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渋谷フレンチの雄・ミニヨングループが「焼売酒場 小川」を開業。「焼売」と「玉子焼き」を中心に据えたミニヨン流大衆酒場は人材不足も解消する新業態

渋谷駅から徒歩7分。「焼売」と大きく書かれた白いのれんが目印
17坪28席の店内。リニューアルで入れ替えた丸椅子が可愛らしい
岩中豚を使用し、つなぎを使わず肉肉しい「焼売」。おかわりが続出する人気ぶりだ
昭和の頃から流通している「国産一升瓶ワイン」。酸味と渋みの少ない飲みやすさで、焼売とのマリアージュも提案する
マニフィー代表取締役、四ツ橋壮大氏

(取材=福井 晶)


2019年2月1日、「ミニヨンTOKYO」をはじめとするフレンチビストロを渋谷でドミナント展開するマニフィー(東京都渋谷区、代表取締役:四ツ橋壮大氏)が創業10年目にして「焼売酒場 小川」をオープンした。同店は既存店「ミニヨン坂の上」の名物メニュー「焼売」と「玉子焼き」にスポットをあてたミニヨン流の大衆酒場。自然派素材へのこだわりや日本の食文化とフレンチを主軸にしたミニヨンのコンセプトにトレンドの“大衆酒場”を掛け合わせた新業態だ。これまで培ったノウハウを活かし、人手不足の問題まで解消する店舗運営にも注目したい。

ミニヨンのコンセプトに大衆酒場のエッセンスをプラス


現在、マニフィーが渋谷で運営しているのは、「ミニヨンTOKYO」、「ミニヨン坂の上」、「焼売酒場 小川」の3店舗。1月まで営業していた「サンパミニヨン」の閉店に伴い、同物件に「ミニヨン坂の上」を移転。「ミニヨン坂の上」だった店舗を「焼売酒場 小川」としてカジュアルリニューアルした。内装は木製のアンティークチェアを丸椅子に変え、のれんを差し替えた以外はそのまま活かした。

メインターゲットは周辺企業に勤めるワーカーと地域住民。「渋谷の中でもこのエリアは食の感度の高い人が多く、低価格で気軽に利用できるいわゆる大衆酒場はあまり馴染まないエリアかもしれません」と話すのは、代表の四ツ橋氏。「これまで和の素材を取り入れたフレンチ、和食の皮を被ったフレンチをやってきました。あらゆる業界のトレンドがカジュアルになる中で、これまでの経験を踏まえ、ここで私たち流の『大衆酒場』を演じるのは面白いのではないかと思ったんです」とも語る。同店はミニヨングループが培ってきた上質さと大衆酒場の気軽さを両立。少数精鋭のメニューとこだわりの食材で、グルメな層の肩肘張らずにお酒を飲みたい需要に応える。サッと一杯から、じっくりワインを楽しむお客まで幅広く受け入れる店を目指した。

同氏はソムリエとして国内外のワインバーやフレンチ・和食店で勤務、経営した経験が豊富でありながら、下町生まれで大衆酒場にも馴染み深い。当初「ミニヨン坂の上」の名物として開発された「焼売」と「玉子焼き」も子供の頃の思い出からヒントを得た。「家庭教師の先生に早稲田の『源兵衛』という老舗の大衆酒場に連れて行ってもらったのが忘れられなくて。そこは焼売と玉子焼きが有名なんです」と四ツ橋氏。日本人なら親しみのあるこの2品に、星付きフレンチ出身の総料理長・小川氏がミニヨンの主軸である“日本の食文化×フレンチ”の要素を加え、新しくも懐かしい目玉メニューに仕上げた。人気が定着したことから、そのままのレシピで「焼売酒場小川」の2本柱として採用した。

メニューの絞り込みとドミナント展開でスタッフを最小限に

店内は17坪28席。スタッフは厨房に1人、ホールに1~2人で賄う。「新業態を打ち出すにあたり、人材不足も考慮しました。技術のある職人の採用や育成には手間や時間がかかるため、飲食経験の長くないスタッフでもクオリティを保てる仕組みを作りたかったんです」と四ツ橋氏。メニュー数を絞り込んで、調理担当者には名物の「焼売」と「玉子焼き」の2品のみの技術をフレンチシェフが徹底的に叩き込み、その他のメニューは、徒歩1分の距離にある「ミニヨン坂の上」で仕込む。ドミナント展開を活かし、店舗運営に関わる職人の手を最小限に抑えた。

フードメニューは少数精鋭

フードメニューは15品ほど。フレンチの技法を織り交ぜつつ、岩中豚の4つの部位を使用した「焼売」(1個160円)が何よりの看板商品。つなぎを使わず餡の9割が肉であることで実現したジューシーさ、長崎県産の濃口醤油と和歌山県産の山椒をつけて食べる上質な味わいが人気だ。焼売に次ぐ名物の「玉子焼」(大1280円小780円)は「若宮産地黄卵」を使用し、ミニヨンお得意のダッチオーブンでじっくりと焼き上げる。「ミニヨン坂の上」で仕込む「燻製鯖のコロッケ」(1個380円)や「和牛すじ煮込」(890円)、「おでん盛り」(720円)にも注目だ。

インパクト大の国産ワイン一升瓶で酒場らしさを演出

ドリンクの主力は、焼酎か日本酒にも見間違える瓶のビジュアルがインパクト大の「国産ワイン一升瓶」(赤・白600円)。お客に一升瓶を渡し、コップへ好きなだけ注いでもらうシステムを導入し、酒場らしさを演出している。「ワイン+焼売の新鮮な組み合わせは、メディアでも取り上げられました。今後のトレンド入りにも期待しています」と四ツ橋氏。チューハイ類は「国産レモンサワー」(500円)、「有機ジャスミンハイ」(500円)など素材にこだわり500円から揃える。「国産ワイン一升瓶」の他にも、自然派ワインもラインナップし、白・赤ともに3種類ずつ、スパークリングは2種類。本物をリーズナブルに味わってほしいという思いから、火曜日と木曜日に「シャンパーニュ」(10000円)が半額の5000円になる施策も行なう。

これまでの築き上げたミニヨンのノウハウを凝縮した「焼売酒場 小川」。人材不足の中でも職人とともに作り上げた質を維持し、ミニヨンブランドが水で薄まらない運営を目指している。「10店舗、20店舗やるよりは10、20年続けたい」をモットーとしながらも、コンパクトな店舗運営が可能なこの業態に限っては複数の店舗展開もやぶさかではないという。今後もミニヨンの新たな挑戦に注目だ。

店舗データ

店名 焼売酒場 小川
住所 東京都渋谷区渋谷3-1-10

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アクセス 渋谷駅から徒歩7分
電話 03-6427-3560
営業時間 【月・水・金】12:00〜14:30、18:00〜23:30【火・木・土】18:00〜23:30
定休日 日曜、祝日(臨時営業、臨時休業あり)
坪数客数 17坪28席
客単価 4000円
運営会社 株式会社マニフィー
オープン日 2019年2月1日
関連リンク 焼売酒場 小川(FB)
関連リンク 焼売酒場小川(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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