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予約困難で知られる焼き肉店「にくがとう」が、三田・田町エリアに進出!「肉をDNAレベルから愛している」から生まれるオリジナル肉メニューが大人気!

田町駅・都営地下鉄三田駅から徒歩5分。三浦氏の朝のランニングコースで発見したという立地。過去、7年間で10軒近くの飲食店がオープンしては閉店した物件で、並びには人気焼肉店「ふたご」がある
全46席の店内には、カウンター、テーブル席、銭湯絵師・田中みずき氏が描いた富士山の壁絵が飾られた会員制のVIPルーム「肉風呂」がある
「元祖1枚イチボ1.5 秒焼き すき焼風」は、日本一の卵との評判の高い「コロンブスの茶卵」付き。赤身ながら絶妙なサシが入った部分だけ薄切りにし、サッと炙ってコロンブスの茶卵につけて食べる同店の名物メニューだ
赤身肉を使った「至福の握り」(一貫300円)は、トッピングのカンボジア産生粒胡椒が癖になる味と評判。最初の一品としても、〆としても人気
会長の三浦剛氏(愛称・肉ちゃん)は元ウェブデザイナー。週4で焼肉を食べに行くほどの肉好きが高じて、飲食店を手掛けるようになった

(取材=桑原 恵美子)


知られざる名店が多く“隠れグルメタウン”として知られる三田・田町エリア。その中でも飛び抜けた賑わいを見せているのが、2018年2月9日にオープンした焼肉店「にくがとう33895 三田・田町店」だ。名古屋の店舗を加えた全3店舗の運営は、飲食店の運営企画などを手掛けるMiso Soup(東京都中央区、代表取締役 佐名木崇之氏)。人形町にある本店「にくがとう」は、人形町駅から徒歩10分のさびしいオフィス街のはずれにありながら、リーズナブルな価格と独創的なメニューで肉好きが殺到。予約困難なことで知られる店だ。「にくがとう33895 三田・田町店」は同店の系列店で、「予約が全く取れない」という声が多かったためオープンしたのだという。

Miso Soup会長兼プロデューサーの三浦剛氏(愛称「肉ちゃん」)は、元ウェブデザイナー。肉好きが高じて焼肉店を始めたという異色の経歴の持ち主だ。「飲食業の面白さは、人が喜んでいるのを生で感じられること。飲食業というより『喜ばせ業』をやっているつもり」と語る。

23坪・全46席の店内には、カウンター席、テーブル席を配置したメインフロアのほかに、「肉風呂」と名付けられたユニークな会員制のVIPルームもある。グループ利用に便利な6人掛けテーブルが2卓あり、銭湯絵師・田中みずき氏が描いた富士山の壁絵には、「肉風呂や 至福の時間 肉と富士」という句が書かれている。「にくがとう」というユニークなブランド名は、「肉」と「ありがとう」を掛け合わせた三浦氏の造語。動物の命をいただくことに感謝し、おいしい肉を提供するために真剣に努力し続けているすべての人に感謝して食べたいという気持ちを表している。今回オープンした三田・田町店の店名の最後の5桁「33895」は、三浦氏が飼育に携わった土佐のあかうし「カールちゃん」の個体識別番号の下5桁だ。ストレスをかけないよう大切に育てあげたカールちゃんの肉は出荷後、あますところなく大事に調理され、にくがとうでふるまわれている。「おいしい肉を味わうことの土台には、動物の命をいただいているという事実がある。そのことを決して忘れないために」自戒をこめて店名につけた。店内には出荷される時のカールちゃんの写真も飾られている。

同店のメニューを見て驚かされるのは、その食べさせ方の多彩さと独創性。例えばオープンキッチンでスライスしたかたまり(ロック)肉のステーキ「和牛赤身ロック」(1650円)は、日本一の水や飼料で育てた究極の卵「コロンブスの茶卵」と、村上牛の堆肥で土作りをしている“牛米”と呼ばれるコシヒカリで作った卵かけご飯「ロック飯」(200円)と供される。究極の卵かけご飯に和牛の脂とにんにくバター醤油のタレがからまり、絶品だという。赤身肉、フォアグラ、パンを使って食べる「じゃばらステーキ」(1人前900円)、赤身に絶妙なサシが入ったイチボをスタッフがサッと炙ってすき焼き風に供する「元祖1枚イチボ1.5秒焼き すき焼風」(1枚800円)など、マニアックな肉メニューが目白押しながら、平均客単価は6000円~8000円とリーズナブル。「自分が外食した時、『また来たい』と思える価格設定にした」(三浦氏)。

いったいどこから、こうした独創的な肉メニューのアイディアが浮かぶのか。三浦氏はズバリ「肉を愛しているパワーで気づく」と言う。例えば東大生が100人いても1人1人が違うように、ブランド肉と呼ばれる肉も全部違う。その甘味、旨みを細かく味わい分け、最もおいしく食べさせるためにできることを、常に模索している。「だから1日中、肉と食材のことだけを考えている。それだけ全力で真剣に肉のことをつきつめて考え続けているから、新しいアイディアが湧いてくる」(三浦氏)。ただ“ブランド肉”と呼ばれている肉を取り寄せ、焼いて出すだけであれば、焼肉店をやる意味がないと考えている。より価値のあるものを、世の中に生み出していきたい。その店があることによって、その地域がよくなるような店を作りたい。だからこそ、肉の食べさせ方も、もっと新しい物、もっと面白い物と常にチャレンジしているのだ。こうした情熱と愛が同ブランドの良さでもあり、欠点でもあると三浦氏は語る。よほどの情熱がないと維持できないため、増やすのが難しく、ビジネスとして拡大しにくいからだ。

だが同ブランドでは、昨年7月にフランチャイズ店「焼肉にくがとう 名古屋店」(名古屋市中区)をオープンさせている。今後は「にくがとう」ブランドを全国展開していくのかと思いきや、その気持ちはまったく無いという。名古屋店は同店のファンから「地元の名古屋に、ぜひこの店を作りたい」という熱い要望があり、最初は断っていたが、その熱意に負けたのだという。契約としてはフランチャイズだが、本当に熱意があると見極めた人に店で働いてもらい、職人として育てているので、「半分は暖簾分けのようなもの」だそうだ。青森県弘前市からも同様のオファーがあり、現在、実現に向けて進行中だという。

じつは三浦氏は最初の店をオープンする前、文化の体験と語学習得のためカンボジアに家族ぐるみで3
年間移住し、「現地の庶民が安価に味わえる日本食グルメを提供したい」という気持ちから、ラーメン店を開くなど、アジアでの飲食経験も豊富にある。「その地域に必要とされている飲食店を作りたい」「飲食の新しい価値を創造したい」という、三浦氏の飲食業へのモチベーションの原点を象徴するエピソードだ。「自分の店はずっと個人商店のままでいいと考えているが、店のブランド認知が広がることで、コンテンツの価値をもっと広げていきたいという思いもある」(三浦氏)。日本の肉の素晴らしさを世界に発信したいし、食の生産や農業の活性化の役に立つ事業も展開したい。そして日本から、新しい食のトレンドを世界に発信したい。その夢の実現のために、次のステップをもう視野にいれているとのことだ。

店舗データ

店名 焼肉にくがとう33895 田町・三田店
住所 東京都港区芝5-12-7 カゾール三田1F

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アクセス 田町駅、三田駅から各徒歩5分
電話 03-6435-2983
営業時間 【月〜金】17:00-24:00 (LO 23:00)【土】17:00-23:00 (LO 22:00)
定休日 日曜(祝日は営業)
坪数客数 22坪46席
客単価 6000円~8000円
運営会社 株式会社Miso Soup
オープン日 2018年2月9日
関連リンク 赤身焼肉 にくがとう(HP)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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