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コラム

変わる中目黒に郷土料理ストリート”誕生!”

ディープなグルメタウン「中目黒」が急変貌を遂げている。東急線ガード下の店が次々に姿を消す一方、古い商店街路地裏には郷土料理"の店がオープンしている。 "

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


昨年の暮れから始まった東急線ガード下の工事。国交省の耐震補強工事と中目黒駅の延伸工事が重なったわけだが、ガード下に軒を連ねていた昭和の名残ある数十件の飲食店はほぼ閉店、撤去した。ネオンの消えた高架下はすっかり寂しくなった。私の好きだったイイコ横山貴子さんの「村上製作所」も 3月29日、ついに立ち退き閉店、近く祐天寺に移転オープンする。ジェリーフィッシュの立ち飲み「バリ鳥」もすでに無い。このあたりは上目黒一丁目再開発 計画による高層マンション建設が進捗中とか。ガード下もどう変わるかまだ不明だが、地元の人たちは「東急は家賃の取れるチェーン店をもってくるに違いな い。ガード下を愛してきたのに信じられない」と憶測、悲嘆にくれる声も。 その一方で、昔ながらの商店街「目黒銀座通り」の路地裏には新しい店がオープンしている。この小さな路地には有名ピザ店「SAVOY(サヴォイ)」 があったが、いまは「聖林館」と名を変えて営業。北海道の海の幸を揃える立ち飲み屋「根室食堂」は連日人気。大阪からやってきた創業昭和9年の“二度漬け 禁止”の立ち飲み串揚げ屋「殿金」もすっかり定着した。その他にも、山方哲也さんのスペイン料理店「BAR VELANO」、山方×キム兄の鶏鍋屋「木山Dining」、ハイボールをウリにした昭和テイストのバー「ラッキーハウス」などの個性的な店が並び、古くからある居酒屋や日本料理店、沖縄料理、スナックなどと混じり合って独特の雰囲気を醸し出してきた。 そこに、4月1日、今度は福岡から名物・水炊き餃子の「博多ぬくぬく家」が やってきた。道玄坂にの奥の渋谷店に続く東京2号店で、オーナーの“あ・うんグループ”別府治幸さんは福岡で飲食店経営者の会「ICOO会」を率いる業界 のリーダー。「ぬくぬく家」は路地に立つ5階建ての一軒家を改造した。地下にはVIP個室も作った。そして、4月11日は恵比寿や西麻布で「砂漠楼」「陣 や」などを展開するラ・ブレアダイニングの高橋知憲さんがやはり4階建ての2階から4階を借り上げ、田町の「瀬戸内水軍」に続く瀬戸内郷土料理「鶴姫」をオープン。こちらは4階のテラスのあるフロアをVIPルームにする。福岡に瀬戸内海の郷土料理店が相次ぎ登場したことで、北海道あり大阪ありのこの路地は“郷土料理ストリート”として中目黒のグルメ通に認知されるかもしれない。

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