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コラム

「ヒカリエ」効果で渋谷が「大人の街」へ!

「渋谷ヒカリエ」が4月26日から始動する。「大人の女性」をターゲットとして、ファッションも飲食も渋谷初"や"商業施設初"の店舗が勢揃い。「ヒカリエ」効果とこれからの渋谷を考察してみた。"

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


「ヒカリエ」の前身である東急文化会館はシアターやプラネタリウムがある渋谷の知的文化の拠点であった。そして、そのDNAを引き継ぐように「ヒカリエ」では世界最大級のミュージカル劇場、クリエティブスペースに、渋谷駅に直結したイベントスペースのヒカリエホールを核として、新たにワールドスタンスの文化発信の場として生まれ変わった。ほかにオフィスフロアとともに、渋谷初出店を7割とする200店舗が集まるショッピングフロア、そして渋谷最大級となる26店舗が入る飲食店フロアから構成されている。さらには東京メトロ副都心線と東急東横線との相互直通運転も相まって、渋谷のランドマークとして以上に「100年先の未来」を見据えた拠点となることを目指すという。6~7階の飲食フロアに出店する飲食テナントは老舗パワー発信と“大人の遊び場”づくりがコンセプト。7階には、クールな飲食カルチャーを牽引してきたゼットン・稲本健一氏、カフェカンパニー・楠本修二郎氏、ポトマック・金指光司氏、ジェリーフィッシュの貞廣一鑑氏など、“新外食第二世代”たちがヒカリエのコンセプトに沿ったそれぞれのプレゼンテーションを見せている。11階のシアターフロアのレストラン、カフェはトランジットジェネラルオフィスの中村貞裕氏が仕切る。10年前に街場を賑わせ、飲食文化を大きく変えた世代が「ヒカリエ」に一堂に会したのである。ある意味、「食はファッション!」をキーワードに一時代をつくった彼らが時を超えて、いま渋谷エリアの課題である「大人の女性」を渋谷に呼び戻すためのミッションを背負わされたと言うべきかも知れない。その一方、「ヒカリエ」オープンを機に、ざわざわし始めた渋谷の街場の変化からも目が離せない。「ヒカリエ」同様に、街場でも「大人化」がますます進んでくるだろう。道玄坂上、円山町、センター街奥の宇田川町、文化村裏の松涛、神泉、桜ヶ丘、宮益坂上など、いわゆる渋谷“周縁部エリア”には、大人がじっくり愉しめる飲食店が増えている。神泉駅近くには「ワイン食堂がっと」「おさかなや 魚魚権 神泉」「神泉酒場39」、そして「ミネバル」。道玄坂上の交番裏には、280円ビールを売りにした居酒屋グループの「すみれ」がオープン。ドリンクの安さを売りにしているが「学生お断り!」の店。マークシティ裏の国産ワインバル「道玄坂バル克ッ」など、隠れ家ゾーンに繁盛店が増殖している。“大人化”する渋谷のこれからのポテンシャリティに注目したい。 

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