スペシャル企画

間違いだらけの求人募集や面接方法に、飲食採用支援のプロが物申す!多くの人材が集まる飲食店の秘訣とは?~採用戦略研究所インタビュー~

採用戦略研究所(大阪府大阪市)は、人材業界では珍しい飲食店に特化した採用支援サービスを提供する企業だ。今回は20年以上の飲食の現場経験を持つ同社・執行役員の妹尾友弘氏にインタビュー。多くの飲食店の採用活動に関わる中で、採用のコツや最近の求職者の傾向について聞いた。


採用戦略研究所(HP)

採用戦略研究所 サービスページ

話を聞いた、採用戦略研究所・執行役員の妹尾友弘氏。飲食企業約40社の採用支援に携わってきた

「応募が来ない」「面接に来ない」解決するコツは?

―本日はよろしくお願いします。まずは妹尾さんについて教えてください。

妹尾氏:よろしくお願いします。私自身が飲食店の現場で働いていたことがあり、現在はその経験をもとに飲食店の採用サポートをしています。私が在籍していたのが、関西や東海で飲食店を展開するイコン(京都市下京区)。創業店の立ち上げから35店舗になるまでの20年以上、現場の店長から業態開発、本部まで幅広い業務を行ってきました。もちろん採用にも携わり、300人以上の中途採用の面接を行ったこともあります。

採用戦略研究所では、採用にまつわる幅広い業務を、飲食店に特化した形で提供している

―人手不足の昨今、飲食店からはどんな悩みやニーズが聞かれますか?

妹尾氏:飲食店からよく聞かれる採用の悩みは大きく2つ。一つは「応募が来ない」。もう一つは「面接に来ない」です。逆にこの2つさえクリアしてしまえば採用はできるのです。まずは応募してもらうこと、そして面接に来てもらうことが課題になっています。

―確かに、「募集をかけても全く応募が来ない」や「面接の約束をしたのにブッチされた」と嘆くオーナーは多いような……。

妹尾氏:まずは「面接に来ない」問題について。面接の約束をしたのに時間になっても求職者が現れず、その後も音信不通になる。飲食店あるあるですが、多くの人は「求職者が悪い!」と考えがちです。ですが、いったん「自分達に原因があったのではないか」と振り返ってみると、同じことの繰り返しは防げるかもしれません。まずは求職者の立場に立ってみましょう。多くの求職者はあなたの会社だけでなく、同時に何社にも応募していることがほとんど。転職サイトに登録すれば日々たくさんのスカウトも受け取ります。そんな中で対応が遅いと求職者の中で優先順位が下がり、後回しになってしまう。具体的にはメッセージの返信が遅ければ先に他の企業の面接が決まってしまい、結果、面接の日にはすでに別のところに内定が出ており、約束を忘れてしまう…という状況です。採用活動では、応募があったら即レスする、面接の日程はなるべく早くに設定する、などスピードが命なのです。これだけで面接のキャンセル率はだいぶ下げられるはずです。

「アットホームな職場」「接客に力を入れている」「料理はすべて手作り」それNG表現!

―「応募が来ない」についてはいかがでしょうか。

妹尾氏:どんな人材を採用したいのか、まず「ターゲット像」を明確にし、そのターゲットに刺さるような求人の出し方をしていますか?例えば「アットホームな職場です」「接客に力を入れています」「料理はすべて手作りです」……など求人広告でよく見かける文言ですが、これらは実際に多くのお店に当てはまること。この表現が悪いわけではありませんが、差別化できておらず、求職者の興味を引くことは難しいです。にもかかわらずこういう表現が氾濫してしまうのは、ターゲット像が明確になっていないから。求人広告の制作を代理店に任せる場合も、代理店が飲食業に対する知見が浅いとこのような表現をしてしまいがちです。お店の魅力やどんな人材が欲しいのかを深く掘り下げ、言語化していくことが大切です。この点、飲食店に強い当社は得意とするところです。ところで、私からすると「業態開発」と「人材採用」は根っこでは全く同じなんですよ。

業態開発と人材採用の意外な共通点

―というと?

妹尾氏:飲食店の皆さんは、お店を新規出店する際、まずはターゲットを考えて業態を考えますよね。そのエリアにどんな人が多いのか、求められているものは何か、他の店にないウリは何か。それをかたちにして伝えることで、お客様が来店します。採用活用も同じで、どんな人に応募してほしいのか、うちの店で働く魅力はなんなのか。それをしっかり伝えることで初めて欲しい人材から応募があるのです。この点で、求人募集も集客も同じ。ターゲットを定めて、アプローチする。集客はうまくいくけど採用がダメという会社は、それに気づいていないだけなんです。

―なるほど。考え方ひとつでだいぶ結果は変わってきそうですね。応募があって面接に来てもらったら、次は採用となりますが、そのポイントはありますか?

妹尾氏:ズバリ「モチベーション形成」が最重要です。最初にやるべきことは、こちらが求職者を選考することではなく、求職者に自社について知ってもらい、「ここで働きたい!」というモチベーションを高めること。求職者を見定めるのは、その後で遅くありません。

まずは自社を知ってもらうことから。選考するのはその後!

―確かに、求職者は応募する会社のことを完璧に理解していることは多くないですよね。

妹尾氏:以前、採用に困っていた社長がいたので、原因を探るため面接の様子を見させてもらいました。そうしたら社長は、自社の説明をするまでもなく最初から高圧的に「なんでウチで働きたいの?」と上から目線。求職者もうまく答えられず、あげく社長は「そんなんじゃダメだ」と説教をし始めてしまいました。これでは「ここで働きたい」とは思われません。採用のコツは「採用のステップが後ろにいくほど厳しく見る」ことです。どういうことかというと、最初の面談では、求職者に質問をするよりもまずは自社のことを理解してもらうよう努めましょう。そのうえで求職者にはミスマッチがないか判断してもらい、よほど問題ある人でなければおおむね次のステップに進んでもらいます。そして最後の面接では、志望動機やヤル気を聞いて厳しく見定め、その人を採用するか否かを検討します。先ほどの社長の例とは真逆です。

イマドキの若者が職場に求めるものは「給料」や「休日」じゃない!?

―最近の求職者の傾向はありますか?

妹尾氏:最近に限った話ではありませんが、20代の若い求職者が求めているのは「給料」や「休日」の待遇面だと思いがちですが、実は、それらは「不満」にはつながりやすいものの、「満足」に直結することは少ないです。それよりも、この会社に入ったら「何ができるか」、「何が学べるか」を大事にしていることが多いです。給料も「現時点の額」よりも給料体系や評価制度など「将来どう上がっていくか」を重視しています。一方、30代以降のキャリアのある人達は、現職で思ったような評価をされないと不満を持っていることがあり、そうした気持ちを承認するスカウトが刺さりますね。最近は採用プラットフォーム上でスカウトを打つダイレクトリクルーティングが主流になっていることから、いかに印象に残るかがより重要になっています。その点でも、ありきたりなフレーズではなく、その店独自の魅力や強みを打ち出していく必要があります。

業態開発と人事が喧嘩する会社が「いい会社」

―とはいえ、現場も忙しい飲食店ではなかなか採用のアレコレに手が回らないのが現実です。

妹尾氏:その状況はよく理解できますが、本気で採用したいと思うなら会社の中に人事部を作って本腰を入れるべきです。飲食店のメインの仕事は出店や現場であり、採用はサブ的な業務のように思いがちですが、実際には、どれも同じくらい力を入れるべき、いや、採用の方が大事かもしれません。結局、人材が揃わなかったら出店もできませんし店も回せない。「人が揃ったら出店しようと思っている」では、なかなか展開を進めることができません。本来、飲食企業では業態開発と人事が喧嘩しているくらいがちょうどいいのかもしれませんね。業態開発は「出店するんだから人を揃えてほしい」、人事は「人を揃えたのだから出店してほしい」、こうして社内で切磋琢磨できている会社は伸びていくでしょう。

忙しくてもご安心を。人事部はアウトソーシングできます!

―そのためのサポートを採用戦略研究所では行っているのですね?

妹尾氏:そうです。当社の強みは、私をはじめとした飲食の現場をよく知る人間が、飲食店に特化して採用支援を行っているということ。自社で人事部をつくることができなくても、その役割をアウトソーシングすることができます。採用支援会社で、ここまで飲食に特化したサービスを提供できているところはほとんどありません。私たちは飲食店や飲食店で働きたい求職者の深いところを理解したうえで施策を打つことができますので、求人広告の原稿もありきたりな表現ではなく、その店ならではの魅力を言語化してアピールすることができます。まずは求職者に自社の魅力を説明する必要がありつつも、求職者全員と面談する時間が取れないという場合もあると思います。そこを当社が代行し、その後の選考のみをお任せすることで、モチベーション形成がされた状態の求職者を選考することができます。求職者のメッセージ対応も可能ですので、忙しい社長に代わってすばやい返信で、求職者を逃さずに済みます。お店や企業によってプランは様々に対応できるので、気軽にご相談ください。

―御社のサービスは、特にどんな飲食店にオススメでしょうか?

妹尾氏:おおよそ3店舗以上になってきて、オーナーが現場を離れつつあるような規模からがオススメです。1店舗のオーナー様からご相談を受けることもあるのですが、その場合は正直に「ご自分で頑張った方がいい」とお伝えしています。というのも創業当初はバタバタで、どうしても整っていない部分もあります。外部から人を採用すると求めるものが多いのでミスマッチが起こりやすい。創業時は、まずは自分の想いに共感してくれる人材を、知人のつながりなどから探してくるのがベストでしょう。そのフェーズを脱却した企業には、私達が役に立てるはずです。

―採用のコツや考え方から、採用が企業の成長に及ぼす影響まで勉強になりました。本日はありがとうございました!

採用戦略研究所(HP)

採用戦略研究所 サービスページ

スペシャル企画一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集