コラム

「東京オイスターバー戦争」が熱い!

「生牡蠣」をキラーコンテンツとする「オイスターバー業態」が元気だ。都内に新店が次々にオープン、オイスターバー戦争"が過熱している。いまなぜ、生牡蠣なのか?

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


オイスターバー&レストラン「Ostrea(オストレア)」を展開するバル.ジャパンは7月8日、新橋レンガ通り近くに「オストレア新橋店」をオープンした。「魚金」グループの洋業態や「俺のイタリアン」など、カジュアルワイン業態の繁盛店が密集する新橋に初出店。1階路面の広い間口が目立つ新橋にしてはオシャレな外観のオイスターバーだ。同社は、これまで赤坂見附、銀座八丁目、六本木、銀座コリドー街と出店してきた。今回の新橋で5店舗目。新橋にオイスターバーは少なく、SL広場近くの「オイスターバー ダイト」、汐留カレッタの「ジャックポット」ぐらい。火が付くのは間違いない。

オイスターバー業態の先駆者といえば、「ジャックポット」(ジャックポットプランニング)。下北沢の街場からスタートしたが、最近は商業施設へも出店、7月5日には「ジャックポット」10店舗目となる渋谷店をパルコパート1の8階にオープンした。牡蠣専門の和業態「かき小屋」も祐天寺、恵比寿に出店し、予約の難しい人気店になっている。もう一の勢力、商業施設中心に10店舗以上を出店してきた「ガンボ&オイスターバー」のヒューマンウェブもこの8月22日に銀座コリドー街に新業態「オイスターテーブル」をオープンする予定。銀座コリドー街では、「オストレア」と全面対決することになる。

「オストレア」のバル.ジャパン、「ジャックポット」のジャックポットプランニング、そして「ガンボ&オイスターバー」のヒューマンウェヴ、この“オイスターバー三強”がこの夏同時出店攻勢。まさに、「東京オイスター戦争」が俄かにヒートアップしてきた。いま、オイスターバーに注目が集まるよう要因は何か? まず一つは、3.11震災で岩手や宮城の牡蠣が壊滅的になり、そこからの復興応援需要が活発化してきたこと。そして、カジュアルワインブームと規制が強まるなかでの生食への欲望の高まり、さらに、若い生産者が増え、良質の牡蠣の東京への売り込みが激しくなったことなどが挙げられる。輸入も増え、いまや牡蠣は国内外から容易に調達できる通年商品でありながら、旬や地産地消を提案できるのも魅力だ。比較的アッパー価格でありながら、集客力のある業態として定着しそうだ。

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