自由なオーガニックの店「Offf」
30代から70代まで、安心・おいしい食を求めて客が集う

ハイセンス、ハイレベルなレストランがひしめく飲食激戦エリア、代々木上原。駅近くでありながら道ひとつ入り喧騒から離れた一画に9月16日、リトルライオン（最高経営責任者 駒澤大輔氏）が運営する路面店「botanical table Offf（ボタニカルテーブル オフ、以下 オフ）」がオープンした。リトルライオンは2015年に設立。その当時から「オフ」の開店計画は始まっていたという。コンセプトは花屋のある“ボタニカルテーブル”。併設の花屋「TRUMP FLOWERS（トランプ フラワーズ）」が取り扱う花や緑は「オフ」にもふんだんに配され、明るく開放的な店内にさらなる安らぎと生気を与えている。

店名の「Offf」は、Organic（オーガニック）・food（フード）・flower（フラワー）・fashion（ファッション）の頭文字をとったもの。中でもオーガニックにこだわり、“SATISFACTION ORGANIC”をキーワードに体に優しく安心でおいしいメニュー作りを心がけている。世界から取り寄せたオーガニックの小麦粉や調味料、京都の平飼いの鶏や有機たまご、千葉の有機牛乳、オーストラリアの有機ビーフ、アメリカのオーガニックポークを使用。野菜は、全国の有機野菜を扱う「ビオ マルシェ」や契約農家から、その時にいちばんおいしい選りすぐりのものが届けられる。魚介はすべて天然もので、養殖のものは使用していない。

シェフを務めるのは「レストラン アニス」出身の高嶋由理氏。シンプルに食材の魅力を引き出しつつ、目にも美しい料理でお客を楽しませている。「本日の有機野菜のディップサラダ」（2400円）は、テーブルに運ばれた瞬間思わず声を上げてしまうほどの華やかさ。色、形、大きさ、味わいなど新たな発見がいっぱいの野菜が数十種類、3種のオーガニックディップソースとともに彩りよく盛り込まれている。グリルされたレタスをはじめどれもみずみずしく、それぞれの魅力をしっかりと味わえる。メイン料理はすべてスキレットで調理。「本日の貝の白ワイン蒸し」（1600円）は、新鮮な3種の貝を使用。大きくプリプリとしていて旨味も強く、店のこだわりがよく感じられる一品だ。

ランチは現在、ハンバーガー、オマール海老を使ったスープカレー、サラダプレートの3品。こちらも有機野菜をふんだんに使いボリュームたっぷりで彩りも良く、人気を呼んでいる。アルコールはオレンジワインなどの自然派ワインを中心に、すべてオーガニックのものを用意。安心でおいしいものが揃えられている。店内には、料理に使われてる調味料などが展示・販売され、オーガニック食品に詳しい客でも初めて見るというものが多く、売れているという。店に入ってすぐのオープンキッチンにはその日仕入れられた珍しく美しい野菜が並び、調理の様子も見渡せる。食材にこだわるが故に仕入れの苦労もあり原価も上がるが、良いものを魅力的に、かつ正当な価格で提供するために努力を重ねている。

取材時はオープンから3週間で、Facebook、Instagramのみでの情報公開ということもあり来客は近隣住民が中心。年齢層は幅広く、30代後半から70代まで。小さな子供連れのファミリーや高齢の客の支持も厚く、多くの人が足繁く通って来られるそうだ。体に優しい食への関心が高いと思われる客層に好まれているという点でも、この店の実力がうかがえるのではないだろうか。「わがままに、おいしいものをお腹いっぱい楽しめる本気のオーガニック」を目指す「オフ」。今後は手作りのものを更に増やし、もう1つ“f”（farm）を加えて自社農園をスタートするなど、さまざまな展開を検討している。

店舗データ