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コラム

カリスマ創業者たちが元気だ!

昨日、飲食店スタッフ向けフリーペーパー『スマイラー』の創刊2号目の座談会で元小林事務所の小林敬さんにお会いした。仕事と人生の大きな挫折を経て復活した人の話には、重みと凄みがある。大不況の今、カリスマ創業者たちが元気だ。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


小林敬さんは。「新和風料理 庵」など数々の飲食店を全国に展開していたが、2005年長崎オランダ村の跡地を使った「食」のテーマパークや料理学校の計画が行き詰まり、本体の小林事 務所も破綻、その後はシダックス傘下に入り、小林さん自身も雌伏していた。そして今年2月、イタリアンレストランの「タパス&タパス」を運営するジャパンフードシステムズの 代表取締役社長として“業界復活”を果たしたのだ。同社では半年で既存店前年比115%を目標とした「業績のV字型回復」の指揮を取り、一方で中小飲食店 が“弱者連合”を組んで共同仕入れなどで有利に戦っていくためのネットワークを結成、業界に新風を巻き起こさんばかりの勢いだ。その旗揚げとして「第1回小林塾」を4月20日に開く。フード業界最前線に戻ってきた小林さん(アメブロ「小林社長塾」も開始)の動向から、しばらく目が離せない。 謎のカリスマ創業者といえば、まぐろ人グループ(ティーケーエス)の “会長”神里隆さんだ。マスコミには一切出ない主義を貫く神里さんが、『スマイラー』の企画には応じてくれた。といっても、“ホッピーミーナ”さんこと、 ホッピー・ビバレッジの取締役副社長・石渡美奈さんとの対談。「ミーナさんに頼まれちゃ出ないわけにはいかない」と“友情出演”してくれたのだ。会場は神 里さんグループが既存店のヒット業態を“横丁”イメージで一棟建てビルに集めた東銀座「新六ビル」の店で行なわれた。地下1階~地上5階の6層のビルには、6業態6店舗が入った。総面積130坪、全220席の規模。まさに同グループの都内旗艦店ともいえる。不況になればなるほど、業界で“神里パワー”が吹き荒れるに違いない。 他に、やはりいま元気なカリスマ創業者といえば、楽コーポレーションの宇野隆史さん、もつ焼きい志井グループの石井宏治さん(アメブロ「石井宏治ブログ」)、6月から“商い道場”を開講するつぼ八創業者・八百八町の石井誠二さん、そしてここにきて出店攻勢をかけている際コーポレーションの中島武さん(アメブロ「中島武日記」開 始)だろう。大不況となると、経営に問われるのは数字やマネジメントよりも、“人間力”“生存力”だ。とくにこの不況はアングロサクソンが生んだ収益至上 主義の反動的な要素が大きい。その対極にあった日本的経営の“義理・人情・浪花節”流の男の生き様主義への回帰がいま起きていると言っていいだろう。結 局、飲食で成功するツボは「店に魂を吹き込むこと」だ。居酒屋甲子園ブームが起きたのも「魂を吹き込むカルト的手法」が当ったということだ。しかし、カリ スマ創業者たちの眠れるパワー復活は、そんな若者のカルト依存を吹き飛ばす勢いで、これからブームとなるだろう。

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