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コラム

7月30日オープンの「ハマ横丁」に注目!

毎年この時期、秋に向けて都心型の大きな商業施設オープンが話題になるが、今年はそれに加えて"大型横丁"のオープンラッシュが飲食業界を賑わせそうだ。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


まず、商業施設のほうでは、10月に日本橋三越前で二つの大きな飲食施設がオープンする。一つは三井不動産の「COREDO(コレド)室町」、もう一つは「日本橋室町野村ビル」の“プレミアムダイニング&グルメゾーン”。なぜか日本橋が熱くなるのだ。そして、銀座と品川。銀座では「三越」が18の新規レストランオープンに向けて改装中。品川駅港南口では中日新聞東京本社ビルが19階建ての高層ビルに建て替えられ、下層部に飲食施設がお目見えする。こうしたなかで、街場では商業ビルの大箱フロアーの再生、JR高架下の活性化などのニーズに応えた“大型横丁”のオープンがこの夏から相次ぐ。私が注目しているのは、「ハマ横丁」「シブヤ肉横丁」「新橋ワールドミートセンター」、そして「有楽飲食市場(仮称)」の4プロジェクトである。「シブヤ肉横丁」以外は、いま脚光を浴びている浜倉好宣氏によるプロデュースである。

とくに注目したいのが横浜・鶴屋町に7月30日オープンする「ハマ横丁」。ショルダーキャッチが“ヨコハマ ノスタルジック 酒場”とあるように、コンセプトは「昔のカッコ良かった横浜」をもう一度蘇らせようという試み。ホームページには、「仕事帰りに野毛で一杯のつもりが何軒もハシゴ・・・、デートの時には本牧のオシャレな店でカクテル・・・、東京にはないそんな『古き良き横浜』のイメージを熱く持った9人の地元飲食店のオーナーが集結して始まったのがこの『ハマ横丁』! 鶴屋町の古びたビルで『大型チェーン店には出来ない事』『ダサくかっこいい!』『忘れられたハマっ子の魂』を追及しながら美味しい料理×旨い酒×楽しい仲間のコンセプトで実現させます!ご年配の方には懐かしく若い方には斬新!そんな横浜らしを楽しんでいただければと思います・・・」とあり、同じページには個性的なオーナーたちの顔とともに、熱いメッセージが寄せられている。

1階は「昔の野毛」をイメージ、 「Grill&Wineヤミツキ」「海鮮BBQ 浜印水産」、「Grill Dining Bar 饗」「炙塩旨魚 勢」の4店舗。2階は昔の横浜の若者の憧れ「本牧」イメージし、「Party AnimalZ」「焼酎とおでん お富さん」「うえちゃん」「焼酎&カクテルバーROCKWELLS」「横濱モダン焼き 重」の5店舗。3階はイベントもできるディスコ仕様のサウンドバー「電気クラゲ」、そして4階は屋上を使ったビアガーデンやパーティーができる「メリケン波止場」という構成。「ハマ横丁」のまとめ役で、「Grill&Wineヤミツキ」を出店するアコンプライスフードプロジェクトの牧野利彦社長は、「東京で流行っている横丁の真似ではなく、横浜で根を張って商売しているオーナーたちが厳しい経営環境に対する危機意識と同時に力を合わせて横浜ならではの横丁文化を発信していきたいという志の現れがこのプロジェクトです」と語る。鶴屋町には「モアーズ」や「CRANEビル」にように東京勢が幅を利かせた飲食施設が話題になっているが、この「ハマ横丁」による“地元勢の逆襲”に注目したい。

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