだわりは、藤森氏の熱意を感じられる箇所であり、「マインドフルイーティング」の提唱に近しいものがある。

「チェナクルーム」はあくまでこの立地に合わせた業態だが、ファインレストランの展開は今後も検討しており、それは国内のみならず海外・パリ等への出店も視野に入れているという。良きものを食べることを当たり前にしながらも、食べる行為そのものに価値をおくことは、今後ますます時代から求められるようになりそうで、これからの藤森氏の仕掛けからも目が離せない。

(取材=編集部)

店舗データ

店名 cenaculum(チェナクルーム)
住所 東京都中央区銀座8-3-1 GINZA TOKIDEN 10F
アクセス JR新橋駅 銀座口より徒歩4分
東京メトロ銀座線 新橋駅より徒歩3分
都営地下鉄浅草線 新橋駅より徒歩5分
東京メトロ丸ノ内線 銀座駅より徒歩5分
電話 050-2018-2414
営業時間 17:00〜23:00
定休日 第1・3土曜、日曜、祝日
坪数客数 28坪・33席
客単価 8000円
運営会社 株式会社シャルパンテ
関連リンク シャルパンテ(HP)
関連リンク チェナクルーム(HP)
関連リンク チェナクルーム(FB)

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