渋谷に隠れ家的ワインバー「wine bar 縢-kagari-」がオープン。スパイスやハーブを生かした創作料理と多彩な自然派ワインをグラスで楽しませる

苦手だからこそ辿り着いた、スパイスやハーブが持つ華やかさ

メインである自然派ワインは、あえてリストは用意せず、グラス（1300円～）で常時20種類前後を用意。ワインに様々な個性があるように、人の好みも十人十色。作り手の思いを伝えると同時に、色々なワインを飲み比べながら「“好き”の入口を見つけてほしい」と加賀谷氏。このほか、クラフトビールや蒸留酒も揃える。

ワインに合わせるつまみの品書きには、看板メニューの「鹿児島黒豚の焼売」（2個600円）をはじめ、「タイ風海老の揚げ春巻き」（1本500円）、「オクラとネギの花山椒漬け」（500円）、「タコと香味野菜、パプリカのセビーチェ」（800円）等、エスニック系のスパイスやハーブを活用した料理が並ぶ。もともとこうした料理が好きだったのかと尋ねると、むしろ苦手で、レシピ開発にはかなり苦労したようだ。

「お客様に自然派ワインについて説明するとき、いい意味で“不完全”なものだとお伝えします。だからこそ、何かを足したときにぴたりと当てはまると、お互いの良さを引き出し合うこともある。その“何か”の1つがスパイスやハーブだと思うんです。例えば僕は、パクチーが本当に苦手だったのですが、セロリや紫玉ねぎ、赤パプリカなどで爽やかに仕立てる『セビーチェ』にパクチーが加わることで、より清涼感が加わることに気付いて。いろいろ試しながら、スパイスやハーブが持つ辛さや刺激以外の要素を見つけていきました」。

鹿児島黒豚の挽肉と塊肉をチョップし、ジューシーに仕上げた「鹿児島黒豚の焼売」

パクチーをふんだんに使用した「タイ風海老の揚げ春巻き」は、ナンプラーを合わせることで心地いい香りが生まれるのかと驚いたという

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