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コラム

新宿3丁目、麻布十番「二つの飲食店ビル」

東京ミッドタウンオープンを控えて、大型商業施設に目が向き始めたが、街場でひっそりと二つの飲食店ビルが産声をあげている。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


一つは新宿3丁目の「ダイアン新宿ビル」。地下1階地上9階建て、ワンフロア約30坪のビルだが、なかなか個性的な店が出店している。地下1階に は、「サバサバ」「クラウディア」など3丁目でドミナント展開をしている株式会社ワルツが寿司屋「ひろ喜」とバー「ヴィオレット」(TEL 03-3354-6633)の複合店舗をオープン。3丁目らしからぬスノッブな店だ。大竹信子社長のワルツは、「庄助」を展開する出井商事(出井武泰社 長)、「日本再生酒場」で当てた、い志井・エムファクトリー(長谷川勉社長)と並ぶ“3丁目三国志”の一角である。 「ダイアン新宿ビル」は他に、4階にドラゴンフルーツ、ミラクルフルーツを使った“フルーツカフェ・レストランバー”の「Vifu(微風)」、名古 屋出身の新勢力で名古屋コーチン専門店の「鳥開」など新顔がデビューしている。「微風」は明らかに伊勢丹や丸井など周辺百貨店に勤務する女子ターゲットだ ろうが、業態的には“微妙”な店だ。「鳥開」は名古屋で7店舗展開する株式会社プログレ(西村和利社長)経営。「鳥良」や「山ちゃん」などを追ってこれか ら東京での展開を視野に入れた前線基地である。3月末には沖縄料理やリゾートレストランなど、ユニークな業態の店が順にオープンする予定だ。 もう一つの飲食店ビルは麻布十番の「パティオ麻布十番ビル」。ピーコックの前に最近竣工した話題のビルだ。先頭を切って8階にオープンしたのは、 TV出演もこなすスター実業家の貞方邦介プロデュースの南国リゾート&モダンリビングなリゾートレストラン「オメグナ」。芸能人やセレブがターゲットで、 このビルの“広告塔”の役割を果たしそうだ。次にオープンしたのが7階の「麻布萬會」。福井・越前市の和風ダイニング“萬谷(まんたに)グループ”が東京 初出店の店だ。そして、3月6日にオープンしたのが“朝〆名古屋コーチン”の「ざんぐり」。恵比寿で7年営業していた店が移転オープンした。オーナーは荒 木敬子氏。 そして、9日オープンするのが“味噌汁バー”「1CHIDO」(南麻布)で大ブレークしているデザイナー集団・スタジオナガレが設計を担当したフレ ンチ「エルブランシュ」。フランス・アルザスの3つ星レストラン、コートダジュールの2つ星レストランで修行し、帰国後もゲートシティ大崎の「ラフェク レール」総料理長を務めた小川智寛氏が、弟でソムリエの小川雅之氏と共に始める小さな店だ。コンセプトは“体にやさしいフレンチ”。健康にこだわった繊細 な料理を楽しめる。いま、東京のメインエリアではもう路面1階の物件がほとんど出ない。これからはこうした小ぶりで個性的な飲食店ビルに入る空中店舗が増 えるのだろう。それにしても、なぜオープン時期がバラバラなのだろう。まとめて“一斉オープン”すれば、インパクトも違うだろうに…。

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