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コラム

「ウエスト新橋エリア」が熱くなってきた!

新橋に注目が集まっている。駅前「烏森エリア」には新旧の飲食店がひしめき、しのぎを削っているが、いま新たな胎動を見せているが日比谷通りと桜田通りに囲まれた新橋~虎ノ門間の「西新橋一丁目」。さらに2013年には新橋の表参道"といわれる「公園道路」も開通する。"

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


「ウエスト新橋」とでも呼べばいいのか、日比谷通りと桜田通りに囲まれた新橋~虎ノ門間の西新橋一丁目エリアがいま熱い。個性的な飲食店が次々にオープンしている。2月24日、西新橋一丁目にオープンしたのは、生ビール30種類を揃える「CRAFT BEER MARKET(クラフトビア マーケット)。クラフトビール(地ビールの生)を気軽に楽しく飲んでもらうというのがコンセプトで、カウンターバックには蛇口のような小さな生サーバーが30本並ぶ。そこから注がれるのは、まさにフレッシュな“産直ビール”だ。静岡の「ベアードビール」、大阪の「箕面ビール」など全国のブリュワリーからクール宅急便で随時入荷している。オーナーの田中徹さんが「東京で最も多くのクラフトビールを最も安く出したい」と言うように、グラスは480円、パイント780円均一で提供している。料理もガッツリ、しっかりの本格派。ワインバル、日本酒専門店に次ぐ「価値軸型」のビール業態の登場だ。3月7日にやはり西新橋一丁目にプレオープンしたのは、真っ赤な内装が印象的な「バル吉パスタバル」。青山にある「吉田パスタバー」( 正確には「青山Casa Yoshida Pasta Bar 葡萄酒場&tapeo 287st.」)の2号店として誕生した。がぶ飲みワインと旨いパスタがコンセプト。“オヤジの街”新橋には珍しいスタイリッシュなバルである。3月8日には、これも西新橋一丁目に「朝挽もつ焼 芝浦本家」がオープン。FCチェーンの「陳麻家」が業態リニューアルした。間口が広く、大衆酒場的なオーラを通りに放っている。これを仕掛けたプロデューサーは、日本居酒屋協会の山本浩喜理事長。「本家」とあるのだから、「筑前屋」と同様にFC展開を狙っているのだろう。いずれにしても、ニューオープンが相次ぐ「ウエスト新橋」。なぜ、いま注目されるのだろう。それは、駅前烏森エリアは出店競争が激しく、いわば“レッドオーシャンエリア”。それに対し、こちらはまだまだ物件があり家賃も安く、個性で戦える“ブルーオーシャンエリア”だからだ。「新橋駅前は苦手」という虎ノ門OLも、西新橋なら安心して飲食できる。私は、この「ウエスト新橋」に新たな胎動を感じる。やはり個性的な店が立ち並ぶ東銀座エリア、西新宿七丁目に次ぐニュートレンドエリアと言えるだろう。新橋と虎ノ門をつなぐ「ニュー(新)トラ(虎)エリア」と名付けてもいいのではないか。ここは伝統的な官庁街からマンションなどが建ち始めた「ニュートラディショナルエリア」でもある。さらに、この周辺が注目されるのは、電通・日テレのある汐留シオサイトと“虎ノ門の六本木ヒルズ”といわれる森ビルの新愛宕高層ビルをつなぐ「公園道路」が2013年に開通すること。全長760メートル、幅40メートルの道路には街路樹が植えられ、片側12メートルの歩道にはオープンカェが立ち並ぶ構想。いわば“新橋・虎ノ門エリアの表参道”にような光景が誕生するかもしれないのだ。道路を挟むようにして中層のマンションや商業ビルが建ち、その路面には飲食店やブティックがオープンする日が来る。そんな夢のような新ストリート構想があるのだ。ウエスト新橋・ニュートラエリア、まさにこれからの発展に目が離せないのだ。

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